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城と要塞 Focus1/2:マルケ州

歴史と文化、そして時に絶景を楽しめるスポットであるイタリアの城と要塞は、より深い旅の楽しみを提供してくれます。
特設サイトでご紹介する17州の中から、2州をピックアップ。
現地おすすめの「体感して欲しいポイント」をご紹介いたします。


マルケ州、芸術と自然、伝統の分かち合い


まるで時間が止ったかのような美しい小さな村と絶品グルメのある場所など、マルケ州には、数世紀にも渡って建設された数多くの要塞や城が存在します。

特にペーザロ・ウルビーノ県グラダーラには、街の美しい要塞と、城に密接に関わる歴史的な変遷があります。城は数世紀に渡り、マラテスタ家、スフォルツァ家、そしてデッラ・ロヴェレ家の支配を受けてきた場所であり、同時に、パオロ・マラテスタとフランチェスカ・ダ・リミニという、2人の若者の悲しい愛の物語が語り継がれている場所。

グラダーラの街と要塞(写真コピーライト:Regione Marche)


しかしマルケ州のすべての要塞に語り継がれるそれぞれの物語があります。例えば、メルカターレ湖の緑色の水にその姿を映すサッソコルヴァーロ要塞は、まるで亀の甲羅を思わせる丸くてコンパクトで、同心円状(半径が異なる円の連なり)の洗練された構造をしています。

サッソコルヴァーロ要塞 (写真コピーライト:Regione Marche)

アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館をデザインする際にこの構造を参考にしたと言われています。
現在城自体は、「歴史・武器庫博物館」として使用されており、1400年代から1700年代の衣装や武器が展示されています。

数世紀に渡り改良されてきた防御構造が見てとれるその構造。
現在も完全に保存されていますが、今見られる構造は、デッラ・ロヴェレ家により手が加えられた1500年代初頭のものであり、1450年にマラテスタ家が造った最初の要塞の上につくられています。そしてこの要塞は、1350年頃に建造された塔と合体しています。

中世の雰囲気をさらに色濃く感じたいなら、マチェラータ県トレンティーノの街のシンボルであるランチャ城へ。城はキエンティ川の左岸に位置する平野にあるランチャ地区にあり、その特徴は高さ30mもある要塞です。
マルケ州南部にあるアクアヴィーヴァ・ピチェーナにある要塞は実に美しく、ルネサンス期の軍事建築の傑作とも言われています。起源は14世紀、当時の貴族であったアクアヴィーヴァ家により造られました。フィレンツェ出身の建築家バッチョ・ポンテッリによる設計で、要塞は不規則な四角形。中央に井戸のある広い中庭、そして角の塔で防御が強化されました。

訪れるべきスポットとして他にも、初期ルネサンス期を生きた建築家・彫刻家・画家であるディ・ジョルジョ・マルティーニによるモンダヴィオ要塞(ペーザロ・ウルビーノ県)、銃眼のある要塞へとつながる唯一の要塞であるオッファーニャ要塞(アンコーナ県)、その起源が13世紀で周辺領土の象徴的要塞であるカメリーノのヴァラーノ要塞(マチェラータ県)や、ダイエッロ要塞ボルジェスカ要塞とともに、カメリーノにあるとても重要で荘厳な建造物のひとつです。

モンダヴィオ要塞 写真コピーライト:Ph Sergio Ramazotti

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マルケ州の城・要塞はここから:
https://www.enit.it/en/castles-of-marche
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