あえて違う見方で北方領土

「ソ連崩壊のあのときが北方領土を取り戻すチャンスだった」と後から言うのがアリなのであれば、
たぶん後日、
「ウクライナ問題のあのときが21世紀で唯一北方領土を取り戻すチャンスだった」と言われる可能性。

つまり、過ぎたあとに、過去に責任を押し付ける。


橋下もテリー伊藤もウクライナにおいて「一旦逃げて後から取り返せばいい(大意)」と言うが、
その両氏ですら北方領土に関して「今が我々の国土を取り戻すチャンス」「国土を守りに出かけよう」「ウクライナ問題においてロシアへの揺さぶりにもなる」とは言わない。

今の日本には“右翼”はいない。“口先だけの右翼”すらいない。
みなさん物分かりが大変良ろしくってお行儀よろしおすなあ(偽京言葉)。


https://twitter.com/karizo2022/status/1509894208102203393

78/80
ベネチアの話をしよう。ナポレオンが来たとき、彼らは発砲せずに降伏した。非常に賢く、命を救い、街を守った。ただ、ヴェネチアの神話を殺した。人々は生きながらえたが共和国は滅んだ。共和国は復活せず、今後も復活することはないだろう。

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往時の軍事理論家はそれを理解していた。クラウゼヴィッツは、独立を失ったかどうかだけでなく、どのように失ったかが重要だと指摘した。もし戦わずに降伏したなら、命は助かるかもしれない。しかし、あなたは神話を殺したことになる。征服者に飲み込まれるのみだ。

80/80
しかし、残酷で血なまぐさい戦いの末に負けたとしても、あなたがたの神話は生きている。最後の戦いの記憶は時代を超えて生き続ける。それは、あなたがたの子孫が生きる神話的空間を形成する。そして、彼らは機会あるごとに独立を回復しようとするだろう。


日本は、北方領土帰属の神話を殺したのでないか?特に安倍と支持者が駆け抜けた近年。なんていったって「北方領土はわが国固有の領土だ」「(北方領土がロシアに)不法に占拠され」という表現を一時いっときにせよ“自ら”止めたのだから。
だから、機会あるごとに領土を回復しようとしようとする動きはもう無い。
神話は殺された。


最近のツイッターにはこういった投稿もあった(全ては読んでいない)。

https://twitter.com/karizo2022/status/1510870314682818561

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国が未来を築いていれば、人々はそれに邁進するものだ。しかし、そうでなければ、過去に取り憑かれることになる。


この話の見方を変えれば、今、日本が北方領土を取り戻すのに積極的になれないから、過去の理由に取りつかれているのだと見ることもできる。過去に理由を探しそれに依存している。
「あのときチャンスがあったのに」とすることで、今しない免罪符とする。

もう北方領土奪還のためにリスクは負いたくない。
日本中探しても動きが無い。
神話は殺されたのだ。

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