OrgofA『Same Time,Next Year -来年の今日もまた-』(TGR2019)

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2019/11/28
・既婚者男女の年に一度の逢引を、1951年から25年間、5年ごとに抜き出して見せる二人芝居。
・有名な戯曲だけど未見。コンセプトを聞くだけで想像が広がる。去年のTGR大賞作品『TEA FOR TWO』の元ネタでもある。
・普通の演劇は役者間で協力し合うものだけど、二人芝居は対決要素も強い。役者と役者の演技合戦。
・出演は遠藤洋平さんと飛世早哉香さん。札幌演劇に詳しい人なら、多くの人がワクワクできるマッチメイク。
・こんな感じで見るほうはのんきに盛り上がっていたけど、想像するまでもなくやるほうは大変。
・10分の休憩を除くと130分ちょっと。長い。しかも二人しか出てこない。セリフを覚えるだけでも重労働。
・「絶対笑える」というところもそんなに多くないので、稽古期間中の暗中模索感を想像すると恐ろしい。
・最初のうちは「おまえ(ら)は続けたいのか別れたいのか続けたいのか別れたいのか」というバカップルの痴話ゲンカを見守る楽しさ。
・細かい仕草や言い回しがいちいちおもしろくクスクス笑いながら見ていたので、変なところで笑うタイプの客になってしまった。
・序盤は比較的笑い要素が多いけど、初日だからなのか慎重な入り方に見えた。会話のリズム優先。
・終始会話が心地よく、何なら上品な感じもする。こういうベース作りは演出の増澤ノゾムさんの調整だと思う。
・WS受けた人ならもうちょっと深く見られるのかな。
・基本的に、「笑い」要素は長時間持続させられないけど、「心地よさ」なら可能だと思っている。
・かと言って簡単にできるわけじゃないのは言うまでもなくて、愛聴するラジオ番組のようにいつまでも聞いていられる掛け合いができるのはすごいこと。
・結局、対決というより、支えあうように、二人で難局を乗り越えたような感じ。公演期間中にもう一伸びしてそう。
・あと、最後の年、ピアノの上に花瓶を置くドリスが照明の加減もあって油絵みたいな美しさだった。
・年を重ねたことを老けメイクではなく、より美しく見せることで表す演出の方針におののく。
・理屈で考えても、お互いの主観で見ていると解釈すればおかしくない。ゆったりとした動きもきれい。
・当時現地の世相がわかると、もう少し深く楽しめるんだろうなとちょっと悔しい気持ちになった。
(2019/11/28 20:00の回)

※OrgofAは「おるおぶえー」と読む。三回くらい続けて音読すると覚えられます。

■CAST
ジョージ:遠藤洋平
ドリス:飛世早哉香

■STAFF
舞台監督:植津恵
制作:小川しおり(劇団fireworks)
舞台:高村由紀子
照明:秋野良太(秖王舎)
音響:大谷岱右(DACT)
衣装:丹野早紀
小道具:大川ちょみ
宣伝美術:後藤カツキ 飛世早哉香
アドバイザー:町田誠也(劇団 words of hearts)
著作権代理:株式会社シアターライツ

作:バーナード・スレイド
訳:青井陽治 堤孝夫
演出:増澤ノゾム

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

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