強盗殺人事件の狛江市、防犯設備費補助で思ったこと

『強盗殺人事件の狛江市、住宅の防犯設備費を最大1万円補助…マンションやアパートも対象』

 新年度に実施する予定の補助制度では、防犯カメラや、センサーライト、窓ガラスを割れにくくするフィルムなどの防犯設備を取り付ける際に、1世帯に1回限り、費用の半額(最大1万円)の補助金を支給する。一戸建てに限らず、マンションやアパートも補助対象となる。市は新年度の一般会計当初予算案に500万円を計上する方針だ。

 また、市内には、市や自治会、商店街などが設置する防犯カメラが計217台ある。市はこれまで、自治会などが設置する場合は、6~8割程度の費用を補助し、電気代も全額負担している。今回、新たに修理や点検といった維持費にも補助金を支給することとした。さらに、市が費用を負担して、防犯カメラ10台を道路沿いに増設するという。

 市がこうした防犯対策に取り組むのは、閑静な住宅街で起きた凶悪な事件が、市民に大きなショックを与えているからだ。市内に住む無職男性(84)は「狛江でこんな事件が起きるとは思わなかった。事件後は、鍵を二重にかけたり、窓の施錠をしっかりと確認したりするようにしている」と話す。

 市にも「どうやって対策すればいいのか」といった不安の声が複数寄せられ、事態を重く見た松原俊雄市長は1月24日に現場付近を視察した。事件発生後には、市の職員 らが午前と午後の2回に分けて、青色回転灯付きのパトロールカー(青パト)で市内を巡回。小中学校の登下校の時間帯には、通学路で見守り活動も実施した。

思ったことをいくつか書きます。

まず、事件が起きてその混沌に騒ぎだすのは日本的です。

日本はエニアグラムのタイプ6の国民性です。
タイプ6は、安心・安全・安定を欲しますが、同時にそれが崩れた状態から目を背けようともします。混沌や未知、不安を嫌がるということです。

それで、事前に不安な話を聞かされることを嫌がります。

以前、2013年1月にアルジェリアで日本人が死亡した人質事件がありました。これについて外国人の専門家が、
「日本企業はリスクを真正面から受け止めるというよりはむしろ、それを無視する傾向が強いと長年感じております」
「日本人は『もし何かが起きたら』という発想に乏しいと感じられます」
「もし犯罪者やテロリストがあなたに銃を突きつけてきたとしたら、『時すでに遅し』です」
という指摘をしてました。

時すでに遅し

いつもはネガティブな考えを無視して、
混沌が起こってから悲鳴を上げる傾向が日本人にはあります。

安倍元首相の事件のときには、以下のような話も話題になりました。
混沌な話を語る辻元氏とそれを笑い飛ばす安倍首相。


次に思ったこと。

「どうやって対策すればいいのか」といった不安の声が複数寄せられというのもタイプ6的です。
エニアグラムのタイプ6は依存的だと言われています。
それはストレスがかかるほどそうなります。
「どうやって対策すればいいのか」と言ったひとはタイプ6度が高い人だと言えます。


3つ目

防犯カメラ設置について言えば、
防犯カメラは事前の対処とういよりは事後の対処なんですよね。
犯罪を起こさせて逮捕するときに使うものなんですよ。
さらに、本気で狙っている者ならば覆面だって変装だってするわけです。
犯罪防止の効果は小さく思います。

というか
今回の事件は、昼間の事件で犯人は宅配を装ったと見られています。
昼間なので、人々は活発に動いていて、本来安全な時間に起きた事件です。本来は目撃者の多い時間帯です。
あとは、事件が起きた住宅に設置された防犯カメラの室内モニターが破壊されていたことも分かっています。ちなみに、モニターに録画機能はなかったそうです。ですが、映像が残されていると考えた強盗グループが、消去するために破壊した可能性があるそうです。
また、栃木県足利市で、複数人が民家に押し入り、住人の50歳代男性をハンマーで殴って現金300万円を奪った事件では、容疑者が逃走前に電気のブレーカーを落とし、電話線を切断していたそうです。
住宅の防犯は、外部と連携でもしていない限り、攻められたら無効化されそうです。

※ 『狛江の強盗殺人、防犯カメラの室内モニター壊される…映像消去図ったか|読売』より

他にも「外で待ち構えてドアが空いたら押し入る」「子供を誘拐する」など、お金を持っているとして狙われたら市町村でできる対応なんてあまりないのではないでしょうか?

それ以前に、今、狛江市が取ろうとしている対策を打てば、今回の犯行は未然に防げたのでしょうか?
対策を見る限り、防げないのでは?と感じています。
パトロールは有効そうです。ですが、それもルートと時間を事前に調べられたら終わりです。

こういった対策を打つのはいいですが、「やってます」感になってはいないか?ふわっとした「安心・安全」感の提供で終わってはいないか?と疑問をもってしまいます。

これによってどれだけ被害が防げたのかの検証はたぶん、やるつもりも無いと見ています。
ですから、次に同様な事件がまた狛江市であった場合、市長は責任を取って辞職するつもりもないと見ています。

先ほども書いた通り、防犯カメラは事後に使うものです。事件は起きてもよいが犯人は捕まえるというものです。ならば、少なくとも、犯人検挙はできるつもりなのですよね? たぶんそれも無理でしょう。

他の市町村からモデルとされる対策が狛江市にできるか注目です。そこまで真面目にする気があるのかも含めて。

これはつまり、
手っ取り早く混沌から逃れて、大丈夫と思い込むための政策になってはいないか? と気になっているのです。


4つ目

あえて書きます。
本物の宅配なら安全なのでしょうか?

もしも強盗を起こすような人物が普段宅配(食品配達含む)で働いていて、
お金持ちそうな家を見つけて、部屋には金目のものがあって、住人は弱そうに見えて、

そうなって欲しくはないのですが、可能性としてはあるんですよ。

こういう混沌な話をタイプ6な日本人は聞きたがりません。ですが、今、混沌が実際に起きて騒いでいて、混沌に向き合えている今のうちに考えておくことも必用だと思っています。



どうでもいい蛇足
昔の日本のように放し飼いの飼い犬や野良犬が徒党を組んで町を闊歩していたら、それがパトロールになると思ったり。いや無理なんですけども。
昔の話を読んでいると、子供のころ、学校が終わったら野犬3匹と遊んでいた、なんて話が出てきます(後に保健所につかまってしまうのですが)。日本では現実的ではなくなった話だとは思っています(日本の山中では、回収できなかった猟犬などが野犬化しているという話はあるそうですが・・)(海外で暮らしていたとき、現地にならって外で放し飼いしていた話は最近も新聞で読みました)。

さらに蛇足
今回の、昼間の宅配を装った強盗ですが、もしもセコムに入っていたなら、宅配強盗でも防げたのかが気になりました。


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