見出し画像

「trust」の語源と意味の進化

概要

「trust」は、英語において「信頼、信用」という意味を持つ重要な名詞であり、動詞としては「信頼する、信用する」という意味を持ちます。この単語は、誰かまたは何かの正直さ、善良さ、その他の美徳に対する強い信念を表現するだけでなく、法的に財産を委ねられた状態や、競争を減らすために組織された企業グループも意味します。「trust」の語源を探ることで、この単語が持つ「信頼、信用」というイメージがどのように形成され、拡張されてきたかを理解することができます。本記事では、「trust」の語源と意味の進化を詳しく解説し、この単語が英語の中でどのような位置を占めてきたかを明らかにします。さらに、共起表現や派生語、関連語についても触れ、「trust」の多面的な性質を浮き彫りにします。

主な品詞と意味

名詞

  • 誰かまたは何かの正直さ、善良さ、その他の美徳に対する強い信念

  • 他者を助けるために使用される資金を管理する組織やグループ

  • 法的に財産を委ねられた状態や、それを投資するための取り決め

  • 競争を減らし、価格を管理するために違法に協力している企業グループ

動詞

  • 誰かが正直で、悪いことや間違ったことをしないと信じる

  • 何かが正しいまたは適切であると確信する

  • 何かが適切に機能すると確信する

語源の探究

「trust」は、古ノルド語の「traust」に由来しており、「help, confidence, protection, support(助け、信頼、保護、支援)」を意味していました。この語は、プロトゲルマン語の抽象名詞「*traustam」に遡ることができ、古フリジア語の「trast」、オランダ語の「troost」(「comfort, consolation(慰め、なぐさめ)」の意味)、古高ドイツ語の「trost」(「trust, fidelity(信頼、忠実)」の意味)、ドイツ語の「Trost」(「comfort, consolation(慰め、なぐさめ)」の意味)、ゴート語の「trausti」(「agreement, alliance(合意、同盟)」の意味)にも関連しています。

この語は、プロトゲルマン語の「*treuwaz」に由来すると考えられており、古英語の「treowian」(「believe, trust(信じる、信頼する)」の意味)や「treowe」(「faithful, trusty(忠実な、信頼できる)」の意味)の語源でもあります。

「trust」は、13世紀頃から「reliability, trustworthiness; trustiness, fidelity, faithfulness(信頼性、信用度、忠実さ、誠実さ)」という意味で使用されるようになり、14世紀後期には「confident expectation(自信のある期待)」や「that on which one relies(頼りにするもの)」という意味でも使用されるようになりました。

15世紀初頭には、「法的所有者から委ねられた財産を保有または使用する者に置かれた信頼」という法的な意味が記録され、15世紀半ばまでには「法的に委ねられた状態」という意味でも使用されるようになりました。

「競争を減らすために組織された企業」という意味は、1877年に記録されています。「Trust-buster(トラスト解体論者)」は、1903年から記録されています。

動詞としての「trust」は、古ノルド語の「treysta」(「trust, rely on, make strong and safe(信頼する、頼る、強くて安全にする)」の意味)に由来しており、12世紀頃から使用されています。

意味の変遷

「trust」は、当初、「誰かまたは何かの正直さ、善良さ、その他の美徳に対する強い信念」を意味していました。この意味合いは、現代英語の「信頼、信用」という名詞の意味に直接つながっています。

14世紀後期には、「自信のある期待」や「頼りにするもの」という意味が加わりました。これらの意味は、「trust」が単なる信念ではなく、具体的な期待や依存の対象としても捉えられるようになったことを示しています。

15世紀には、法的な意味合いが加わりました。「法的所有者から委ねられた財産を保有または使用する者に置かれた信頼」や「法的に委ねられた状態」という意味は、「trust」が法律の文脈でも重要な役割を果たすようになったことを示しています。

19世紀後半には、「競争を減らすために組織された企業」という意味が現れました。この意味は、「trust」が経済や企業の文脈でも使用されるようになったことを示しています。

動詞としての「trust」は、12世紀頃から「信頼する、信用する」という意味で使用されており、現代英語でもこの意味が主要な意味として継承されています。

共起表現

名詞:

great, absolute, complete, blind, implicit, basic, mutual, sacred, fragile, misplaced, public

動詞(名詞との組み合わせ):

have, place, put, build (up), develop, earn, gain, win, abuse, betray, lose, restore, be based on

前置詞:

between, in

名詞句:

breach of trust, lack of trust, position of trust

副詞(動詞との組み合わせ):

implicitly, completely, fully, not entirely, not quite, not really

動詞句:

can/could, be prepared to, be willing to, be reluctant to

前置詞(動詞との組み合わせ):

to, with

派生語と関連語

  • trustee(受託者)

  • trustful(信頼する、信用する)

  • trustfully(信頼して、信用して)

  • trustfulness(信頼、信用)

  • trusting(信頼する、信用する)

  • trustingly(信頼して、信用して)

  • trustless(信用できない)

  • trustworthiness(信頼性、信用度)

  • trustworthy(信頼できる、信用できる)

  • untrustworthy(信用できない)

  • distrust(不信、疑惑)

  • mistrust(不信、疑惑)

  • entrust(委ねる、任せる)

まとめ

「trust」は、「信頼、信用」という意味を持つ重要な名詞であり、動詞としては「信頼する、信用する」という意味を持ちます。この単語の語源は、古ノルド語の「traust」に遡り、「助け、信頼、保護、支援」を意味していました。「trust」は、プロトゲルマン語の「*treuwaz」に由来すると考えられており、古英語の「treowian」や「treowe」にも関連しています。

14世紀後期には「自信のある期待」や「頼りにするもの」という意味が加わり、15世紀には法的な意味合いが加わりました。19世紀後半には、「競争を減らすために組織された企業」という意味が現れました。動詞としての「trust」は、12世紀頃から「信頼する、信用する」という意味で使用されています。

「trust」の語源と意味の進化を理解することは、この単語が持つ「信頼、信用」というイメージがどのように形成され、拡張されてきたかを認識する上で重要です。この単語は、英語という言語の中で、人や物事に対する信頼や信用を表現する上で欠かせない存在だと言えるでしょう。

掲載単語集一覧

【システム英単語(5訂版)】369
【ターゲット1200(改訂版)】296
【ターゲット1400】401
【ターゲット1900(5訂版)】303
【速読英単語入門編(改訂4版)】-
【速読英単語必修編(改訂7版)】1925
【LEAP(初版)】355

※当記事は英語を教える方が指導する際にヒントとなる情報提供を目的としています。例文や訳例については各種辞書等をご確認下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?