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ものは考え様ー考え方次第で変わる毎日
山寺の近くに住むお梅というお婆さんは、ひとりで茶店を切り盛りしていました。しかし、お梅さんは、晴れの日になる度に悩みが尽きませんでした。
そこで、近くの寺の和尚に相談しました。
「長男が傘屋で働いているのですが、晴れの日は傘は売れません。長男のことを思うと心配でならないのです」
和尚は、お梅さんを慰めました。
「ずっと晴れが続くこともなかろう。雨の降る日もあるのではないか。雨の日に備えて、たくさん傘を作っておけばよい」
お梅さんは、晴れの日に悩むことが無くなりました。その後、久々の雨が降りました。しかしお梅さんは、喜ぶどころか雨空を見て心配そうにしています。和尚が話しを聞くと、お梅さんはこう言いました。
「次男が草履屋で働いておるんですが、雨が降っては草履は売れません。次男のことを思うと心配でならんのです」
和尚は言いました。
「親は心配が尽きないもんじゃ。だがこう考えてみたらどうじゃ。晴れの日には草履が売れているから次男は喜び、雨の日には傘が売れるから長男が喜んでいると。そうしたら泣く暇がなくなる」
お梅さんは笑顔を取り戻し、晴れの日でも雨の日でも悩むこと無く元気になりました。
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