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ゼロから始めるパイオニア【ディミーアナーセット】※前編

初めましての方は初めまして。それ以外の方はお久しぶりです。
カードゲームおじさんです。
MTG歴はそろそろ8年ぐらいになります。主だった戦績はありませんが、BMOやグランプリなどである程度マネーフィニッシュをしていたので絶望的に弱いということは無いと思います。

友人から「次のコンベンションはパイオニアだから練習しよう」と誘われて半年ぶりにMOを起動したら想定外に強いデッキに出会ったのでほんの少しだけ解説をしたと思います。

前編ではデッキそのものの動きと有利なデッキへの立ち回り
後編ではトーナメントでよくみるデッキへの立ち回りを説明していきたいと思います

サンプルデッキです。goldfishや晴れる屋さんにレシピがあると思います。


私は1個のデッキを使い、1か月で5回5-0をしてポイントを稼ぎました

ディミーアナーセットというデッキについて


残酷なコンボ

基本は青と黒のコントロールデッキであり、圧倒的な優位性を築くための《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》+《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》コンボが搭載されています。

これが決まればこちらは手札が7枚、対戦相手は1枚の手札からゲームをやり直すことになります。
コンボにしては確殺ではありませんし、盤面には大きな影響を与えない上に、速度も速くないためリストの見た目からは強さが伝わりにくいと思います。
このデッキの強さはコンボ以外の柔軟性にあります。
《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》以外のカードは全て通常のコントロールデッキ(パーミッション)に採用されていてもおかしくないため1対1交換を繰り返すことができるようになっています。
お互いにリソースが減って来たタイミングでこちらだけ手札7枚になる。カードゲームにおいて手札が多いことは圧倒的な優位性を約束します。
コンボ以外は本当に純正のコントロールデッキなので環境の理解、メタゲームに左右されます。
このデッキで勝つためには回数をこなしてゲームそのものの理解度を上げてみて下さい。


2種類のロックカードは若干挙動が違うため《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium(EMN)》の使い方に注意

パイオニアという環境における《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》


このデッキの強さの8割は《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》が担っています。
これはパイオニアにおけるいくつかのデッキが1ターンに複数のドロースペルをキャストすることに起因します。
・ロータスコンボ
・ニクソスランプ
・5cエニグマ
・イゼットフェニックス

これらのデッキは複数のドロースペル(ニクソスの場合は《ビヒモスを招く者、キオーラ/Kiora, Behemoth Beckoner(WAR)》)をキャストすることがデッキを正常に回すために必要なためナーセットが場に残り続けると機能不全を起こします。
あの手この手でこの3マナPWを始末しようとしてくるため、こちらはナーセットをどの程度守るかの判断を適宜行わなくてはいけません。
次項ではナーセットの守り方とこちらの能動的なアクションについて解説します。

対イゼットフェニックス

数多くのドロースペルと内包しているためデッキの構成上は相性がいいですが、除去が腐りやすくナーセットの雑な使い方をするとあっという間に負けてしまいます。

考え方は2通りです
・1マナドローを3連打して3ドローを無駄にしてくれるなら忠誠値を3に
・4マナからフェニックスをキャストしてくるなら5のまま

ナーセットは蓋をするよりも、手札の差を作り出す運用が主な使い方となります。
軽量ドローを封じることで目的のカードへのアクセスを遅らせることがマッチアップの基本的な考え方になります。


直接火力に関して基本的に1点なので忠誠値を3まで減らしても大丈夫です。
ナーセットに使ってくれるならそれ以降の《概念泥棒/Notion Thief(ZNC)》に対して使えるカードが減ってくれるので今後の行動を助けることになります。
手札の枚数から最大何点までのダメージが飛んでくるか予測しながらプレイしましょう。


カウンターや除去の使い方は盤面に影響されますが、《否認/Negate(M20)》の対象は基本的には《パズルの欠片/Pieces of the Puzzle(SOI)》です。

サイドボード
IN
・《神秘の論争/Mystical Dispute(ELD)》+2
・《サメ台風/Shark Typhoon(IKO)》+1
・《否認/Negate(M20)》+1
・《概念泥棒/Notion Thief(ZNC)》+1
・《絶滅の契機/Extinction Event(IKO)》+0~2
・《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(SNC)》+0~2

OUT
・《煤の儀式/Ritual of Soot(GRN)》-2
・アーティ-1
・《パワー・ワード・キル/Power Word Kill(AFR)》-1
・《検閲/Censor(AKH)》-2~4(後攻なら-4)

《絶滅の契機/Extinction Event(IKO)》は偶数を選択すれば相手の全てのクリーチャーをリムーブできます。《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix(GRN)》をハードキャストするようなゲームメイク(こちらが先手の場合)では有効ですが、マナの面で不利であればただの大振りなスペルです。
《神秘の論争/Mystical Dispute(ELD)》に引っかからないなどの利点もありますので3本目先行の場合は強力な1枚となります。

余談なのですが墓地が相手の重要なリソースのためナーセットや概念泥棒がいない状況でも《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》はキャストして大丈夫です。

対ロータスコンボ


ここの2枚だけ気を付けてください以上!
《思考のひずみ/Thought Distortion(M20)》はどう気を付ければいいのかという話もありますが、下記のポイントだけ気を付けていれば大丈夫です。

・《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》の忠誠値を5のまま維持
・サイクリングランド、竹沼を意識的に手札に残す
・《時を越えた探索/Dig Through Time(UMA)》でサイクリングランド、クリーチャーを積極的に探す。

それ以外は流れに従って《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》コンボを決めてるだけで有利な盤面を構築できます。

サイド
OUT
・《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》-4
・《煤の儀式/Ritual of Soot(GRN)》-2
・ローナの渦-1

IN
・《サメ台風/Shark Typhoon(IKO)》+1
・《概念泥棒/Notion Thief(ZNC)》+1
・《否認/Negate(M20)》+1
・《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(SNC)》+2
・《神秘の論争/Mystical Dispute(ELD)》+2

サイド後は《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance(TSR)》や《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned(MID)》が勝負をひっくり返す可能性があります。
《悪意の熟達/Baleful Mastery(STX)》と《パワー・ワード・キル/Power Word Kill(AFR)》のウェイトが大きくなりますが初手では不要かつ、《思考のひずみ/Thought Distortion(M20)》でリムーブされると後半の展望が大きく変わるためマリガンしてでもデッキの底に隠した方がいいでしょう。


※他のマッチアップは後半に

デッキの採用パーツについて

復活したアーテイ/Ertai Resurrected

コントロールデッキに対して強くなり、ビートダウンに対して弱くなるカード。
《概念泥棒/Notion Thief(ZNC)》や《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》がいればノンデメリットです。
相手の《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》や《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(IMA)》を処理出来るのが他のカードに無い魅力です。
特にロータスコンボ相手は《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City(NEO)》と《思考のひずみ/Thought Distortion(M20)》両方をケアできるので重用します。

《検閲/Censor(AKH)》or《ジュワー島の攪乱/Jwari Disruption(ZNR)》

3ターン目には3マナ欲しい。6ターン目には6マナが欲しいためタップインランドになる可能性があるカードよりもアンタップインランドよりもUサイクリングの方が個人的には好みです。
ただ土地が4枚で止まって負けるゲームも何度か経験しているため《ジュワー島の攪乱/Jwari Disruption(ZNR)》の方が長期的に見たばあいは有効かもしれません。
とはいえ《時を越えた探索/Dig Through Time(UMA)》があるため能動的なアクションの方に軍配が上がります。

《悪意の熟達/Baleful Mastery(STX)》


墓地をデッキに加えて切りなおすためリムーブ除去は重要です。
相手の《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(WAR)》は手札差が1枚ついてでも除去したい1枚ですので、3枚採用してもいいかもしれません。
枚数はメタゲーム次第ですが、最低枚数は2枚でそれ以上減らすことはできません。

《煤の儀式/Ritual of Soot(GRN)》

白緑天使、グルール機体、ラクドスなど現在のメタゲームで中心を担うデッキに対して有効です。
白単人間に対しても有効ですが、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(A25)》や《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy(KHM)》が立ちふさがるため適宜1マナの除去は温存しましょう。

《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard(DOM)》が厄介だったので《ヤヘンニの巧技/Yahenni's Expertise(AER)》も試したのですが、タフネス4のクリーチャーが除去できなかったため結局《煤の儀式/Ritual of Soot(GRN)》になりました。

マイナス修正と追加プレイは魅力的

《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth(V12)》


採用することでU→U→UというランドセットからでもBBが捻出できるようになります。
青白コントロールの《廃墟の地/Field of Ruin(MID)》で大損する可能性があることと、ラクドスのマナをサポートするので不採用です。
些細なことですがニクソスランプがBBBを捻出してボーラスをキャストできる可能性が上がってしまいます(《宝物庫/Treasure Vault(AFR)》の起動マナが軽く済みます)

サイドの1マナ除去


白単人間メタ


スピリットと人間両方に対応できる

サイドに1マナの除去を最低2枚は用意しておきたい。
選択肢は6種類ぐらいあるため、どれを採用するかはメタを見て考えましょう。
個人的には除去の幅が広い《切り崩し》が最有力だと思っています。

予顕


《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》をそのまま打つタイミングである程度の優位性を築けるメカニズムです。
環境の速度が1~2段階ぐらい落ちた場合採用されます。


《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》を適当に撃つタイミング

最後に《一日のやり直し/Day's Undoing(ORI)》をそれのみでキャストしてもいいタイミングがあります。
非常に限定的ですが以下の条件が重なっている場合。相方を待つよりもそれのみでキャストした方が強力です。
・先手3ターン目
・キャストした際にこちらの手札が2枚以上増え、相手は1枚以下である
・マナの差が3マナ以上

よくある3マナ2ドローソーサリーよりも強いなら使ってしまえというだけの話です。
運が良ければ相手は事故を起こしますし、再序盤で墓地へ送った不要牌がまたデッキへ戻っていきます。


前編は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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