「medium」の語源と意味の進化
概要
「medium」は、英語において「中間の、平均的な」を意味する形容詞であり、名詞としては「手段、媒体、霊媒」など多様な意味を持ちます。この単語は、物事の中間点や平均値を表現するだけでなく、コミュニケーションや表現の手段、芸術家が使用する素材、霊界とのコミュニケーションを取る人物も意味します。「medium」の語源を探ることで、言葉が持つ中間や媒体のイメージがどのように形成され、拡張されてきたかを理解することができます。本記事では、「medium」の語源と意味の進化を詳しく解説し、この単語が英語の中でどのような位置を占めてきたかを明らかにします。さらに、共起表現や派生語、関連語についても触れ、「medium」の多面的な性質を浮き彫りにします。
主な品詞と意味
形容詞
中間の、平均的な
名詞
手段、媒体
芸術家が使用する素材や技法
霊界とのコミュニケーションを取る人物、霊媒
語源の探究
「medium」は、1580年代に「a middle ground, quality, or degree; that which holds a middle place or position(中間の立場、性質、または程度;中間の場所または位置を保持するもの)」という意味で使用され始めました。この語は、ラテン語の「medium」(「the middle, midst, center; interval(中間、真ん中、中心;間隔)」の意味)に由来しており、形容詞「medius」(「in the middle, between; from the middle(中間の、間の;中間から)」の意味)の中性形の名詞的用法です。「medius」は、PIE語根の「*medhyo-」(「middle(中間)」の意味)から派生しています。
「medium」の多くの二次的な意味は、「intervening substance through which a force or quality is conveyed(力または性質が伝えられる介在物質)」(1590年代)や「intermediate agency, channel of communication(中間の代理店、コミュニケーションのチャネル)」(1600年頃)といった概念を経由して生まれました。前者からは、空気などへの適用を通じて、「one's environment or conditions(人の環境または状態)」(1865年)という意味が生まれました。後者からは、「a print publication(印刷物)」(1795年)という意味が生まれ、後にメディアという意味に発展しました。
心霊主義では、「person who conveys spiritual messages(霊的なメッセージを伝える人)」を指す用法が1853年までに生まれました。絵画では、油絵の具、水彩絵の具などを指す用法が1854年までに生まれました。この概念は、「liquid with which pigments are ground or mixed to give them desired fluidity(顔料を磨いたり混ぜたりして望ましい流動性を与える液体)」です。
形容詞としての「medium」は、1660年代に「average, middling(平均的な、中くらいの)」という意味で使用され始めました。ラテン語の形容詞は「medius」でした。「intermediate(中間の)」という意味は、1796年に生まれました。大きさや重さを表す用法は、1711年までに生まれました。よく焼けた肉とレアの肉の間の調理法を表す用法は、1931年に生まれました。これより前は、「medium-rare(ミディアムレア)」(1881年)という用法がありました。
意味の変遷
「medium」は、当初、「中間の立場、性質、または程度;中間の場所または位置を保持するもの」を意味していました。この意味合いは、現代英語の「中間の、平均的な」という形容詞の意味に直接つながっています。
1590年代には、「力または性質が伝えられる介在物質」という概念から、「手段、媒体」という意味が生まれました。1600年頃には、「中間の代理店、コミュニケーションのチャネル」という概念から、同様の意味合いが生まれました。
1795年には、「印刷物」という意味が生まれ、後にメディアという意味に発展しました。1853年までには、心霊主義における「霊的なメッセージを伝える人」という意味が加わりました。1854年までには、絵画における「顔料を磨いたり混ぜたりして望ましい流動性を与える液体」という意味も加わりました。
形容詞としては、1660年代に「平均的な、中くらいの」という意味で使用され始め、1796年に「中間の」という意味が加わりました。1711年までには、大きさや重さを表す用法が生まれ、1931年にはよく焼けた肉とレアの肉の間の調理法を表す用法が生まれました。
共起表現
名詞:
communication, mass, print, written, storage, mixed media
前置詞:
through the medium of, medium for, medium of
フレーズ:
a medium of communication, a medium of instruction
派生語と関連語
medial(中央の、中間の)
median(中央値、中央の)
mediate(仲介する、調停する)
intermediate(中間の、中級の)
mediocre(平凡な、並の)
mediocrity(平凡さ、凡庸)
media(メディア、媒体)
まとめ
「medium」は、「中間の、平均的な」を意味する形容詞であり、名詞としては「手段、媒体、霊媒」など多様な意味を持ちます。この単語の語源は、1580年代に「中間の立場、性質、または程度;中間の場所または位置を保持するもの」という意味で使用され始めたことに遡ります。「medium」は、ラテン語の「medium」(中間、真ん中、中心;間隔)に由来しています。
1590年代以降、「力または性質が伝えられる介在物質」や「中間の代理店、コミュニケーションのチャネル」といった概念から、「手段、媒体」という意味が生まれました。また、印刷物、心霊主義における霊媒、絵画における顔料を混ぜる液体など、多様な意味が加わりました。
形容詞としては、1660年代に「平均的な、中くらいの」という意味で使用され始め、その後「中間の」「大きさや重さを表す」「肉の調理法を表す」などの意味が加わりました。
「medium」の語源と意味の進化を理解することは、言葉が持つ中間や媒体のイメージがどのように形成され、拡張されてきたかを認識する上で重要です。この単語は、英語という言語の中で、物事の中間点や平均値、コミュニケーションや表現の手段を表現する上で欠かせない存在だと言えるでしょう。
掲載単語集一覧
【システム英単語(5訂版)】224
【ターゲット1200(改訂版)】516
【ターゲット1400】248
【ターゲット1900(5訂版)】144
【速読英単語入門編(改訂4版)】-
【速読英単語必修編(改訂7版)】303
【LEAP(初版)】982
※当記事は英語を教える方が指導する際にヒントとなる情報提供を目的としています。例文や訳例については各種辞書等をご確認下さい。
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