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モノクロラセンpresents 「衝突と分裂、あるいは融合」を観た

・ 本日2月28日、キビるフェス2021参加作品 モノクロラセンpresents 「衝突と分裂、あるいは融合」(旅する演出家、黒澤世莉さん作演、およそ80分)タイトルの如く喜怒哀楽の感情や言論が小道具(箱馬のようなもの)に勢いよく衝突しあい分裂し、支えてくれる家族やともに働く仲間の愛情と絆の融合するような非常に見応えのあるお芝居だった。

この作品は、7年前の2014年(当時自分は高校1年で高校演劇の世界に染まりつつある頃)戯曲自体も書き上げられ福岡で初演されたものにさらにワークショップなどの創作を経て演出や変更点を追加された後の再演である。

残念ながら、2014年の初演は観劇していないので情報が手元にないのが残念であるが今までに観劇したお芝居の中でも魅力的なシーンが多かったといえる。

小道具である箱馬のようなものは原子のエネルギーにも例えられるのかもしれないように解釈をした。また、照明の切り替わりや小道具の配置を変えることにより時間軸、場所の変化を感じました。また、時節家族たちが登場するシーンと研究員たちのシーンとではおじいさんの過去と現在を表現しているのではと客観的に思いました。

この戯曲が伝えたかったことを観劇した側からの視点で簡単に纏めると先ほど家族の絆とおじいちゃんから語られる過去の記憶と仲間の支え、サポートありきで物事が進んでいくことの素晴らしさ、原子力の恐ろしさ、それでも生きていかなければならないからこその生きていくことのありがたさが十二分にわかるということで更にお爺さんの現役時代に原子力を生み出してしまったことについての「後悔」をしている時代背景が東日本の震災以降であったのではと思いました。

その「後悔」をおじいちゃんが亡くなったあと、サンコが希望に変えていて、研究員になっていて事業の成功を修めていたことが逞しくさらに自分の生き方にも希望が生まれるような予感がしました。

少しの間ではございましたが、終焉後のアフタートークにてモノクロラセン主宰の村井さんと作・演の黒澤さんのお話故に生の声が聞けただけでもこれまでの演劇人生を見直すだけでなくこれからの演劇人生を変える素晴らしい戯曲に出会えたことは今でも信じられません。今後のご活躍をお祈りするとともに今回の観劇レポートに代えさせていただきます。拙い文章ではございますが、ご一読感謝申し上げます。


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