「昔のツケを全く知らない僕らが払わされている気がする」で思ったこと

『昔のツケを全く知らない僕らが払わされている気がする』

内容は、

よく「昔は東京でも富士山が見えたんだよ」とか、「数十年前の8月の平均気温は今よりもぐっと下回ってる」という言葉を耳にするが、その時代にやっていたツケが今回ってきてるんじゃないのか?

というもの、
これへのコメント

そのセリフ、途上国の人たちのほうがよっぽど同じこと言いたいよな。先進国は環境破壊しまくって経済成長謳歌したくせに、これから発展しようという国には環境保護だの排出規制だの押しつけるの、さすがに怒るわな

というのに同意するのだけど、
大きくツケで言えば、今だって別の過去のツケを払っている面がある。

以前にも取り上げた話だけど、
あるときの日本経済新聞の書評欄では、『対米従属の構造』(古関 彰一(こせき しょういち)著|みすず書房)という本が紹介されていた。
評者は歴史学者の成田龍一氏。

昨年から今年にかけ、日本とアメリカの政権のトップが相次いで交代した。しかし、日本とアメリカの関係の基本線は維持され変わらない。著者は、この関係を戦後の射程で「対米従属」ととらえ、その構造と推移を考察した。そのため(日本の)「従属」、(アメリカの)「属国」など、目に痛い文字が本書を貫く。

密約によって国民主権が破壊されるが、そのことがまかり通ってしまうとともに、「安保が第一、憲法が第二」という合意が、立法・行政、さらには国民レベルにまで定着していることをあわせ述べる。

冷戦後、戦争形態が変化し、有事法が次々と誕生するこの30年間、「われわれは『見るべきものを見なかった』」との思いにもとづく一書である。


日本は、混沌に触れたがらず、臭い物に蓋をして、やり過ごしてやり過ごして生きている。

受験試験で良い点を取ろうと思ったら、点を取りやすい問題をまず徹底的に解いて、時間がかかる難問は後回しにするようなことをしている。

それで、時間のかかる難問は時間がかかり過ぎるがゆえに、未来へ先送りする。

「われわれは『見るべきものを見なかった』」
これは、現在も進行している お話。

先ほどの話以外にも、例えば、原発の廃棄物問題だって未来の人からすれば、それが電気を生むわけでもなく。ただただ厄介な猛毒のゴミを押し付けられることになる。その費用だってかかり続け、国の歴史から見れば永遠とも言えるリボルビング払いを強いられる。

「昔のツケを全く知らない僕らが払わされている気がする」
これは未来の若者から我々が言われる言葉でもあることを自覚しておいたほうがいい。

つまり被害者であり加害者であるということ。
ちにみに、加害を減らすことはできる。今、努力をすれば。メルトダウンした福島の原発が気になっている。


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