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必ず最後にiPhoneが勝つ。

皆さま待望の5G対応iPhoneが発表されましたね。iPhone 7辺りを使用していてそろそろ買い替えたいなーなんて思っていた人にとっては待望だったのではないでしょうか。以前のnoteで9月16日午前2時からのAppleの発表会で発表されるんじゃないかって書いたんですけどこの時はone more thingなくApple Watch Series 6と新型のiPadの発表のみで終わってしまいましたね。自分としても「うーんこの項目だけ書き換えたいな……」とずっと思っていました。

今回のこのnoteは「iPadからスマホに移行するにあたって“iPhoneという選択肢”はありなのかなしなのか?」ということを真剣に考えていきたいと思います。結論から先に書きますと“全然あり”でしょう。諸々のAndroidたちと比較してiPhoneの優れている点と劣っている点とを述べていくので近い将来に開催されるであろう『PMJL SEASON 1』に出場を予定しているチームの方々の参考になれば幸いであります。


・5Gの普及率は?

5Gは「すごい! 速い! カッコイイ!」次世代の通信方式なわけですが、現時点での普及率はそれほど高いわけではありません。まだまだLTEは現役で、5Gは一部地域の選ばれし者のみが使える、という状況は2020年10月現在も継続中であります。5G対応のスマホ端末が発表になった直後ぐらいに書いたnoteの頃よりは増えたけど……。

主要3社(ドコモ/au/SoftBank)の5Gエリアを見てみましょう。PMJC SEASON 2のFinalが行われた(SEASON 3のFinalはオンライン開催だった為、直近で行われた公式大会のオフライン開催を採用しました)ベルサール六本木グランドコンファレンスセンターの所在地である『東京都港区六本木3-2-1』の辺りの地図と過去にRAGEなどの大会が行われた幕張メッセの所在地である『千葉県千葉市美浜区中瀬2-1』の辺りの地図を掲載します。

まずは電電公社さんから。

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地図じゃないんかい! ……とりあえずこちらが2020年11月末時点での利用可能“スポット”らしいですよ。

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次にKDDIさん。直近の新製品発表会で「今後出す端末は全機種5G対応」を謳って「iPhoneの5G対応確定じゃん……」と業界を(ある意味で)震撼させてくれました。

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赤い丸のところが5G通信できるエリアです。南の方に見える黄色い丸は秋以降利用可能になるエリア。幕張メッセは非対応。

最後にソフトバンクさん。

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赤紫っぽい色で覆われたエリアが5G通信利用可能エリア。黄色が2020年秋以降の利用可能エリア。

3社確認したところ、ベルサール六本木で5G通信が使えそうなのはSoftBankのみ。2020年11月末に幕張メッセで5Gが使えるのはドコモのみ。しかし“観客席”とのことなので大会などで利用可能かどうかは不明です。『PMJL SEASON 1』が開催されるであろう来春辺りにはもうちょっとエリアが広がっていることを期待しましょう。

ちなみに、ドコモと楽天モバイルは5Gのエリアは5G専用の基地局設備で敷設されていますが、KDDIとSoftBankは4Gと共用の基地局設備で敷設された5Gエリアがあります。

これがどういうことかというと、KDDIとSoftBankには“4Gの速度しか出ない”5Gエリアが存在するということです。このほうがエリアの面展開が早いというメリットはありますが、ユーザーに対しては不誠実な姿勢だと思います。ドコモと楽天モバイルの5Gエリア展開が遅いことには、そういうこともあるわけですからいちいち腹を立てないであげてほしい。


・iPhone 11という功罪。

iPhoneは“iPhone”というだけで売れるんですよ。タピオカカメラがどれだけダサくても、“iPhone”というブランド力でそれなりに売れたんです。それなりに売れたからこそ他社も「タピオカカメラだっさ!」って思いつつも複数のカメラを搭載することをやめなかった。全てのスマホのカタチのトレンドを作ってしまうのが“iPhone”の恐ろしいところです。

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でも“iPhone”のノッチは無くならなかった。ほとんどのAndroid端末がノッチを廃してフロントカメラをパンチホールにしてみたり画面内に埋没させたりして画面を広くしているのに。何故なのか。

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ノッチにあるのは、実際カメラとイヤースピーカーとFaceID、そして近接・照度センサだけです。

ノッチのないパンチホール式のスマートフォンの場合、イヤースピーカーをフレームとガラスの隙間に詰め込み、そこに近接・照度センサも埋め込んで、FaceID代わりの顔認証はフロントカメラでやってのけています。このフロントカメラによる顔認証は一般に画像の特徴点の照合だけなので、精巧な顔写真でもパスできるものがほとんどです。なので、だいたいのスマートフォンはセキュアエレメント(個人情報や金銭の取り扱いなど)へのアクセスを、顔認証だけではできないようにしています。パスコードがなくならない理由ですね。

iPhoneはなぜ顔認証でなくFaceIDなのかというと、これはFaceIDの実体が深度センサを含んだ3D計測ができるカメラだからです。これによって顔の立体的な計測が可能になるので、顔写真などでの認証がほぼ不可能となり、一度の顔スキャンで指紋と同じくらいの認識精度(と速度)を実現できるからこそ、セキュアな指紋認証システムであったTouchIDがなくなりました。このセキュリティに自信がある(そして、決定的に破られていない)からこそ、iOSではFaceIDだけでセキュアエレメントへのアクセスが可能となっています。これが採用されたのは、まだ世界的な疫病の流行で全人類が常にマスクをすることになるとは想像していなかった時代の話です。

TouchIDから入れ替わったといういきさつ、そしてTouchIDよりも利便性とセキュリティが向上している点などを勘案してiPhoneからFaceIDをなくすことは合理的に考えてできないので、ノッチが継続して採用されることとなります。デュアルカメラ式のパンチホールは不格好で、それならノッチにしたよいのではというデザインのものが大半ですしね。

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そして、パンチホールにしても結局はステータスバーという画面上の必須要素の存在があって、ここに“カメラを避けた”実装が必要となります。ベゼルレス化の進行でカメラとステータスバーの両者が重なり合うという設計が平常になったことによって、ノッチやパンチホールという実装が合理的になりました。最近はアンダーディスプレイ式のフロントカメラもありますが、これも実際の画面では結構目立ちます。なので、マウントされる場所は必然的にステータスバーのあるべき場所になります。

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映像を観ている、ゲームをしているという没入シーンではともかく、日常遣いでステータスバーがないシーンは想像以上に不自由です(これはWindows Phoneが過去に実装していて廃れたものです)。アンテナピクトや電池容量、時間などは画面上から消すことができません。同じように、フロントカメラも現代のスマートフォンとしては必須要素です。結局、そこにあるのであれば多少の大きさ(専有面積)の違いを気にするよりも、利便性を取るほうがAppleにとっては合理的な設計だということです。


・Android OSとiOSの立場が逆転していた件。

iOS 14で発表された新機能、だいたいAndroid OSに既に実装されている機能でしたね。

2007年のiPhone OS 1.0リリースから13年、長らくホーム画面で動くものは時計とカレンダーの日付くらいでした。それが2020年になってドラスティックに変更され、これからはスケジュールを出すことも、週間天気予報を表示することも、野球のスコアカードを表示しておくこともできるようになりました。

iOS 14ではホーム画面が一新され、アイコンのカスタマイズやウィジェットの設置、新しい『Appライブラリ』によるアプリ検索などが実装されています。また、Google ChromeをデフォルトのWebブラウザにする、といったデフォルトアプリの変更ができるようになりました。

これらはAndroidでは比較的初期のころから実装されていた機能でもあり、今までAndroidに出て行っていた機能群から見れば逆輸入であるかのように見えます。最近では(AirDropに似た) Near by Shareという機能がAndroidに出て行きましたね。

もちろん、Siriのように高度なインテリジェンスエンジンはAndroidにはまだ存在しませんし、iPhoneとApple WatchとAirPodsとMacがうまく組み合わさって画面ロック解除やApple Payでの支払いやデバイス間をシームレスに移動するBluetoothデバイス、というような機能性はAndroidには残念ながらありません。

iPhone OSが誕生してからこれまで、実際大きく逆輸入された機能は“通知”に関するエトセトラだけだと思うんですね。iOSの通知機能は最初はとてもプアで、長押しで返信などという今では一般的なことができませんでした。当初は履歴すらありませんでした。これを最初にうまくやったのはAndroidのほうです。そのほか、いろいろ言われてはいるものの小さな機能の奪い合いで小競り合いしてきたのがiOSとAndroidの関係性だったと思うのです。

ところが、ここに来て“ホーム画面”という長らくiPhoneのアイデンティティでもあったユーザーインタフェースに大きく手を入れてきたのは、近年対抗馬に押される一方であるAppleの焦りでもあり、逆を言えばそこでしか目立った改良をなしえないiOSの成熟度を示すものでもあるのです。

Androidのホーム画面は、アイコンのデザインもバラバラになりがちで、ウィジェットのデザインに関してはアプリ開発者の好き好きで決まります。その代わり、長年熟成されてきた機能でもあるため、機能性は非常に高いです。今のiOS 14ではまだ、ウィジェットにはAndroidほどの自由度が与えられていません。その代わり、“見た目を統一感あるものにまとめられる”というアドバンテージを出す方向で(今のところ)攻めています。ただ、成熟しきったAndroidのウィジェットと比べて、まだ〝伸びしろ〟があります。iOS 17くらいのころには、かなりマーケットとしても盛り上がっていることでしょう。

実際問題として、iPhoneがAndroid スマートフォンに勝てる部分が少なくなってきているというのはあると個人的には思っています。画面のタップ判定速度(レイテンシ)などは長らくiPhoneが勝ってきたのですが、昨今のゲーミングブームによってAndroidでもそのあたりに気を配った実装が為されるようになりました。発表当初はiPhoneのほうが高い傾向にあるSoC同士のベンチマークなども、すぐにAndroid陣営に水をあけられるようになっています(あちら=Qualcomm陣営=は年に2回ほどSoCが改訂されるので)。非常に大きく広義なAndroid陣営から、ゆっくりと包囲されていっているというのが現状であると考えるべきです。

そうすると、下手にハードウェアの優位性で勝とうとするよりも、ユーザーインタフェースを優れた方向に持って行って、総合的なユーザー体験を向上させたほうが長くユーザーの心をつかんでおけます。Appleとしては、そういうエコシステムを構築したいわけです。これは昨今の(今年もそうではありますが) Appleが自社のプレゼンで大きくiPhoneと他(Android)との比較をやろうとしなくなったことにも表れていると思います(囲い込みたいわけですから、まずは自社の優れた技術を発表していくことに集中すべきですからね)。


・AQUOS zero2にみる日本に於けるゲーミングスマホの売り方。

世界的にSnapdragon 855+がスマホゲーム向けにチューンナップされていると話題となりROG Phone 2(世界では2019年9月発売)やBlackShark 2 Pro(日本未発売。2019年8月発売)をはじめとしたゲーミングスマホに採用されているなか、日本のSHARPはSnapdragon 855の端末を“ゲーミングスマホ”として売り込んでいました。ドコモからは2020年1月30日に発売(1日遅れてauとSoftBankからも発売)されたAQUOS zero2の悪口を書きます。

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PUBG MOBILE界隈で有名なプレイヤーたちに提供し、AQUOS zero2で配信してもらうことによって製品の良さを宣伝してもらおうという魂胆だったわけですがどう考えてもPUBG MOBILE向きの端末ではない。PUBG MOBILEをプレイするにあたっては画面はカーブディスプレイよりフラットディスプレイの方が断然良いと思うんですよね!

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初代AQUOS zeroの段階でカーブディスプレイだったzeroシリーズですが、何故カーブディスプレイを採用したのかに対して(技術があれば試したくなる、ではなく)「左右両端が軽く湾曲していると縦持ちしたとき指の動きにあった自然なタッチ操作を行える」と回答しているわけで、基本的に“横持ち”であるPUBG MOBILEとは相入れないわけですわね(縦持ちでPUBG MOBILEをプレイしている方がいらっしゃったら申し訳ないです)。

そもそもSHARPはIGZOというご自慢の液晶があるわけでして、わざわざ有機ELを採用する必要性はなかったのでは? 有機ELを採用したことによって端末の値段が下がるならまだしもフラッグシップモデルとして2019年の夏に発売されたAQUOS R3が約8万(ドコモ価格)だったのに対してzero2も約8万(同じくドコモ価格)でした。

これから“ゲーミングスマホ”として売っていくならば想定されるプレイヤーたちの懐事情も考えた方がイイと思うんですよ。全てのプレイヤーにスポンサーやパトロンがついているわけではないので。これまでは技適によって中国産の安価で高性能なスマホ端末が足止めされていましたが、Redmagic 5やBlackShark 3が技適を取得した今、国産のAndroid端末が立ち向かう武器は「国産だからデータは安全!」という吹けば飛ぶような机上の空論だけですわよ。


・構造上の排熱に関する欠陥。

PUBG MOBILEは大会だと1日6試合行われることもあります。ここで気になってくるのはバッテリー容量と端末の温度です。大事な大会の途中で電池切れしてしまったり端末が熱くなりすぎてタッチバグが起こってしまったりしてしまうと本来の実力を発揮しきれないでしょう。それこそPUBG MOBILE運営が懸念していた『端末制限をすることで大会参加時に不完全燃焼となってしまうこと』ですよね。まあiPadでも起こりうる事象ではあると思うんですが。

バッテリー容量に関しては普段どのように使用しているかでバッテリー自体がどれぐらいダメージを受けてしまっているかが変わってくるのでカタログ上の数値はあくまで目安と捉えておきます。5G通信でどれだけ電力を食うかもわからないので心配なら普段の連絡用とゲーム用で2台持ちましょう。 

ROG PhoneやBlackShark、そしてRedMagicに代表されるいわゆる“ゲーミングスマホ”の長所は徹底した冷却構造にあります。熱をこもらせないように各社工夫を重ねているわけです。このnoteでも何度か取り上げているので(特にBlackSharkに関しては増田杯という太っ腹な企画もありましたしね)詳しくは前のnoteを読んでね! と言いたいところですが価格がお手頃でタイムラインで購入されている方をちらほら見かけるようになって技適も通っているから後ろ指をさされる心配無用なRedMagicの例を見てみましょうか。

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扇風機内蔵ですぞ。

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液冷システムもあるんだよ。

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RedMagicには透明版という特別なモデルが存在していて、とってもカッコイイので記念に欲しいです。

iPhoneにはこういった機構は一切ありません。カイロになるわけです。こればっかりはどうしようもないので扇風機で冷やすなりなんかうまいことどうにかしてください。保冷剤で冷やすのはやめてください。会場にサードパーティって持ち込んじゃダメなんでしたっけ。

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こちらがiPhone SE(初代)が分解された時の画像なのですが、これを見ていただければ特に内部では何も対策がされていないんだなぁというのがわかりやすい(?)かなと思います。


・画面サイズのお話。

iPhone 12 miniが5.4インチ。iPhone 8 Plusとほぼ同じサイズ。

iPhone 12とiPhone 12 Proが6.1インチ。無印とProの差はカメラの数とSoCの差になります。iPhone 11とサイズ変わらず。 

iPhone 12 Pro Maxが6.7インチ。11 Pro Maxが6.5インチだったので大きくなりました。

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12と12 Proが10月23日販売開始。miniとPro Maxが11月13日販売開始になります。


・リフレッシュレートについても書きたかった。

巷で話題の“90fps”が出せるか出せないかというせめぎ合いにつきまして、自宅にある“120fps”が撮影できるカメラで動画を撮影して詳しく解説したかったのですがまた今度にします。しばし待たれよ。

iPhone 12が世界的にどれぐらい売れるかは未知数ですが、これまで出ている5G対応のAndroid端末より売れないということはおそらくないでしょう。売れているということはすなわちユーザー数が多いということでもあります。そのぶん不満も多く寄せられるはずなのですが、ディラ○ト○ークスの中の人はAppleアンチなんじゃないかな。次のアンケートで絶対書こう。いつになったらこの帯消えるのん。むしろこの帯が味わい深いのかもしれない……?

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“90fps”への対応が(設計上仕方ないとはいえ)iPad Proのみだった、という事実は多くのiPhoneユーザーをガッカリさせたでしょうし、それでいて“90fps”のほうがどうやら“強いらしい”という不確定な噂を聞いて「じゃあ“90fps”が出る端末に乗り換えよう」とAndroid端末の購入に踏み切ったプレイヤーもいるでしょう。

非常に残念なニュースでありますが、iPhoneは今回も“90fps”への対応はしないかもしれません。発表会で出てきた情報から推測するに、出ても“60fps”(PUBG MOBILE的には“極限”)だと思われます。PUBG MOBILE側の頑張り次第でもしかしたら“90fps”が出るかもしれない、という歯切れの悪い言い方になってしまいますがそういう感じです。

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