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成功はあとからついて来る!

貧しい家に生まれた五助は、幼い頃に小物屋へ奉公に出されました。

ある日、主人が奉公人たちを呼んで言いました。
「店にある商品を皆に割り当てる。一番多く稼いだ者を娘の婿にする」

五助はたわしを売ることになりました。しかし五助は商売の経験はありませんでした。五助はどうすればいいか分からず、親に相談するために実家に戻りました。

家では母親が病で寝込んでいました。
五助は母親が何日も風呂に入っていないことを知りました。貧しい五助の実家には風呂がなかったので、近所に事情を話して風呂を借りました。

ところが風呂が汚れていたので、五助は商品のたわしを使って風呂を隅々まで綺麗にした後、母親を風呂に入れました。
母親の体調も回復したので、五助は奉公先に戻ることにしました。

五助は結局、たわしを一つも売ることができませんした。奉公先に戻ったら怒られるだろうなあ、と恐る恐る帰りました。
すると、奉公先の小者屋の前に多くの人が列を作って並んでいました。

並んでいる人々は、五助がたわしでお風呂をきれいにした評判を聞きつけ、たわしほしさに店にやって来ていたのです。

たわしはあっという間に売り切れました。
その後もたわしは売れ続けました。

奉公先の主人は五助の正直な行動と商売の上手さに感心し、娘の将来の婿にすることを決めました。

五助は小間物屋の娘の婿になり、のちに小物屋の主人となって、何不自由なく幸せに暮らしました。


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