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内視鏡専門医試験過去問ノート③2022年2月の過去問分析(下部+胆膵)

※後半の下部・胆膵は前半と比べ内容不明確な設問がやや多いです。一部の重要度が高い設問は解説も長めに記載しておりますが、情報量少ない部分も考慮して購入価格を低めに設定しております。ご了承ください。

★2023/07:本記事に掲載されている内容を全て印刷可能なPDFを本文末尾に掲載しました(パスワード設定あり)。ぜひ印刷してご利用ください。



1.大腸側方発育型腫瘍(LST)について正しいものを2つ選べ
a 側方への腫瘍進展を特徴とする20mm以上の病変である
b 肉眼所見だけでなく進展形式も考慮した名称である
c 顆粒均一型は0-IIcに相当する
d 顆粒均一型は平坦隆起型と比べて悪性度が高い
e 偽陥凹型は平坦隆起型と比べて悪性度が高い



【解説】LSTの定義や臨床的特徴についての設問です。まずLSTの分類・亜分類と英語名称について確認しておきましょう。内視鏡専門医試験はたまに気まぐれのように選択肢を英語表記にしてくるので要注意です。
①顆粒型(granular type ; LST-G)
 a. 顆粒均一型〔homogeneous type ; LST-G(Homo)〕
 b. 結節混在型〔nodular mixed type ; LST-G(Mix)〕
②非顆粒型(non-granular type ; LST-NG)
 a. 平坦隆起型〔flat-elevated type ; LST-NG(F)〕
 b. 偽陥凹型〔pseudo-depressed type ; LST-NG(PD)〕

具体的な解説として消化器内視鏡学会雑誌 58-3(2016)より引用します。特に赤線部分に本設問と関わる記載があります。

消化器内視鏡学会雑誌 58-3(2016)より引用①
消化器内視鏡学会雑誌 58-3(2016)より引用②
消化器内視鏡学会雑誌 58-3(2016)より引用③
消化器内視鏡学会雑誌 58-3(2016)より引用④

上記内容は以下リンクから参照可能です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/58/3/58_153/_pdf/-char/ja

a:× 正しくは20mm以上でなく10mm以上です。
b:〇 上記文献の引用②で「肉眼形態分類を示す用語とは異なるニックネームである」といった旨が繰り返し記載されており、国際的なコンセンサスを理解することの重要性を示す選択肢だったと思われます。前提となる知識がないと分かりにくい文章ですが、個人的には再度出題されそうな選択肢という印象を持ちました。
c:× 文献引用②に記載ある通り、顆粒均一型は0-IIaに相当します。
d:× 引用③に記載ある通り、担癌率もSM浸潤率も
 顆粒均一型 < 結節混在型 ≒ 平坦隆起型 < 偽陥凹型
という認識で試験上は問題ないと思われます。
e:〇 上記の通り偽陥凹型(pseudo-depressed type)は最もタチが悪い!と覚えておきましょう。
【解答】b e

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