『血塗られた慈悲,笞打つ帝国』(1)
多くの史料や書籍を読み深めていくとき,著者の分析や考察のレトリックに誤魔化されて本質を見失ってしまうことがある。このレトリックの罠にはまらないようにするためには自分の考えを構築させながら読み込んでいく必要がある。
論理の破綻が容易に見えるような文章,資料の曲解,歪曲した論法などは論外であるが,厳密な構成による論理に対しては注意深く検証しなければ,翻弄されてしまう。
自己主張の強い独断的な論法は自己矛盾が散見しており,参考にもならない。そのような文章ほど,自己正当化のために他