記憶

高校の頃、部活のみんなで「お酒飲めるようになったら一緒に飲もうねえ」「お酒飲んだらみんなどうなるのかな?〇〇ちゃんは泣き上戸になりそー!」とか言ってたのだけど、おしまいさんは「なんかずっと酔っ払ってるみたいだから変わらなそう!」って言われてふふふって笑った たのしかった

一方で、一人のときは鬱にのまれていて、体育祭を休んだ日に初めてODした そのために年確が無いと聞いたスーパーにいって初めてお酒を買った

それからたまに学校を休んではその年確がないスーパーでお酒を買って飲むようになった

あるときチューハイを買って、帰り道にちびちび飲みながら終わりだな〜とか思ってた
その道には初恋の人のお家があって、誰か出てこないかなとちらちら見ていたけれど誰も出てこなくてそのまま通り過ぎた 足は止めなかった

歩いていくと高校に入った頃にやめちゃったピアノ教室があって、先生が小さな子をお見送りしていた

ばれないかしら、と思ってちらちら見ていたけれどこちらには気が付かなかったようで、そのまま通り過ぎた

少しばれるのを期待していたかもしれない

そのとき、もうあのあたたかい世界にはもどれないんだ、と思った。

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