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煩悩をなくして得られる心の境地が「中道」(ちゅうどう) ブッダの教え

中道(ちゅうどう)をわかりやすく


ブッダが菩提樹で成道して、初転法輪で始めて説法した内容に「四諦・八正道・中道」とよく語られています。原始仏典には中部教典 第26経「聖求経」(しょうぐきょう)に詳しく出てきます。

一般的に

中道(ちゅうどう)とは、偏った両極端ではない中間の道

と解説されています。

欲望にどっぷりふけるべきでも、苦行に熱中するべきでもなく、両者を離れた中道とも解説されてでてきます。

この中道の境地は八正道(はっしょうどう)の実践をすれば得られる境地と書かれています。

それでは、八正道の実践で得られる境地を見てみましょう。

煩悩をなくして得られる境地が「中道」、

その実践が「八正道」

《八正道・はっしょうどう》

正見(しょうけん)・四諦の理解洞察(知見)
正思惟(しょうしゆい)・正しい想い
正語(しょうご)・正しい言葉
正業(しょうごう)・正しい行い
正命(しょうみょう)・規則正しい生活
正精進(しょうしょうじん)・正しい想いの実践
正念(しょうねん)・観察する瞑想の実践
正定(しょうじょう)・精神統一する瞑想の実践

※上記は、簡単な説明になります。

八正道とは、正なる道の正道や、八聖道(はっせいどう)とも表現されます。
七科三十七道品(しちかさんじゅうしちどうほん)と同じく、

「苦」の滅を実現する真理の実践方法で、煩悩をなくす修行です。

八正道を修得すると、煩悩がなくなり、「苦」の四つの真理「苦・集・滅・道」の「四諦」(したい)が知見(ちけん)できるようになります。

八正道で「苦を理解」して、煩悩がなくなれば、

その境地は、「中道」の境地もえられることになります。

八正道を修得すると、

「苦」の四つの真理「四諦」が知見でき、
「苦」の煩悩も滅している状態で、

「中道」が得られることになります。

次に、経典にでてくる「中道」を見てみましょう。

経典に出てくる中道(ちゅうどう)の境地
中部教典 第三経「法嗣経」(ほうしきょう)
「貪欲・怒りをすてるために「中道」の実践がある。
中道の実践は、真理をみるための眼をつくり、真理を知るための智を作り、寂静・通智・正覚・涅槃に導くのです。それが聖なる八支の道です。」
とでてきます。

中部教典 第一三九経「無諍分別論」(むしょうふんべつろん)
このお経は「こころが乱れない生き方」と題されていまして、欲望にふけるべきでも、自らを傷つける苦行に熱中するべきでもなく、これら両極端に近づくことのない中間の道が如来によって、正しくさとられた道で涅槃に導く、八正道のことであると出てきます。

そして、この中間の道は真理をみるための眼をつくり、真理を知るための智を作り、苦しみも愁いも、ひどい苦悩もともなわない道で「こころが乱れない」とでてきます。

このお経の最後でブッダは「こころが乱れる生き方と、こころが乱れない生き方を知ろう。そしてこころが乱れない生き方を歩もう」といっています。

どちらのお経も八正道で、煩悩を捨てることが大切だと言っています。

図解はこちらになります。


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