知らないことを知っているふりをしない

知らないことを知っているフリをしないという話をしたいと思います。

恥ずかしいから知らないといえない

ぼく、いまの仕事に就いて10年経つんですけど、長く働いていると知らないって正直に言えないことがあるんです。

新入社員のときは、知らないのが当たり前なので、聞けたりするんですけど、いま知らないっていうのは恥ずかしいんです。

だから知ったフリをして、あとで社内の報告書とかをみて自力で勉強したりしています。

でも、それってめちゃくちゃコスパが悪くて、その場で「知らない」と言えれば、教えてもらえるじゃないですか。
すぐに知らないことを知ることができます。

報告書で知りたいことを検索するのだと、結構時間がかかるんです。
しかも、知りたいことが、ドンピシャで記録されてなかったりもして、なんとなく理解できても、ほんとうの意味で理解できていないこともあります。

なんとなくの理解で知ったフリをしていると、誰かに教えなきゃいけない立場になったときに、間違ったことを教えてしまう可能性があります。

なので、知らない時は、知らないと素直に告白して、ちゃんと教えてもらうことが大切なんですね。

よく、いまが一番若いと言いますが、知らないままあと5年、10年経ったら余計に聞きにくくなりますからね。

怒られるから知らないと言えない

知らないのを恥ずかしいと思う感情の他に、怒られるから知らないと言えないというのがあります。

ぼくは、技術屋なんですけど、知らないというと、「技術屋として、それで大丈夫なんですか?」、「しっかりしろよ、技術屋だろ!」とか、詰め寄られた経験があるし、そう言われている人もよくみます。

だから、知らないとは言えずに、適当なことを言って誤魔化すスキルが身についてしまいました。
適当なこと、それは嘘にも近いことだったりするんですけど、じぶんの保身のために嘘も平気になってきている、って今コレを書きながら気づきました。

昔は、不確かなことを言うことに不安を覚えていて、間違ったことを言わないように気をつけていたんですけど、嫌な大人になっちまったなと感じます。

知らないと言ったほうが信頼される

適当なことばかり言っていたら、それがバレたときに、あいつはそういうやつなんだと思われて、信頼されなくなります。

素直に知らないと言い続けていれば、知らないと素直に言える人、ということで信頼されるようになります。

あと、上司が無知を認める姿勢を部下にみせることで、部下も知らないと言いやすくなります。

部下に指導しているときに、「本当にわかってるのか?」と不安になるときありますよね。

部下は理解していないんだけど、わからないと言えない雰囲気があると、聞けないし、そのわからないまま仕事をしてミスしちゃったりします。

上司からみたら、あのとき言っただろ!と部下のせいにしちゃいますが、その聞けない雰囲気を作っているのが上司だったりします。

心理的安全性が低い職場にありがち

知らないことを知ったフリをしてしまう、というのは心理的安全性が低い職場にありがちなことです。

心理的安全性が確保されていないから、知らないことに対して恥ずかしい、怖いという意識が働きます。

心理的安全性を高めるためには、知らないことを否定しない、というのが大切になります。

また、日頃からメンバーの意見を真摯に聞くことが大切です。

メンバーを否定せず、認める、孤立させないことで、心理的安全性が確保されて、風通しの良い職場にすることができます。

・・・と言っても、ぼくの職場の心理的安全性は低いと思うので、ぼくが言っても説得力がないですよね。

ここらへんの話は、『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』という本に詳しく書かれています。

心理的安全性という言葉が提唱されたのは、1999年のことで、それから20年ぐらいしか経っていないので、年配の方やあまり勉強していない方はよく理解していないかもしれません。

そして、昔のやり方で部下に厳しいことを言ってしまったり、パワハラまがいのことをやっちゃう人も中にはいるんです。

しかも、本人が無意識でやっちゃったりするんで、気をつけないといけません。

ぜひ、リーダーの方は心理的安全性について学び、実践してほしいです。

できないと言えない

「知らない」以外にも、「できない」と言えないというのがあります。

どうしても実現させなきゃいけないプロジェクトがあって、色々な不安材料はありながらも、「できます」と答えちゃう。

「できない」と答えても、どうせ「できる」ようにしなきゃいけないので、「できる」と答えるほかないんです。

「できるのか?」と聞いてくる方も、できるのかを知りたいんじゃなく、そこで「できる」という言及をとっておけば、あとで出来なかったときにその人に責任をなすりつけられるという心理で聞いている場合があります。

「できると言ったじゃないか」と。

「できない」と答えても誰も助けてはくれない、「できるようにしろ!」と言われるだけだ。

こうした諦めにも似た感情で「できる」と答えていましたが、これもちゃんと正していかなきゃいけないと感じています。

もっと正しく情報を伝えるようにします。

実現のためには、どういう課題があるのか、実現可能性はどれくらいなのか。そういうことをしっかりと伝えていかなければいけない。

でも難しいですよね。
上からは厳しいスケジュール、高い目標数値を求められ、じぶんの実感に合った数値を出すと修正されたりするので。

数値をよく見せようとする人が多すぎるんですよね。

なかなか難しい環境ですが、一人ひとりが変わっていかなければいけません。
まずは、じぶんが示すことで始めます。

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