性欲を「本能」とかいう言葉で片づけるな

 話の導入は友人Kとの会話からにする。
僕「遠野遥ってイケメンじゃない?」
K「好みだな……なかくん(僕)に似てる。」
僕「つまり僕の顔が好みってこと?(照れ照れ)」
K「全く違う。」
僕「(…はて?)」
 つまりKが言いたかったのは、「好み(の問題)だな」であって、「自分はイケメンだと思わない」であった。僕の顔は好みではないらしい。Kは僕の写真をよく撮るので、てっきり「こいつは僕の顔が好き!」だと自惚れていた。違うのか。
 本論はそこではない。問題は、K曰く「遠野遥に似ている僕」が遠野遥を好きだということだ。(ちなみにこの好意に彼の作品というパラメーターは全く含まれていない。彼の作品は二つ読んだが言いたいことが三万個ぐらいある。)

 自己愛がすぎるのか。そうだったら悲しい。そんなわけがないだろう、弁証させてください。冷たい水をください。水割りをください。この「似た者に惹かれる」という現象をもう少しよく考えたら、恋愛というものの新たな側面を発見できるのではないか。
 そこで僕は自分が東京工業大学理学修士を持っていることを思い出し、(ここで学歴をアッピールすることによって議論に信憑性を持たせる)生物学、特に進化学の観点からこの惹かれるという現象及び恋愛とかいふものついてもう少し一般的に考えてみることにした。

自分と違う人に惹かれる、のであれば人間とチンパンジーは分かれない

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