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赤染晶子『乙女の密告』(毎日読書メモ(376))

第143回(2010年上半期)芥川賞受賞作品、赤染晶子『乙女の密告』(現在は新潮文庫)。「文藝春秋」で選評と合わせて読んだ時の感想。

「文藝春秋」誌上で芥川賞選評とともに読む。小川洋子が褒めるほどすばらしくもなく、石原慎太郎がおとしめるほどひどくもない(まぁ中間にあるから受賞したのだろうが)。女子大と書かれていないのに女子しか出てこない授業(やや非現実的)、閉鎖性(わたしは巨大総合大学にいたのでピンとこない)、隠れて生きているユダヤ人を密告するということについて、今の日本のわたしたちがどれだけリアルに感じられるものなのか、という疑問。作者と主人公がすごく狭いスパイラルに閉じ込められている感じがした。
(2010年9月の読書メモ)

追記:その後赤染さんって聞かないな、と思ったら2017年に42歳で亡くなっていた。単行本も3冊しか出ていないようだ。合掌。

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