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『言語化大全』から学ぶコミュニケーション

こんばんは。今日もお疲れ様です。

伝える力【話す・書く】研究所所長/山口拓朗ライティングサロン主宰の山口拓朗さんが書かれた『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』を読んだので簡単にまとめようと思います。

なぜこの本を読んだのか

私は現在スタートアップ企業でエンジニアリングマネージャーとして働いています。この役職では、チームメンバーや他部門との円滑なコミュニケーションが不可欠です。技術的な知識だけでなく、プロジェクトのビジョンを共有し、チームのモチベーションを維持する能力が求められます。しかし、時として「うまく言葉にできない」という壁に直面します。自分の考えや感情を正確に伝えることの難しさは、チーム内の誤解や不確実性を生み出す原因となり得ます。この本を読むことで、言語化力を高め、自己表現の能力を向上させ、チームとのより良い関係を築くポイントを模索していきます。

本で学んだトピックについて

この本は、言語化力の重要性とその向上に必要なテクニックを幅広くカバーしています。語彙力、具体化力、伝達力の三要素を中心に、自分の考えや感情を明確に伝える方法についてまとめられています。学んだ部分のポイントをまとめていきます。

言語化力の三要素

この本では、言語化能力とは、「頭の中にある考えや思い、情報などを的確に言葉にし、相手にわかりやすく伝える力」と定義しています。この言語化能力は次の三要素に分けられます。どれか一つがあれば良い訳ではなく、言語化能力には三要素とも必要になります。特に「何を伝えるか」の「何」の部分にあたる具体化力が大事であると述べられています。

  • 語彙力:適切な語彙を持つことで、意図を正確に伝えることが可能になります。

  • 具体化力:抽象的な概念を、聴衆が理解しやすい形に変換します。

  • 伝達力:情報を明確かつ簡潔に相手に伝える能力です。

言語化力向上のメリット

言語化力が向上することでのメリットはたくさんありますが、具体例として7つのメリットがあげられていました。

  1.  適切な報連相ができるようになる - 情報の報告、連絡、相談が的確に行えるようになり、円滑なコミュニケーションが可能になります。

  2. 興味を引く自己紹介ができる - 自分自身を魅力的に表現できるようになり、第一印象を良くすることができます。

  3. SNSで魅力的な発信ができる - ソーシャルメディア上での自己表現が向上し、フォロワーの関心を引きやすくなります。

  4. 人間関係が良くなる - 相手の理解を深め、誤解を避けることで、より良い人間関係を築けるようになります。

  5. プレゼン、営業、交渉のスキルが上がる - 説得力のある話し方ができるようになり、ビジネスシーンでの成功につながります。

  6. 感情がコントロールできるようになる - 自分の感情を正確に言葉にできるようになることで、感情のコントロールがしやすくなります。

  7. 企画力が上がる - アイデアや構想を明確に伝える能力が向上し、プロジェクトやイベントの企画がスムーズに進むようになります。

語彙力を伸ばす

  1. ことばと出会う - 新しい語彙に触れる機会を増やすために、様々な種類の本を読んだり、映画やドキュメンタリーを見たり、異なる人々と会話することが重要です。

  2. 調べる - 未知の単語に出会った際には、その意味や使い方を辞書やオンラインリソースで調べます。これにより、単語の理解を深め、実際のコンテキストでの使用法を学びます。

  3. 覚える - 調べた単語を記憶に定着させるために、フラッシュカードを作成する、文の中で使ってみる、単語を使った文章を書くなど、積極的にその単語を使用する練習をします。

  4. アクティブリーディング - 読書時には、ただ流し読みするのではなく、新しい単語に出会ったらメモを取る、その単語が使われている文脈を分析するなど、能動的に読み進めることが効果的です。

  5. 脳内アンテナを張る - 日常生活の中で新しい語彙に出会った際に、それを意識的に捉え、学ぶ機会として活用する心構えを持つことが重要です。

具体化について

具体化とは「言葉の解像度を上げること」と定義しています。言葉の解像度が上がることで自分が伝えたいことと相手が受け取ったことのズレが減り、コミュニケーションにおける誤解が生まれにくくなると書かれています。
具体化力は、情報を伝える際に相手の理解を深め、より鮮明なコミュニケーションを実現するために不可欠なスキルで以下の方法などで鍛えられることが紹介されていました。

  1. 画像としてイメージする - 具体化するためには、情報を聞いたときに頭の中で画像としてイメージできるかどうかが重要です。この練習により、抽象的な概念をより具体的に捉えることができます。

  2. 具体的な例を使う - 抽象的な説明をする際には、具体的な例を用いることで、相手に情報が伝わりやすくなります。日常生活や身近な出来事を例にすると、理解しやすくなります。

  3. 「なぜ」を意識する - 情報や概念を具体化する際には、「なぜこの情報が重要なのか」「なぜこの現象が起こるのか」といった問いを自らに投げかけることが有効です。これにより、深い理解を促し、より具体的な説明が可能になります。

  4. たとえを活用する - 比喩やたとえ話を使って、複雑な概念や理論をよりシンプルでわかりやすいものに置き換えます。これは、情報の具体化に効果的な手法です。

  5. 共通点を見つける - 複数の具体的な事例から共通点を見つけ出し、それを基に抽象的な概念を導き出す練習をします。これにより、具体化した情報からより大きなパターンや原理を理解する能力が養われます。

また具体化するための思考のものさしとして、情報やアイデアをより明瞭かつ理解しやすい形に変換する際に役立つ一連のガイドラインや基準が紹介されていました。これらの物差しを用いることで、抽象的な概念を具体的な表現に落とし込み、コミュニケーションの効果を高めることができます。

  • メリット・デメリット:提案やアイデアに関連する利点と欠点を明確にすることで、バランスの取れた理解を促進します。

  • ビフォー・アフター:状況や条件の変化前後を比較することで、特定の行動やイベントの影響を具体的に示します。

  • 類似点・相違点:比較対象となるもの同士の共通点と違いを明らかにすることで、より深い洞察や理解を提供します。

  • 誰におすすめか:特定の製品、サービス、アイデアがどのような人に適しているかを具体的に示すことで、その対象の魅力や適合性を伝えます。

  • どんなふうにして〜:プロセスや手順を詳細に説明することで、どのようにして特定の結果が得られるかを視覚化し、理解を深めます。

さらに解像度を高めるポイントとして以下の3つも紹介されていました。

  • 数字を使う:具体的な数値を提供することで、話の内容に説得力と精度をもたらし、リスナーや読者が情報を具体的に理解しやすくなります。例えば、成長率、比率、数量などの数字を用いることで、抽象的な概念を具体的に示すことができます。

  • 固有名詞を使う:人物名、地名、特定の製品名などの固有名詞を用いることで、話の内容に具体性と特定性をもたらします。これにより、情報がよりリアルで関連しやすくなり、聴衆や読者のイメージを強化します。

  • 抽象的な言葉を少なくする:具体的で明確な言葉を選び、抽象的な表現を可能な限り避けることで、情報の解像度を高めます。具体的な表現は、理解を促進し、誤解の可能性を減らすために重要です。話す内容や書く内容を簡潔に保ち、ポイントを直接的に伝えることで、メッセージのクリアさが向上します。

効果的な言語化の方法

最後の伝達力の項目では、どのように伝わるかを意識するポイントについて述べられていました。

  • 事実と意見の区別:情報を伝える際には、これらを明確に分けることが重要です。

  • 相手の知識レベルに合わせる:情報は、中学生でも理解できるレベルの明瞭さで提供することを目指します。

  • 一文一義、適切な文長:情報の明確性を保つためには、一文に一つの意味を持たせ、60〜70文字に抑えることが理想的です。

話の組み立て方

話の組み立て方には、主に3つのテンプレートがあり、それぞれが異なる目的や聴衆に適しています。以下に、それぞれのテンプレートとそのステップを説明します。

1. 結論優先型

このアプローチでは、最も重要な情報や結論を話の最初に提示し、その後で支持する情報や詳細を提供します。この方法は、聴衆の注意をすぐに引きつけ、メッセージの重要性を強調するのに有効です。

  • ステップ:

    1. 結論: 話の最初に、主要なメッセージや結論を明確に述べます。

    2. 理由: 結論を支持するための理由や根拠を説明します。

    3. 具体例: 理由を補強するための具体例やデータを提供します。

    4. まとめ: 結論を再度強調し、聴衆が持ち帰るべきキーメッセージを明確にします。

2. 列挙型

情報やアイデアを一つずつ順番に説明していきます。この形式は、複数のポイントやアイデアを整理して提示したい場合に適しています。

  • ステップ:

    1. 全体像の提示: 話の概要と、取り上げるポイントの数を明示します。

    2. ポイント1: 最初のポイントを紹介し、その詳細を説明します。

    3. ポイント2: 二つ目のポイントを紹介し、詳細を提供します。

    4. ポイント3以降: 必要に応じて、追加のポイントとその詳細を述べます。

    5. 結論: 最後に、全体を通じて伝えたいメッセージをまとめます。

3. ストーリー型

物語の形式を採用し、聴衆の感情に訴えかけながら情報を伝えます。この方法は、聴衆の記憶に残りやすく、感情的な共感を呼び起こすのに有効です。

  • ステップ:

    1. 発端: 物語の背景や登場人物、状況を設定します。

    2. 転機: 物語の中で起こる重要な出来事や変化を紹介します。

    3. 成長: 登場人物の変化や成長、学んだ教訓を明らかにします。

    4. 未来: 物語の結末や、物語から得られる教訓を基にした未来の展望を提示します。

これらのテンプレートを使うことで、内容に応じて最適な話の進め方を選択し、聴衆に対してより効果的にメッセージを伝えることができます。

興味を惹きつけるテクニック

比較や落差の提示、オノマトペの使用、比喩や擬人法など、聴衆の注意を引くための表現方法が豊富に紹介されています。

  1. 比較する - 異なるものを比較することで、聴衆の理解を深め、関心を引きます。特に、予想外の比較は強い印象を残します。

  2. 落差を使う - 期待と実際の間のギャップや、ビフォーアフターを示すことで、変化のインパクトを強調します。

  3. オノマトペを使用する - 音を模倣した言葉を使うことで、聴衆の感覚に訴え、リアリティを与えます。

  4. 比喩とたとえ話 - 複雑な概念や情報を、よく知られた事物や状況に例えることで、理解しやすくします。

  5. 擬人法 - 物事や概念に人間の特性を与えることで、聴衆が感情的に関わりやすくなります。

  6. 魅力的な数字を使用する - 大きな数字や驚くべき統計を提示することで、話の重要性を際立たせます。

  7. ベネフィットを明確にする - 聴衆が得られる具体的な利点を強調することで、関心を喚起します。

  8. 印象的なキーワードを使う - 強い言葉やフレーズを用いることで、メッセージを際立たせ、記憶に残りやすくします。

  9. 大事なことを繰り返す - 重要なポイントを何度も繰り返すことで、聴衆の記憶に定着させます。

  10. 肯定的に伝える - 肯定的な表現を使うことで、ポジティブな印象を与え、聴衆の反応を良くします。

まとめ

読んでみて言語化についてが細分化されていて、どのような要素で構成されているかが理解できました。
具体化で紹介されている中でのTipsには数値を使う、抽象的なことばを少なくするなど普段から意識しているものも含まれていましたが、意識して使えていないものも多かったので定期的に読み直し意識しながらコミュニケーションに取り入れていければと思いました。

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