リュックのため息
バイト終わり、いそいそと制服やお昼ご飯の片割れが入ったリュックを背負って、駅を目指す。
〜ナイロン製、ベージュのオーソドックスなリュック。両側にポケットと背面にファスナー付き。〜
改札を抜け、早めにホームへたどり着く。
ホームのオレンジ色のベンチに座り、
膝に乗せたリュックからお気に入りのペットボトル入りのミルクティーを取り出し、一呼吸。
3分後にやってきた電車。
乗り込むと、端っこの席が空いている。
みんながこぞって座りたがる端っこだが、
端っこはみんなが座るから、他よりもクッション性が無いような気がしている。
まぁいいか。 とりあえず座ろう疲れた。
『ふしゅーー』
背中から下ろして膝に乗せたリュックが
ため息をついた。
ため息というか、上まで締めたファスナーの隙間から、折れたたまった時に中の空気が漏れ出したのだ。
一日中、冷房の効いたロッカーで私を待っていたからか、リュックのため息は、少しヒンヤリ。
ていうか、この電車、あつくないか?
弱冷房車じゃないのか…?まぁいいか。
気にしないことにしよう。
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