自分で解決のタイプ1話から 昨今の日本の話へと

以前にも書いた話だが、
タイプ1の知人が仕事における愚痴を言っていたことがある。
業界の慣習についての愚痴だった。
そこで、私が何気なく、悪いやり方を正して(昔のアメリカ海軍だった記憶)、たたえられた男の話をしたところ、
急に声が明るくなって、
「オレもそこまでやらなくてはならないんだね」
と言ってきたことがあった。
私としては、そこまで求めるつもりが無かったので、言葉を失っていたら、
再度「オレもそこまでやらなくてはならないんだね」
と言ってきた。

エニアグラムのタイプ1は、『改革する人(ドン・リチャード・リソ)』とも呼ばれる性格である。

こういう態度の先に、『改革する人』があるのかも知れないと思ったものだ。


リソとハドソンのレベルにおいて、
タイプ1が健全から通常へ落ちるときの指標には
「全て自分で解決しなければならないという、個人的責任感と義務感を感じはじめたら」
というものがある。

あのときの彼は、通常のタイプ1として、
「全て自分で解決しなければならないという、個人的責任感と義務感を感じ」ていたのだ。
今になってそう思う。
その「個人的責任感」と「義務感」の先に、状態が良くなれば『改革する人』として花が開くのだろう。


よくネットで自らをタイプ1と称する者がいるが、
この通常部分がタイプ1なのかで気になることがある。
文句や小言を言いたいから、「べき」のタイプ1をかたってはいないか? なんて意地悪に考えることがある。

少なくとも、リソ&ハドソンのタイプ1には該当しないタイプ1の人がネットにはそれなりにいるように思っている。


蛇足(というか、ここからの部分を書きたかったというか)

タイプ6は、タイプ1的な
「全て自分で解決しなければならない」
という感覚が無い。

タイプ6が健全から通常へ落ちるときの指標は
「自分の外にあるものに、導きを求めて依存しはじめる」
である。

言い方を変えれば、
タイプ1が「自分の力をあてにする」
タイプ6が「他人の力をあてにする」
となる。

そして日本はエニアグラムのタイプ6の国である。

昨今、日本においては、いろいろと問題が可視化されているが、
それらの問題に対して、
「全て自分で解決しなければならない」
なんて態度の日本人の主張なんて見たためしがない。

それよりは、誰かに解決を託す発言のほうが多い。
日本人は「他人の力をあてにする」。

不思議なのは、
海外の あるエニアグラムのサイトでは日本をタイプ1としている投票が圧倒的に多い。
これは、リソ&ハドソンとは違う流派のエニアグラムなのか? なんてことも考えてしまう。

海外からは真面目に見えているのかも知れないけども、その実、「他人の力をあてにする」のが日本人というものだ。


さらに蛇足的なことを書く

この前取り上げた文章の中に、
「いまジャニーズの現役アイドルが被害者として声を上げ、それを女性ファンが応援するという姿こそが、社会を変える本来の姿ではないでしょうか」
「現役アイドルの告発と、それへのファンたちの支援が、日本を変えていくと私は思っています」
というのがあって、
これは正論だと思うのだけど、
この文章の中のどこかにタイプ6的な「他人の力をあてにする」が入っているようにも思ってしまう。

たぶん、
『NHKにテレ朝も…ジャニー喜多川氏「トイレ性加害」の裏でマスコミに出回る「大物OBとの密着写真」』

にあった、

そんな中、性加害の決定的な証拠について、実は水面下でスポーツ紙などの一部メディアに持ち込まれている。そこには大物ジャニーズOBとジャニー氏が密着して写っているが、スポーツ紙芸能担当記者によると

「ジャニーズOBへの配慮から表に出すことはできない。仮に本人が希望したとしても、ショッキングな写真であるため掲載は無理だろう……」

という記事の内容と関連あるのだろうと思っている。

今のところ本人の許可なしには表に出せない「性加害の決定的な証拠」写真。

「現役アイドルの告発」とは、そういったものも含めて言っているではないだろうか? 取材の中で、いろいろと他にも話が上がっているのではないだろうか?


「現役アイドルの告発と、それへのファンたちの支援が、日本を変えていく」
は理想だとは思っている。
でもそれは、無理強いできないものでもある。
だから「他人の力をあてにする」は、ほどほどにしておいたほうがよいと思っている。

日本はタイプ6の国だと書いたが、タイプ6の特徴は他にもある。
その特徴のひとつに、「最終手段に飛びつく」というのがある。
未知や混沌を嫌うタイプ6は、その状態に長時間いることを嫌う。
なので、結果がすぐに出ない小さな積み重ねを嫌うところがある。

それで、「現役アイドルの告発」という(現状で考えうる最短距離の解決である)最終手段に飛びついているようにも見えてしまう。
これもタイプ6的な動きだ。

だが、この最終手段は、他人に痛みを求めるものだ。

だから、まどろっこしいかも知れないが、タイプ1的な「自分の力をあてにする」でもって、自分の取材力だけで当分は戦って欲しいと思っている。
それで少しでも言いやすい状態にもって行って欲しい。

現役アイドルではないにせよ、ここまで告発が増えたのは、この引用の発言をしたかたを含めて、雑誌を始めとするメディアの頑張りがあってこそのものだ。
そこに誇りを持ってもらって仕事を続けていってもらいたい。
当分、現役からの告発は無いかも知れないが、そこはもう他人に期待をすることなく進んでいくしかないと思う。


(ここからは、ですます調)

なんだか蛇足とした文のほうが長くなってしまいましたが、
この問題で踏ん張っているメディアのかたが社会の問題をあきらかにしたことで変化を起こしたい思いです(女優のん の問題を見ても分かる通り、本当の変化は起きていないという認識です)。
それと同時にタイプ6社会に生きる自分達の傾向として、「他人の力をあてにする」「最終手段に飛びつく」ことの自覚も必用だと思っています。

別にタイプ1の「全て自分で解決しなければならない」が良いとも思っていません。
これを日本のタイプ6社会で行えば、衝突がものすごいものとなります。
タイプ1のかたや、タイプ1的なかたが、前例踏襲の日本社会の壁に立ち向かい深い傷を負うことに対しても心配をしています。

各々自覚をしつつ、少しでもより良い方向に向かっていきたいものだと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?