夏をどういたしまして、終わり
日曜日。朝起きて、コンビニに行く。調理器具は全て詰めてしまったし使いさしの食材も破棄してしまったので食料がなかった。
電気ポッドだけが床に残されていたのでスティックタイプのラテを入れて、大きな窓に向かう席に座って飲んだ。一年間、食事をして仕事をして勉強をして物を書いて編み物をしてきた席。窓の向こうに開けた空は広く、遠くに山々が見える。冬の朝にはその山々に雲海がかかり、日が上っていくにつれて雲が空へと上がっていく様子が見えた。が、多分それよりも目の前の電柱と家々に張り巡らされた電線を僕はよく見ていて、おそらくこの席からの景色を思い出す時、頭に浮かぶのはその近景なのだろうな、と思いながらスケッチをした。