ヤマビル問題から思ったこと

少し前に、『ジャストインタイムに生きていくのか?』において、
「危機対応がカンバン方式になっている」
と書いて、
外国人危機管理専門家の
日本人は『もし何かが起きたら』という発想に乏しいと感じられます
「もし犯罪者やテロリストがあなたに銃を突きつけてきたとしたら、『時すでに遅し』です」
という言葉を紹介しましたが、
ヤマビルが今、問題になり始めているようです。

元々は山中に生息していたが、シカやイノシシなどのひづめに潜んで拡散したといい、近年は人里や田畑にも出没するようになった。県は独自の対策マニュアルを作成し、服装対策や忌避剤の使用を呼びかけている。


これで気になったのは、積極的対応では無く、消極的対応を取っているところです。
積極的対応で、ヤマビルを減らそうとするのではなく、
消極的対応で「防御する」「忌避剤をまく」という対応を取っているところです。
たぶん予算が無いのだと思います。

また、エニアグラムのタイプ6の国・日本で説明すると、正解が分からない混沌や未知に極力関わりたくないのだと思います。
エキノコックスにおける愛知の対応のようなものです。

これは、日本人としての国民性なので、一般人から、お役所まで一貫した傾向となります。日本人は、嫌な話は聞きたくないし、問題は見たくない。ギリギリまで問題を扱いたがらなくて、どうしても対応しなくてはならないときには、嫌々最低限の対応で済ませようとする傾向があります。
「危機対応がカンバン方式になっている」のです。

そして仮に、それに積極的に対応しようという人や意見が出ても、それをつぶすことさえ起こりえてしまいます。面倒な混沌に関わりたくない。それをすることで評価されないならなおのこと問題に向き合いません。そのようなものに関わろうとする人を「(混沌に近づく)面倒な人」と見る傾向すらあります。
何か起こる前の、問題提起は嫌われます。それは、役所においても、その利用者においても、混沌とした話に向き合うことを嫌う傾向があります。

それで“今”があるわけです。

この話において、問題が広がる前にヤマビル対応を成功させた自治体があれば、その話を知りたいです。
メディアにはそういった取材を期待しています(この記事を出した読売新聞には、引き続きの取材を期待しています)。



少し個人的な感想を書かせてください。
この記事の舞台になっている栃木には、「鹿の湯」という名の温泉があります。
もしかすると、昔はこういった温泉で、動物がヒルやダニを落としていたのかも知れないなんて想像してしまいます。
もしも、そういった知恵を野生の動物が身に着けられるのであれば、例えば塩水の水浴び場を山奥に設ければ、動物たちが利用するかも知れないとは思いました。ただ、そうした場合、塩害の調査も合わせて必用だとは思っています。ほかにも、後で紹介するヤフコメを見ると、塩分などのミネラルが豊富になると(ヤマビルを運ぶ)鹿が増える可能性もあるようです。そういった諸々も加味して対応せねばならず問題は簡単に解決しなさそうです。

また他のヤフコメを見ると「人(登山者)がヒルを運んでいる」という意見もあります(該当するヤフコメはこの文章の最後のほうで紹介します)。この部分の対応も今後必用になってきます。
登山者の規制や、下山者のヤマビル・チェックが必要になってきます。またヤマビルが出るゴルフ場でも同様な対応が必要になってきます。これをおろそかにすると、どんどん生活の場にヤマビルが入ってきます。
ここに人員とお金をかける必要があります。それを“今”できるかどうか? 人民が金銭や面倒くさいことを支持できるかどうか? それが重要になってきます。

こういったものは後になるほど対応が困難になります。
また、こういった対応は試行錯誤が必要です。
ただ、タイプ6日本は、減点思考で失敗が嫌いです。
こういった失敗や試行錯誤を嫌う国民性も対応を難しくしていると思っています。


最後に蛇足です。
これ、ヤフーのコメントも大変参考になるので、それを載せておきたいと思います(軽く見て目に入ったコメントのみです)(文章は任意で編集してあります)。

・対策

山ヒルやマダニと言った虫を捕食してくれるキジやウズラ、ヤマシギ等の野鳥を増やすべきと考える。
山ヒルの出るところでは彼らを見かけないからね。

(2022/05/15追記 ネットで調べてみたところ、これといった天敵はいないようです。また、ヤマドリやキジが吸血対象となった例も確認されているとのことです)

基本的にヤマビル対策は、シカやイノシンなどを減らす事が重要になってきますね。

(2022/05/15追記 ウィキペディアによれば、「一般には、シカやイノシシが主な宿主とされている。他にツキノワグマ、ノウサギ、タヌキ、ニホンカモシカ、ニホンザルなども吸血されることが確認されており、ヤマドリやキジが吸血対象となった例も確認されている」とのことです。
人里におりてきたら、あらゆる血のある生き物が対象になりそうです。
雨上がりの犬の散歩でくっついてくる可能性もありそうです)

シカやイノシシ等の野生動物が、越冬時に低体温で凍死しにくくなったことで、野生動物の個体数が増え、ヤマビルの移動がしやすくなり拡散している。
冬場の野生動物のミネラル摂取元となっている融雪剤を、塩化物系以外のものに変える必要がある。

下草や落ち葉の処理をこまめにするのが一番良いんですが、

2022/05/15追記
ウィキペディアによれば、
「神奈川県の報告書によると、弾力に富み、且つ丈夫で、引っ張ってもちぎれず、踏んでもつぶれないと表現されるほどである」とのことで、物理的に殺すのは簡単ではないようです。
ヤマビルの被害がある神奈川県が調査をしてるのは良いことだと思います。見直しました。神奈川県。
また、ウィキペディアには、
「近年の人里での増加から、薬物などによる防除も行われているが、決め手は今のところない」
「放置された雑木林では湿気を少なくする里山としての整備が、シカとヤマビル対策になると考えられている」
とも書かれていました。
追記ここまで。


・運んでいるのは鹿だけではなくて人だという意見も

シカとかの野生生物だけのせいじゃなくて登山客等が増えたから生息域拡大してるのよね。
登山ブームだかなんだか知らないけど迷惑な話だよ。

神奈川県の大山をトレッキングしたときに下山してからヒルに気づきました。靴の紐を締め直すときに何だろうと口にしたら,あっ!ヒルだの声。その時同行した21人全員にヒルが付いてた。剥ぎ取ったりアルコールで落としたりして踏みつけたが潰れない。通りすがりのおじさんがヒルを其処に捨てないで!と声を上げた。家から塩を持ってくると言う。
雨で濡れた山道を歩くのが恐怖になりました。


・ヤマビル専門家の話

山ビルは、鹿等の影響も多少ありますが、集中豪雨により雨とともに麓に流れてくるという説を、山ビル研究会さんが長年の調査研究として著書に発表されてます。
山ビル地帯の中山間地域に住む自分の肌感覚とも合致しますし、ミクロレベルでの生息地(法下、谷筋、中腹のスウェイルなど)を考えても、正しいと感じてます。


・こういった意見も

ヤマビル生息地域在住です。
食塩水もしくは食塩でのガードが流行っていますが、
鹿が塩分摂取のため舐めるのに寄ってくるようです。
畑周辺に巻いた食塩を舐めているのを実際に見た事あります。

登山等で足元にスプレー等で使うのは問題無いと思いますが、
山が近い住宅等の周辺に大量の食塩をまくと、鹿が近づいてきて
ヒルを落としていく遠因にもなってるんじゃないかなと。

他の野生動物が同じ理由で寄ってくる可能性もありえますよね。


・被害地域

私も先週、栃木県の佐野市の熊鷹山に登ってヒルに2カ所やられた。

茨城のゴルフ場でもいました。暑い時期で短パンの時、林に入れてボール探して返ってきたらヒルが2匹ついてました・・・

ヒルの出現には鹿が関係していたのですね。20年以上前に千葉県の南部で鹿が増えたとき、ヒルが人家に出現するようになり、昔の言い伝えにもあったそうですが、その当時は因果関係が明確で無かったですが、やっぱり。

山ヒルの多い神奈川秦野地区でのゴルフは、ヤマビルファイターをシュコシュコしてからプレーしてます。

神奈川の松田にあるゴルフ場にこれからの高温多湿時期にヤマビルは沢山出ます。このゴルフ場には鹿が沢山いますが丹沢は鳥獣駆除できないのでドンドン増えた鹿がヒルを運んできます。

神奈川のゴルフ場でもヤマヒルがすごいです。特に落ち葉をしっかり清掃していないゴルフ場はたくさんいます。靴下とゴルフ靴には薬剤をスプレーして靴下から侵入されないようにしています。ゴルフ場のお風呂に入ると、出血した靴下がゴミ箱に入っているのを見かけます。

岐阜県西濃地方です。鹿や猪が出没する地区には ヤマビルは間違いなく生息すると思ってて下さい。

三重になりますが鈴鹿山脈はヒル多いですね〜

伊吹山山系、養老山系は鹿などの野生動物が多いため、ヤマヒルが多いです。暑い時期など足を冷やそうと川に足突っ込むといつの間にか食われます。

滋賀経由で関ケ原とその近くにある竹中半兵衛の城跡に登りましたが、
妻がヤマビルにくるぶしを喰われました。

鹿と熊居るから
普通に山ビルとダニは多い
滋賀京都の境目あたりです
上からもボトっとくるし
足元からも登られて車に乗って背もたれにもたれた時に腰に冷たいモノがぶにゅっとする感じで気付きます。道が少し湿り気多い沢と交差してる程度のとこ数分歩いただけですが。

(2022/05/15追記 
「上からポトっとくるし」に関して、これは間違いのようです。
ウィキペディアより

ヤマビルは『木に登って通りすがりの獲物にくっついてくる』あるいは『樹上から獲物をめがけて落ちてくる』とはよくいわれる話で、さらには『樹上で狙いをつけると体を大きく降って飛びついてくる』と言った話も聞かれるものであるが、どうやら全て根拠のないものであるらしい。
(略)
樋口(2021)はこの点を本の題名に取り上げている。この書は著者が三重県の自然学習体験プログラムに参加し、その中で子供達とヤマビルに遭遇し、興味を持ったことから『子どもヤマビル研究会』を立ち上げた活動の顛末記であるが、
(略)
なお、この研究について発表した場でも『そんなはずはない、木から落ちてくるのだ』と主張する人は後を絶たず、具体的にこんな風に実験したのだと説明すると驚かれ呆れられ、それでも『でも木から来るもんな』と言いつつ立ち去る人が少なくなかったという。ちなみに研究会の子ども達はウィキペディアも確認しており、本記事から『上から落ちてくる』という記述が消えたときには歓声を上げたという。この件は『探偵ナイトスクープ』でも取り上げられ、2020年7月24日に『ヤマビルは木から落ちてくるか』で放映された。

人里にまでちらほら出るようになり、困ったものだと思っています。
ちなみに兵庫県です。

兵庫県の夢前町で山登りしていたら、いつの間にかパンツの中にゴルフボールのようなものが入っていて、不思議に思って中を見たら、血を吸ってパンパンになったヤマビルだった…という話を友人から聞いた。

真夏に鳥取のある河口でルアー釣りしていたら、やられました。足かゆいなぁって思ったら、血だらけで。。

宮崎鹿児島の県境にある、えびの高原周辺は鹿が多いね
場所によっては山ビルの宝庫


・その他、個人での対応策など

佐々木洋(ささき隊長)プロ・ナチュラリスト(プロの自然解説者)

ヤマビルの被害を最小限にするには、生息地を歩くときは、ズボンのすそを靴下の中に入れ、長靴を履き、長靴の口をガムテープでとめます。さらに、長靴全体に食塩水をかけます。「狭い道で車をよけれるため、道のはじに立っているとき、自分の足元もよく見る」、「イヌを抱き上げるとき、肉球のまわりをよく見る」、「地面に置いたリュックサックを背負う前に、地面についていた部分をよく見る」ことも重要です。

デニム生地の上から 吸われた事が あります

山登りしていたら、いつの間にかパンツの中にゴルフボールのようなものが入っていて、不思議に思って中を見たら、血を吸ってパンパンになったヤマビルだった…という話を友人から聞いた。

ヤマビル生息域で生活しています。乾いた地面ではほぼ被害にあうことはないですが、なにせ全く痛くないので気づきにくいのが憎たらしいです。気づけばすでに血だらけなんてこともよくあります。体質にもよりますが、私は気づいて引っこ抜くとヒルの口が皮膚に残り、10円程度の大きな水ぶくれができ、一週間くらいかゆくて、収まると一生残るアザができてます。引っこ抜かずに塩やバスマジックリンなどのヒルが嫌がるものをかけて、自ら落ちてくれるように仕向け、傷口から毒を絞り出すと症状は軽くなりました。

塩で弱らせてからヒルをむしり取って、傷跡を徹底的に水で洗い、さらに嚙まれたところを水につけて絞り出すと、かゆみは残らず2~3日で治った

他の方々も言及している通り、噛まれたら塩やライターで剥がすのがよいです。
他にも10倍希釈したお酢も予防に効果がありますが、少し臭うのと、一定時間でまた吹き付ける必要があるのが難点ですね。

ライターで炙るとかあるけど、一歩間違えたら火傷するからあまりオススメはしない。
塩が一番安価で用意しやすいよ。

喰われたらエアーサロンパスをひと吹きするとポロッと落ちます。

山へ多人数で入るときは必ず先頭を行くといいです。絶対に後ろの人はやられます。
人のはく二酸化炭素を感知するらしいです。私は必ず人と3m以上は離れて歩くようにしています。それから 10%食塩水を作って足元にスプレーします。夏に山に入るときはペットボトルに食塩水を入れて時々足にスプレーして歩きます。
山でも石灰岩質の山や北向きの山はヒルが多いです。
半ズボンで山に入る人がいますがヒルも含めマダニやマムシもいます。私にとって考えられないことです。

ヤマビル生息地域の山を散策したことがある。山に入る前に、長靴を履き、靴に忌避剤を念入りに塗る。スニーカーでは紐の隙間から侵入される。
山の小川横の湿った小道では、3,4cmのヒルが立ち上がってふらふら取り付く相手を探している。それが20cmぐらい毎にいる。ちょっと見で何十匹も目に入ってきた。

群れでした。環境教育研修だったので、逃げられませんでした。

夕方、散策が解散する直前、ふと前の女性の方を見るとTシャツに真っ赤な10cmぐらいのシミ。慌てて女性とトイレに行ってTシャツを脱いでもらった。するとコロコロに太ったヒルがポロッと落ちてきた。すぐに靴で徹底的に踏み潰した。
夕方、散策が解散する直前、ふと前の女性の方を見るとTシャツに真っ赤な10cmぐらいのシミ。慌てて女性とトイレに行ってTシャツを脱いでもらった。するとコロコロに太ったヒルがポロッと落ちてきた。すぐに靴で徹底的に踏み潰した。
咬み傷は痛くないし、特に病原菌もないとのことだが、血がなかなか止まらず、じわっと滲み出て広がった。

以前、ヒルが多いと聞く霊仙山(鹿などの野生動物多し)に、梅雨前だから大丈夫だろうと登ったとき、数えきれない程のヤマビルの攻撃にあいました。山頂手前ですれ違った方から足にヒルがついていると教えられパニックとなりパートナーに取ってもらいました。2~3匹ついていたようで、ズボンの中まで脱いでチェックする始末。
下山の際、一番危ぶまれた湿地の登山道に差し掛かるとヒルがビュンビュン飛んできました。ヒルがジャンプ出来るなんて!泥沼化した登山道の両脇地面に大量に潜んでおり、人間目掛けて何十匹もビュンビュン飛んでくる様は、ヒルの噴水!!もうキャーキャー悲鳴を上げながら死に物狂いで登山口まで走り続けました。転んだらヒルの餌食になると恐怖にとらわれながら、地面になるべく足がつかないように飛ぶようにして駆け下りたのですが、あんな能力発揮できたのはまさに奇跡でした。


2022/05/15追記
蛇足的な感想です。
ウィキペディアには、
「梅谷献二は、この他に、生息地域へ入る観光客の増加が原因の一つではないかと述べている。梅谷によると、ほ乳類の個体が高い頻度で吸血されると抗体ができ、抗体を持つ血液を吸ったヒルは死滅して、ヒルの個体数を抑制する作用があると考えられている。一方、ヒルと接触する機会を持たなかった観光客が多く来ることにより、ヒルは抗体に阻まれることなく増殖できたのだろうという」
との記述がありましたが、これが本当かは疑問に思っています。個人的な意見です。
「抗体を持つ血液を吸ったヒルは死滅」なんて、そのようなことがあるのですかね。

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