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PL-31E/TSドライカーボン追加アップグレードキット完成

前回PL-31E/TSのファインチューニングで一通りの完成を見たと考えていたドライカーボンによるファインチューニングですが、第2段として更なるアップグレードキットを考えてみました。

今回も千葉県にお住まいのH.H氏全面協力のもと高いクオリティで完成させることが出来ました。この場を借りて御礼申し上げます。

PL-31E/TS用ドライカーボンアップグレードキット

今回のポイントは前回にも増して、更なる静粛性の向上を目指すところにありました。

小型DCモーターの駆動により最も振動が伝わる部分であるサブシャーシの取付スリーブは、標準の状態ではアルミ製です。これを同じサイズのドライカーボンに置き換えることにより更に振動を吸収させることが可能になりました。

標準品のアルミスリーブからドライカーボンスリーブに変更します。
ビスは標準のユニクロからチタン製に変更しています
サイズも厚みもオリジナルに忠実なドライカーボン素材を使用しました

サブシャーシ取付スリーブの上部と下部は既にドライカーボンワッシャーに換装されているため、軽量高剛性のチタンビスと相まって振動の吸収力は絶大なものがあります。

サブシャーシ取付完了
トッププレートに接した上部が1mm厚、下部が2mm厚ドライカーボン

取付をしてみたところ、ドライカーボンスリーブの強度は非常に強く、アルミスリーブと比較しても全く遜色はありませんでした。軽くて強度があって言うことがないと感じました。

左のリングは前回製作した軸受ハウジンスペーサー
今回は新たに右側のパーツを加えます

そして今回のアップグレードキットのメインは軸受ハウジング部分に注目した内容となっています。

PL-31E/TSの軸受は敢えて細いスピンドルを採用することにより限りなくフリクションロスを減らす設計になっています。

精密に加工された真鍮製軸受
中央の凹みに直径4mmのボールが入ります

そしてスピンドルシャフトの上部と下部には2箇所のシールドベアリングを奢り、更にシャフト下部には直径4mmのボールを精密加工された真鍮軸受により支えて可能な限りフリクションロスを減らす設計になっています。

プラッターは軸受ハウジングの上にマグネフロートを載せることにより、最小限までボールにスピンドルの力が掛かることを防いでいますが、やはりここも躍動部である以上振動は付きものです。

軸受をバラしたところ
真鍮製軸受の下に1mm厚のドライカーボンマットを敷いて軸受にスピンドルから発生する振動を吸収させます
左のリングは1mm厚のマットによりアルミキャップと軸受の隙間が出来るのを防ぎ振動を吸収して緩みも止める役割があります
この状態でセッティングをしてから軸受ハウジングを組み立てます
スピンドルシャフトを支えているのはNSKマイクロプレシジョン製のシールドベアリングです

真鍮製軸受はオリジナルの状態でもハウジング下部のツラに接しており、1mm厚のドライカーボンマットを入れてもスピンドルシャフトに対しての位置は全く変わりません。

軸受ハウジング結合部分ドライカーボンワッシャーを挟んで完成です。この部分でも振動を吸収しつつ、軸受下部のキャップが緩むことも防ぎます

下部の真鍮製軸受が入っているキャップが軸受ハウジングに対して1mm下がる訳です。

前回製作した1mm厚の軸受ハウジングにドライカーボンスペーサーを挟んで取付したところ
モーターハウジングの高さは標準のままですが、プラッターが1mm上がることになるため、ストロボで確認しながら回転数調整を行います

ハウジングスペーサーを挟んでトッププレートに取付しました。前回のアップグレードからスピンドルの高さなど数値的に変わる部分は一切ありません。

SONY XL-MC5 with 
A7075 超々ジュラルミン製 鎧TS

プラッターとガラスターンテーブルシートを元に戻して聴き始めましたが、静粛性の向上が顕著に分かって恐ろしいほど静かになりました。

レコードの無音部分から音溝に差し掛かるといきなり音量が上がる感じで、驚異的なS/N比の良さが感じられます。各楽器の定位も今まで以上によく分かるようになりました。


オーバーホールを終えたMark Levinson2台と
C-2xモノ使いでもこの音は出せません
JEFF BECK WIRED
大好きなアルバムです

自分で弄れる部分のアップグレードとしてはこれ以上のモノはないと感じています。欲を言えばトーンアーム軸受ハウジングスペーサーも試してみたいところではありますがw

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