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愛する地域に根付く企業の魅力を伝える、「メガホン」のような存在になりたい。

地域変革人材インタビュー vol.4

株式会社 プロジェクトタネ
社長室チーフ
吉岡 純さん

プロフィール
金沢市出身。2020年、金沢大学人間社会学域国際学類を卒業。在学中はフィンランドへ1ヶ月間、アメリカへ10ヶ月間留学しPRやコミュニケーション学を学ぶ。帰国後、半年間のインターンシップを経て、’20年春に「株式会社 プロジェクトタネ」に新卒入社。入社1ヶ月目から事業責任者を経験し、採用支援事業部の立ち上げメンバーとして営業活動に奔走。現在は、採用担当と採用コンサルタントの両チーム責任者として、経営面とビジネス面の両側から採用活動に向き合う。好きな言葉は「一緒に働くことは、一緒に生きること」。

株式会社 プロジェクトタネ社長室チーフ 吉岡 純さん

地域でどんな事業や活動を?

私が働く「プロジェクトタネ」はウェブマーケティングの会社であり、企業の経営課題である採用活動と販売促進を支援しています。私は採用事業の営業担当として、経営者や採用担当者とともにブランディングやサイト制作などを行うコンサルティング業務に携わっています。さらに社長室のチーフとして自社の採用の責任者も務めています。

元々私は金沢大学の在学中、金沢を盛り上げるために観光業に従事したいと考えていました。1、2日で回れてしまう金沢の観光のあり方に違和感を持ち、金沢の観光周知を学びたいと、奨学金を活用してアメリカ留学へ。9ヶ月のプログラムに1ヶ月加えて、ニューヨーク・マンハッタンの旅行会社でインターンシップをしました。しかし、まさしく観光のためにつくられた街の姿を見て、ここと同じように金沢をただの観光地に近づけることを後押しするのは嫌だ、と。観光の街ではなくて、住む人が心地よいと思える場所にしたいと、思いは真逆の方向に(笑)。ちょうどその頃、私の友人の多くは卒業後県外に出て行きたいと話していて。実際、金沢は好きでも働きたい場所がないと思っている人が多いんです。もちろん石川県にも素敵な会社があるだろうけど、ただ知られていないだけ。ならば、私がそれを伝える「メガホン」のような存在になりたいとの思いに転換したんです。やりたい仕事が明確になった分、自分がピンとくる仕事がないこともわかって、行きたい会社が見つからず切羽詰まった状態に。そんな時にめぐり合ったのが「プロジェクトタネ」でした。インターン生として半年働いて正式入社し、この春で5年目。この「いい会社があるのに知られていない」課題を解決すべく、この会社で取り組ませていただいています。

活動での苦労やこだわりは?

弊社はわずか2、30人程度のベンチャーであり、採用事業については後発。取引先からの要望が増えて生まれた事業ですが、より価値を提供できるようになるにはまだまだレベルが足りていないと感じています。自分や仲間のレベルを上げて、組織のレベルが上がってようやくお客様に還元できるようになる。しかもマネージャーやリーダーの立場でもあり、求められるレベルが高くなるので大変です。小さな企業ゆえ、自分の一挙手一投足が関わってくると思うと、自分の力の足りなさに毎日のように打ちのめされています。

地域への関わりという面では無力感を感じることが多くあります。北陸、特に石川の工業系や製造業には力のある企業が多いものの、B to Bゆえに知られていない事実もあります。広く知ってもらうためには年単位のブランディング戦略が必要ですが、効果が見えづらいため投資するまでには至らないという場合も。採用事業は企業生命にも関わってきますし、ひいてはその企業に入ってくる学生や求職者たちの人生も変えてしまうほどの責任ある仕事。だから、自分や会社にもっと力があればそこを変えていけるのにと悔しい思いをすることもあります。

とはいえ、企業が抱える人材不足などの課題はすぐに解消できるものではありません。採用活動だけ頑張っているだけではよくなりませんし、社内制度や企業文化の問題もあります。エントリーマネジメントの段階で求職者との齟齬が生まれていたり、コミュニケーション不足があったりと内定辞退や離職にもつながってきます。だから時にはミッションバリューや選考プログラム自体を提案することもしています。

地域に関わる面白さとは?

この仕事をやっていると、取引先のことを知るほどにその会社や事業が好きになっていくんです。お付き合いが長く続いている企業様から「吉岡さんのいいと思うように進めていいから」と言っていただくこともあり、パートナーやチームの一員として見てくださったり、現場のメンバーがそう言われる対象になったりすると嬉しく、責任感がさらに募ります。また、取引先の採用人数が満たされることよりも、採用された人材がプロジェクトの責任者になったとか、会社にいい影響を与えているといったお声をいただく方に喜びを感じます。社内の採用担当としても「プロジェクトタネは私の中で100点」みたいな社員の声を聞けると嬉しいですね。

「地域に恩返しがしたいとの思いや、自分が地域を変えたいから頑張る!」というほどの高尚な想いはまだ少ないです。ただ、もっと良くなるはずなのに悩んでいる人がいることが悔しいし、目の前の人、つまり弊社の代表やメンバー、お客様が悶々としている状態が一番悲しく、解決したいんです。金沢大学在学中は、留学の際に手厚いサポートをいただきましたし、授業を通して恩師と思える方との出会いもありました。行動する人にとってはとても多くのものを与えてもらえる大学です。私を育ててくれた石川という場所が好きになったから、ここに暮らす人たちを幸せにしたいというのが、地域に関わる動機です。でも一番の目標は「プロジェクトタネ」をより良い会社にすること。いい会社に成長していけば、またいろんな人に渡せるものが増えていくと思っています。

金沢大学ENGINE Webサイト▶https://engine-prgm.w3.kanazawa-u.ac.jp/


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