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なぜ煩悩は108あるのか? 煩悩が108ある お経「多受経」(たじゅきょう)

煩悩が108あるいわれのお経


中部経典 第59経「多受経」(たじゅきょう)
このお経は、「多くの感受についての教え」と題されています。

棟梁のパンチャカンガと尊師ウダーイが感受に関して、

ブッダの教えの認識の違いが生じ論争するお話です。

棟梁パンチャカンガはこう言います。
「世尊は苦の感受と楽の感受の、二つの感受を説かれました。」

尊師ウダーイはこう言います。
「世尊は、苦と、楽と、苦でもなく楽でもない、三つの感受を説かれた。」

ブッダは言います。
「根拠にもとづき、二つの感受も説き、三つの感受も説き、五つの感受も説き、六つの感受も説き、十八の感受も説き、三十六の感受も説き、百八の感受も説きます。」

二つの感受は、
「身体に感じる感受と心に感じる感受」の二種

三つの感受は、
「楽の感受、苦の感受、不苦不楽の感受」の三種

五つの感受は、
「身体に感じる苦の感受(苦受)、心に感じる苦の感受(憂受)、
身体に感じる楽の感受(楽受)、心に感じる楽の感受(喜受)、
不苦不楽の感受」の五種

六つの感受は、
「眼・耳・鼻・舌・身体・意の六種の感覚器官によって感じられる感受」の六種

十八の感受は、
「眼・耳・鼻・舌・身体・意の六種の感覚器官の感受」を
「楽・苦・不苦不楽」の三種にわけた十八種

三十六の感受は、
上記「十八の感受」が、「世俗の生活に基づいた感受と、世俗を離れた聖なる生活にもとづいた感受」の二種にわけた三六種

百八の感受は、
上記「三六の感受」が、「過去、現在、未来」の三種にわけた百八種(108)

煩悩が108ある”いわれ”の一つがこのお経に明確に出てきています。


ちなみに、四苦八苦(しくはっく)のシク、4x9=36、ハック、8x9=72 足して108になるから煩悩が108とも言われたりしますね。

原始仏典は楽しいお経もたくさんありますから是非見て観てください。

原始仏典のほぐし読みはこちらからどうぞ。(最近、大乗仏教の「法華経」もあります。)


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