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数学パズルその3

久しぶりの投稿です! 『数学パズル』を作ってみました。

問題

数学パズル その3(問題)

正解はページの一番下にあります。答えが知りたくなったら、Let's scroll!



答え

C君

解説

・m、nは異なる二つの自然数(m>n)

・カードに書かれた数字は和(m+n)、差(m-n)、積(m×n)、商(m/n)のいずれかである

・四人の証言

A「平方数だった」

B「一桁の自然数だった」

C「12の倍数だった」、

D「素数だった」

以上より、カードに書かれた数字は全て自然数だとわかる。m/nが自然数であることから、

m=px、 n=x(xは自然数、pは1を除く自然数)

と表せる。

以上を踏まえたうえで、A君・B君・D君が受け取ったカードが積のカードではありえないことを示し、消去法により、積のカードを持っているのがC君であると証明する。

①B君が積のカードを持っていると仮定した場合

B「一桁の自然数だった」、C「12の倍数だった」という二つの証言により、C君が持っているカードの数字は明らかにB君が持っているカードの数字より大きい。

m、nはm>nを満たす異なる自然数であるため、m-nおよびm÷nがm×nより大きくなることはない。よって、C君が持っているのは和のカードである。そして、m×n<m+nとなるのはn=1の場合に限られる。結果、m=p、n=1となり、B君のカードはp、C君のカードはp+1で確定する。

B君のカードは一桁の自然数であるためp≦9。よって、p+1≦10となるが、これはC君のカードが12の倍数である事実と矛盾する。

以上より、B君が積のカードを持っているという仮定は成立しない。

②D君が積のカードを持っていると仮定した場合

D「素数だった」という証言により、

m=q、 n=1(qは素数)

と表せる。

四枚のカードに書かれた数字は――

和(q+1)、差(q-1)、積(q)、商(q)

となるが、B「一桁の自然数だった」という証言により、この四つの数字のうち一つは一桁の自然数でなければならないので、q<11。よって、q-1<10、p+1<12となるが、これはC君のカードが12の倍数である事実と矛盾する。

以上より、D君が積のカードを持っているという仮定は成立しない。

③A君が積のカードを持っていると仮定した場合

A「平方数だった」という証言により、m×n=px²が平方数となるが、これを満たすためにはpも平方数でなければならない。p≠1より、mとnの組み合わせは、

m=rx、 n=x(xは自然数、rは1を除く平方数)

と表せる。また、A君が積のカードを持っているため、B君・C君・D君が和・差・商のいずれかのカードを持っていることになる。

ここで、商のカードに注目する。商のカードに書かれた数字はm/n=rであるが、D「素数だった」という証言により、D君が商のカードを持っていることはありえない(平方数は素数ではないため)。従って、商のカードを持っているのはB君かC君。

【1】B君が商のカードを持っていると仮定した場合

B「一桁の自然数だった」という証言により、m/n=r≦9。rは1を除く平方数であるので、r=4、9。mとnの組み合わせは、

(m、n)=(4x、x)(9x、x)

に限られる。

<1>(m、n)=(4x、x)の場合

A君が積のカード、B君が商のカードを持っているので、CとDが持っているのは和(5x)または差(3x)のカード。D「素数だった」という証言により、x=1。これは、C「12の倍数だった」という証言に矛盾する。よって不適。

<2>(m、n)=(9x、x)の場合

A君が積のカード、B君が商のカードを持っているので、CとDが持っているのは和(10x)または差(8x)のカード。xの値に関わらず、D「素数だった」という証言に矛盾するので不適。

<1><2>より、B君が商のカードを持っているという仮定は成立しない。

【2】C君が商のカードを持っていると仮定した場合

C「12の倍数だった」という証言により、m/n=rは12の倍数。さらにrは平方数でもあるので、12=2²×3であることを踏まえると、

r=36s(sは平方数)

と表せる。mとnに代入すると、

m=36sx、 n=x(xは自然数、sは平方数)

となる。

A君が積のカード、C君が商のカードを持っているので、BとDが持っているのは和((36s+1)x)または差((36s-1)x)のカード。

sは平方数であるので、s≧1。よって、

(36s+1)≧37、(36s-1)≧35

となり、xは自然数であるため、

(36s+1)x≧37、(36s-1)x≧35

どちらかの数字がBのカードに書かれているはずだが、これはB「一桁の自然数だった」という証言に矛盾する。

以上より、C君が商のカードを持っているという仮定は成立しない。

【1】【2】より、A君が積のカードを持っていると仮定すると、B君・C君・D君のいずれも商のカードを持っていないことになる。これは問題文の前提に矛盾する。

以上より、A君が積のカードを持っているという仮定は成立しない。

①②③より、A君・B君・D君が受け取ったのは積のカードではない。よって、積のカードを受け取ったのはC君である。

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