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そうだ、狩人になろう!前編

昨年同僚に誘われて面白そう!と射撃を始めようと思いました。

猟銃等講習会予約

同僚が色々とプロセスを調べてくれてまずは最初のステップとして警察署で開催される初心者講習会を受講する必要があります。東京都の場合、参加するには毎月月初に講習会の日程が警視庁のサイトで発表されるのでそれを確認したら自宅の住所を管轄している警察署(講習会が開催される警察署ではない)に電話をし猟銃等講習会に申し込みたいと伝えて空きがあるかを確認してから必要書類を警察署に持参して申し込みをします。
初っ端からこれがまずなかなか大変でして、月初とだけ教えてくれるのですが具体的に何日なのか?サイトは何時頃更新されるのか?は聞いても教えてもらえません。定員が何人かも書いてない。しかもオンライン申し込みとかそんなおしゃれなものは当然ありません。
9月になってから毎日朝からひたすらサイトをリロードしまくる毎日。月初とのことなので3日くらいまでかな?と思いきや、3日になっても更新されない。「月初とは」と思わずサイトで調べたらなんと最長7日まで月初の可能性が…リロードしすぎで腱鞘炎になってしまいそう。

そうこうしていたら同僚から朝8:00過ぎくらいにサイトが更新された!と連絡があったのですぐに警察署に電話して空きを確認、申し込みたいと伝えました。警察署に出向いて申し込む必要があるのですが、担当の方が席を外している可能性もあるので来る前に電話するようにと言われました。必要書類は全て事前に揃えていたので、安心して朝入っていたミーティングが終わって11:00くらいに電話して今から行きます、と伝えたら、「すみません、もう定員に達してしまいました」と衝撃の回答が。え!!!!もう埋まったの?!
キャンセル待ちとか出来ないですか?と聞いてみましたが、難しいとのことでまた1ヶ月後に再チャレンジすることに…

人気アーティストのライブチケットを取る並みにハードル高かったとは猟銃なめてたわ。。ってかこれ普通にオフィスに通勤している人無理では。。

そして10月。土日はおそらく更新されないので4日の月曜ではないか、とあたりをつけつつ一応1日から暇さえあればサイトをリロードする日々。前回が朝だったから8:00くらいからチェックしてました。眼精疲労も肩凝りも腱鞘炎もマックスです。しかし4日は更新されず。翌日も朝からチェックしましたが更新されないので今日もないだろう、と思っていたら午後同僚から更新された!とチャットが。え!今ミーティング中でその後もミーティング続いていて行けないよう(T_T)
先月の経験からすぐ埋まってしまうかもしれないから急いだ方がいいですよ!と言われ、それもそうだと居ても立っても居られなくなり、「すみません!私警察署に出頭しないといけないので30分くらい抜けます!」と宣言して(誰も突っ込みませんでしたw)急いで電話し、空きを確認し5分で行くと伝えて警察署へ。このタイミングで申し込めるのが12月の講習で、12月は王子警察署と新橋庁舎の2カ所で開催されるとのことでどちらが良いか聞かれ、圧倒的に新橋希望だけど空いてなければ王子でも、例え伊豆大島(一応東京都)でもどこでも行きます!!と食い気味に伝えたところ無事新橋で申し込み完了!教科書を渡され最後にテストもあるから勉強しておくようにと言われました。

初心者講習会&考査

そして季節は流れ、ゆっくりと12月のあかりが灯りはじめ、慌ただしく踊る街を誰もが好きになっていた頃、講習会まで後1週間というタイミングで、先に王子で講習会を受けた同僚から連絡があり、講習会のテストはちゃんと勉強しないと受からないと言われました。その回は30人中2人しか合格しなかったとか。。確かにテストがあると申し込みの時に言われましたが、確認的なもので不合格になるとかがあるとは夢にも思っておらず、そもそももらった教科書は開いてもおらず。せっかく大変な思いをして申し込んだのに、テスト落ちたらチケットぴあアゲインと思うと勉強するしかない!
しかし、教科書開いてみたものの、こういう教本にありがちな、難しい言い回しで内容が全然頭に入って来ず全くページが進みません…忘年会シーズンでもあったりして全然進まず。このままでは受かりそうもなく、講習会は土曜日の9:00-17:00でわざわざ週末の貴重な1日をつぶしてまで本当に行く意味があるのか?この時間があれば北海道でスキーできるぞ?と旅人な私が現れ自問自答しつつもなんとか朝2時までかけてとりあえず教科書は最後まで目を通していざ講習会へ。
会場は普段一般の人が入るようなところではないので、講習会が行われる部屋とトイレ以外の場所には立ち入らないように厳しく言われました。結構広い部屋で、参加者も60人くらいいました。参加者には番号が割り振られており、そこはかとなく囚人の気分。席も決められていて私は1番後ろでラッキー!と思っていたら講義が始まったら部屋の後方に警察官(多分)が数人座って後ろから監視されている気分で落ち着かず。オレの後ろに立つな…(座ってるけど)
そんなこんなで堂々と寝る訳にもいかず眠い目をこすりつつなんとか講義終了。考査は60分で全て○×で回答するものです。
20分くらいで終わりもう一度最初から全部見直しましたが、わからないものは時間かけて考えたところでわからないし、多分40分くらいで全員終わってたと思いますが60分経たないと終わらない。
回収され採点を待ちいよいよ結果発表。合格の人だけ番号が呼ばれ、呼ばれない人は可及的速やかに帰れとのことでドキドキしながら聞いていたらなんと!私の番号が呼ばれました!残って合格証書を受け取り、るんるんと建物の外に出たら係の人にアンケートいいですかと言われ、勉強しましたか?と聞かれたので、ここぞとばかりにもうめっちゃ勉強しました!!と謎のアピールをし退場。

教習資格認定申請

申請に必要な書類の準備

そして次のステップとして、射撃教習を受けるための教習資格認定申請があるのですが(空気銃の場合は教習射撃は不要)、申請に必要な書類がいくつかあるので準備を始めました。
精神保健指定医の診断書が必要なのでネットで検索して家から近いクリニックに片っ端から電話しました。
「本クリニックに通院されてる方ですか?」と聞かれ、「いえ、あいにく鋼のようなメンタルなのでなかなか機会がなくて。でも機会があればぜひ伺いたいと思ってます。(ちなみに今がその機会です)」「本クリニックに通院されてる方向けにしか対応してません」みたいなやりとりが続き、心折れそうでしたが、何軒目かで、「銃刀法の診断書は発行してもらえますか?」と聞いたら「え、何ですか?」と聞き返され、「銃刀法です」と答えたら「十、二十の十ですか?」「多分違います。撃つ銃です。」「?じゅう…(しばし沈黙)少々お待ちください」からの、院長が代わって出てきて、「対応できますよ。滅多にないケースなんで受付が混乱しちゃって。」「すいませんね、混乱させて。」というやりとりを経て予約を取りクリニックへ。
院長からまず「何故銃を始めようと思ったんですか?」と聞かれました。高校生の頃進路相談の将来なりたい職業に石油王と書いて怒られた私ですが、実は子供の頃からアクション・スパイ映画好きでスナイパーにも憧れてました、なんていうと完全にヤバいやつだと思われるので、「スポーツとしてクレー射撃を始めたいなと思いまして。集中力が鍛えられるし、年取ってもできるところが魅力です。オリンピックの競技にもありますし。あと狩猟にも興味あります。」みたいなやりとりから始まり、「確認しないといけないので聞きますが、麻薬、覚醒剤、あへん、大麻はやってませんよね?」とか「アルコールきれると手が震えるとかないですか?」などなかなか人生でされたことがない質問をされました。
最後に「では診断書出しますから、オリンピック頑張って下さいね。フランスかな?」と言われたので、「いやフランスはちょっと間に合わないのでLAですね」と答えて終了。
次に破産宣告を受けていないことを証明するための身分証明書というものが必要で、自分が今住んでいるところではなく、本籍地の市区町村で発行してもらう必要があります。これは郵送でも取得できるので取り寄せることにしました。定額小為替を購入し返信用封筒に切手を貼って市役所に送るのですが、最近手紙とか送ってないので定形封筒の切手を調べてから郵便局に行ったところまではよかったのですが、
「84円切手が欲しいのですが、いくらですか?」
「84円です」
「あ、ですよね・・・」
穴があったら入りたいとはこういう時に使うのでしょうか・・・。
気を取り直してあとは写真や住民票などを準備して必要書類を揃えて年明けてから満を持して警察署に電話して、教習資格認定申請をしたいと伝えたところ、警察署に来てください、面接があるので1時間半くらい時間かかりますとのことですぐに向かいました。

警察署での面接

面接では銃を始めようと思ったきっかけから始まり、許可が下りたらどこの射撃場に行くつもりか、どれくらいの頻度でやるか、会社、年収、借金はあるか、今のマンションに引っ越した理由、お酒は飲むか、飲んだらどうなるか、趣味、これまで暴力をふるったり、ふるわれたりしたことはあるか、今日着ている服、色、などなど確かに1時間半くらい、その情報誰得?みたいな意図が謎なものも含め色々聞かれました。
そして、身辺調査が必要ということで近隣住民、職場の人、友人、家族の連絡先を書いてくださいと言われ、近隣住民と言われましても住まいはマンションで隣に誰が住んでるのか(そもそも隣に人が住んでるのかすら)わからないんですが…と答えたところ、では私が訪問して聞き込みしていいですか?と。それはご足労いただき恐縮ですが、どうぞとお答えしました。しかし、いきなり警察官が訪ねてきて、隣の人について聞きたいみたいに言われたら隣に住んでるやつやべえやつじゃないかと私だったら思いますけどね、、そこはうまくやってもらえるのでしょう。知らんけど。
会社が休みの日だったので、休みでもすぐチャットに反応してくれそうな人何人かに警察からの聞き込み調査に対応してくれない?と送ったら、「何か悪いことした?笑」と返ってきましたが、無事協力を得ることができました。最後に、今回初めての申請なので本部の調査も入るから3ヶ月くらいかかるかもと言われました。そんなに!

身辺調査

そして数日後、調査を依頼していた同僚に仕事で用があってチャットを送ったら今警視庁からの電話対応中ですと返ってきて、おお、それはぜひ優先してくれ、くれぐれも余計なことを言ったり失礼のないように、とお願いしました。調査は20分くらいで
・仕事やプライベートでのトラブルはあるか?
・勤務態度
・家族構成
・暴力団など特定団体とのつながり
・お金の使い方、急に羽振りがよくなっていたりしないか?
・ギャンブルを好むか
・借金はあるか
・酒で人格が変わるか
・性格はどうか
・銃を持つことについてどう思うか
・家族に精神的に病んでいる方はいるか
・本当に今の住所に住んでいるか
・毎日同じ服着てたりしないか
など職場の同僚に聞いてもわからないだろ、的な質問もあったようです。
しかし私がもしスティーブ・ジョブズみたいに毎日タートルネックを着ていたとしたらなんだと言うのだ。
同じ日に他にお願いしていた人や弟にも電話がありました。

ちなみに Android の携帯だと、携帯の電話帳に登録してなくても電話番号から自動的に発信者を表示しますが、着信時に「警視庁」と出てビビったと言ってました笑

そして数週間後、警察署から電話があり、行きつけのクリーニング屋はあるか?と謎質問が。クリーニングはマンションのコンシェルジュに渡せば出しておいてもらえるので毎回同じところではありますけど直接行ったことはないです、と伝えたら期待していた回答ではなかったようで、そうですかー、うーん、と。では行きつけのご飯屋はあるか?と聞かれ、近所に行きつけと呼べるようなところはないですね、、あ、スタバなら毎日行ってるので店員さんとも顔見知りです、と答えたところ一応場所教えてくださいと言われ回答。荷物の受け取りはどうしてますか?と聞かれ、家にいるときはそのまま部屋まで持ってきてもらいます、と答えたら宅配業者の人は毎回同じ人ですか?と聞かれ、時間帯とかによっても変わるようですけど、ヤマトは午前中はだいたい同じ人です。ちなみに高橋さんです、みたいなやりとりが続き、どうやら本当に居住してるのか疑われているのでしょうか。。

そして再度警察署から電話があり、もう1人身辺調査できる人をあげてほしいと言われ、元上司にお願いし、名前と電話番号を伝えました。上司にはチャットで「忖度 is required.」と送ったら、「What kind of 忖度 is reqired?」と返ってきたので、とにかく私がヤバいやつだと思われない受け答えをよろしく!とお願いしました。

そんな時に埼玉で男性が銃を持って立てこもるという事件が起きました。すかさず「お前を連想したんだけど笑」と元上司からチャットが来ました。失礼な!

その後警察署から電話があり、本部から指摘が入り、追加でもう1人聴取できる人を出して欲しいと申し訳なさそうに言われました。
いや大丈夫です。私が街中で銃を乱射したり立て籠ったりするやべえやつかもしれないからちゃんと調べる必要ありますよね。埼玉の事件のせいですかね?と思わず聞いてしまいました。

その後も何度か電話があり、もう許可下りないんじゃないかと心折れそうになりましたが、許可下りたら行く銃砲店をあらかじめ決めてどんなサービスがあるか聞いてくるようにとアドバイスをもらえたので希望を捨てず家から歩いていける銃砲店に行ってみました。が、うちはライフル銃専門店ですけど、と。
ライフル銃も興味あります!と言ったらライフル銃を所持するには、少なくとも10年以上散弾銃などの装薬銃を所持しているなどの条件があるし、空気銃は講習不用だし何がしたいの?と言われてしまいました😅
でも親切に色々と教えてもらえて、散弾銃を扱っている銃砲店も紹介してもらえました。

そしてまた警察署から電話があり、自宅に訪問させて欲しい、銃を始めようと思ったきっかけになった同僚にも聴取させて欲しいと言われました。ついにガサ入れか!?
特にやましいことはないのでどちらも大丈夫と回答しました。
気づいたら私の携帯の着信履歴、ほとんど警察署で、完全に友達いない人&やばい人状態。

そして家庭訪問当日。いつものご担当の方ともう1人の2名でいらっしゃいました。玄関を開けたら名前を名乗られ警察手帳を見せられました。ドラマでよく刑事が聞き込みをするときは2人組なのでやっぱり2人で来るものなのか!?警察手帳初めて見た!とちょっと興奮気味でしたが、聞かれた質問に答えて無事終了。

そして10日くらい経ち、また電話があり、今度は何だろうと思って出たら「教習許可がおりました」
ついに!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ひゃっはーー!

ちなみに今回許可が下りたのは射撃教習を受ける許可で、全体の流れで見ると2番目。ここまでくるのに8ヶ月。。しかもまだ先は長い。
とりあえず、教習を受ける射撃場を決めていざ射撃にチャレンジ!

最終ゴールは猟銃等の所持許可を得て許可証を取得し標的射撃をすることです。
最初全然わかっていなくて別に自分の銃が欲しい訳でもないし、用途によって銃も異なるので、とりあえず射撃していいよという許可がもらえれば後は射撃場で銃を借りながら腕を上げて趣味として続けられそうなら自分の銃を持つことを考えようかなと、スキー場で板レンタルするくらいに思っていたのですが、仕組み的にそういうものではありませんでした。1つの銃を複数人で所有したり貸し借りはできないし、1銃1許可制なので、トラップとスキートと両方やりたいのであればトラップ用の銃、スキート用の銃それぞれで許可を得る必要があります。なのである程度これをやりたい!というのを予め決めておく必要があるんですね。狩猟もやりたいけど、まずはクレー射撃で腕上げてからですかね。家族であっても許可証を持ってない人が銃に触れば銃刀法違反になります。厳しい銃規制がある日本で射撃を楽しむにはなかなか長いプロセスを経る必要があるようです…
ちなみに銃を自宅で保管する場合、ガンロッカーを設置する必要がありますが、賃貸マンションの場合、契約書に危険物持ち込み禁止条項があると家には保管できないので、銃砲店など保管サービスがあるところに預けないといけません。銃を家に置いておきたい訳ではないので保管してもらえるのはありがたいですが、いざ射撃に行くことになったら営業時間内に銃を取りに行って射撃場に行って営業時間内に返しに行かないといけないと思うとなるべく家に近いところでないと不便ですね。

とにかく、警察署の方には大変お世話になり、かなり時間も使ってもらって申し訳ない気持ちですが、私に許可を出したことを後悔させないようオリンピック目指してまずは教習頑張ります笑

後編に続く!(多分!笑)

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