「化石賞」は日本のためにあるような

 エジプトで開催中のCOP27で、日本はまた「化石賞」を受賞。その理由は、2019年から2021年まで石油、ガス、石炭への公的資金の支出額が世界一で、自国の問題にとどまらず、支援と称して諸外国まで道連れにするなど、「加害」国としての姿がより鮮明になった。

 個人的には、国内の気候運動並びに環境団体、報道機関など石炭火力と原発の問題ばかり扱い、世界では選挙の主要争点にもなる天然ガスや石油の問題を、今年初めのロシアによるウクライナ侵攻までほぼ素通りしてきた事実は忘れない。

 2011年の福島第一原発事故の余波とはいえ、日本では「高効率火力」「つなぎの天然ガス」に依存する社会の構造や意識が変わらなかったし、変えようとする運動が生まれなかった。グレタやFFFに感化されたという若者たちでさえも従来の「空気」に呑まれ、ほとんど声を上げることなく活動を続けてきた。

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