新たな部落問題の課題(7) 「誇りの語り」の意味
黒川みどり氏の『[増補]近代部落史』に、次の記述がある。前々回にも引用したが、あらためて「誇りの語り」が何を意味するのかを考えてみたい。
文化や芸能、皮革業や治安維持などの面で、賤民(被差別民)が社会に重要な役割を果たしてきた事実は「当事者の自己肯定感」を育む。従来の「貧困・悲惨・差別」というマイナスのイメージを払拭するに十分な歴史的事実であろう。過去に「誇り」をもつこと、先祖を「誇る」ことは自らのルーツを受容し、末裔として生きるためにも重要であろう。
しかし、被差別民た