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PL-31E/TSドライカーボンアップグレードキット

2020年1月から愛用しているアナログプレーヤーPL-31E/TSですが、ドライカーボンでファインチューニングを施してみたくなり、特注でH氏に製作して頂きました。

目的はPL-31E/TSを改造することではなく、あくまでも基本設計の優れた点を更に向上させることにあります。

EMT930stを使用していた頃導入したbeginSのTORAYトレカによるドライカーボンの良さが強く印象に残っていたため、特注で製作してくれる方を探して試行錯誤の末完成に漕ぎ着けました。

試作段階の製品

PL-31E/TSは小型DCモーター化されているため、そのままでもかなりモーターの振動は抑えられていますが、モーターの取付部にドライカーボンを使用することにより更なる超微振動を排除し、プラッターやトーンアームへの影響をカットする効果を狙っています。

モーターハウジング用ドライカーボンスペーサー
スペーサーの厚み分1mmだけ高さが上がりますが、サブシャーシが1mm下がるためモーターの高さは不変です
モーターハウジング裏にも1mm厚ドライカーボンワッシャーを入れてサブシャーシに振動を伝えないように

モーターハウジングを支えるサブシャーシは3つのラバースプリングによりフレームから浮いた構造になっています。プラッターやトーンアームへモーターの振動を伝えない他に、モーターの力がベルトに加わることによりこの部分が動いて優しくモーターがベルトを引く大切な役目を担っています

サブシャーシを支える支柱上下にもドライカーボンワッシャーを採用。標準の金属ワッシャーは振動を排除するため使用しません。
オリジナルのビスに対してビスの有効長を確保するため、5mm長いチタン製のビスとスプリングワッシャーに換装しました
サブシャーシ取付完了後
ドライカーボンワッシャーとチタンビス/チタンスプリングワッシャーが標準機との違い

ここにも更にドライカーボンワッシャーを追加することで、モーターの振動を極力排除しようという試みです。ラバースプリングを支える部分は、標準の金属ワッシャーから2mm厚のドライカーボンワッシャーに変更しています。更に取付ビスはモーターハウジング、サブシャーシ共にβチタンとチタンビス/チタンスプリングワッシャーに交換しています。

トッププレートの穴位置やサイズも完璧です
ドライカーボン軸受スペーサーを装着したところ
更にその上にマグネフロート機構を装着

モーターハウジング及びサブシャーシのドライカーボン導入が終わったので、仕上げに軸受ハウジングにドライカーボンスペーサーを装着しました。ここもプラッターの軸受からの振動をトッププレートに伝えないようにする目的です。当然プラッターの回転がトッププレートを通じてトーンアームに伝わると音を濁します。

装着が終わって試聴しています

果たして出て来たサウンドは更に開放的になり、出来る限りモーターの影響を小さくしたいという製作者milonさんの考えに一歩近づけられたものと思います。

標準の状態でも並のアナログプレーヤーとは比較出来ないほど素晴らしいサウンドが得られるPL-31E/TSですが、ドライカーボンによるファインチューニングにより「究極の手回しのレコードプレーヤーの音」が実現出来たものと思っています。

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