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とある個サポのWIN-WINなチームサポート(1,選手サポへの道)

2022年10月16日と17日。私は愛媛に居た。5歳の娘を旦那氏に任せ、朝も明けぬ頃から家を出ての一泊の旅である。

子供を放ってまで何をしに来たか。推し活である。

タイトルにもある通り、私は個サポ、そして選手サポと呼ばれる人種である。現在の一番の推しは愛媛FC背番号5、前野貴德選手だ。

(photo by Makoさん)



もともと地元である茨城県のチーム、ということで鹿島アントラーズをゆる〜く応援していた。もっと近いところにホーリーホックが出来たが、幼い頃のスタジアムの喧騒、アントラーズの強さ、そして何より相馬直樹選手から繰り出されるセンタリング(当時はセンタリングって言ってたよね?)からのチャンスメイク、ゴール。ゆるっとテレビで見ている小学生の時もサイドからのチャンスメイクにドキドキするのは変わらなかった。

学生時代に離れてしまったサッカー観戦。その頃できた広島サポの友人に触発された2012年、久しぶりにカシマスタジアムへ向かった。ユニもグッズもなく、一人でふらっと東京駅からのバスに乗ったのである。熱狂の3冠も3連覇も内田篤人の衝撃も私はニュースや新聞で観ていただけだった。やはり人を動かすのは近くの友人が狂っている様である。
ただ、そんな私も大迫勇也が半端ないのは知っていた。高校選手権はすごかった。大迫が観たいという気持ちもスタジアムへの後押しをしたと思う。選手サポの片鱗がすでに見えている。
(なお余談ではあるが私は大迫の肩幅の割に薄く見える少し猫背気味の上半身が大好物である。あの広く薄い(ように見える)身体で相手DFを抑えボールを収めゴールを決める姿が大好きだ。神戸で活躍して良いから引退は鹿島でしてくれ。頼む。)

そして向かったカシマスタジアム。西大伍選手のゴール。しれっとスローインしたイバさんもモトさんの美しい捌きもドゥトラワンツー頂戴の突破もそこから逆への大迫の落としもすごかったけどがら空きのサイドからゴール蹴り込むんかやべぇ。センタリング()だけじゃなかった。サイドバックやべぇ。恋。

なおその日にスタジアムでファンクラブに入りその企画で西大伍選手からスパイクもらったのは忘れられん。なのに西大伍選手にはハマらなかった。めちゃくちゃ好きだしうっとりするけど。だって格好良すぎるんだもん(語弊がある)。

そのシーズンはその後スタジアム観戦に何度か行き、前述の友人とJリーグアウォーズにも行った。
その時にした会話を今も覚えている。
「あ、京都の中村充孝だよ。来シーズンはどっかJ1のチームに上がるだろうね〜、どこに行くのかな、広島来ないかな?」
「鹿島には来ないかなー。なんか隣の選手と話してる?あの子好きな顔してるー(笑)」
「あー、愛媛の前野だね、彼も良い選手だよ、ユースから立命館行ってトップに上がってキャプテンとかやってるんじゃなかったかな……」

まさか二人とも鹿島に来ようとは。
よしんばついでで話題にした選手にここまでハマろうとは。

次の2013年。大迫選手がラストイヤーかもという噂もあり、前年以上にスタジアムに通うようになる。
当時はフリーターでお金もなく、ユニは2012大迫ユニが安くなっていたのを買って着ていた。
アウォーズで見たぞ!と思った新加入2人はJ2からの昇格組ということもありちょっと肩入れしていたが、まだ期待してユニ買う!というところまで達していない。
試合で見た前野選手は、上下動が多くて実直に走りクロスを供給する、私が思う鹿島らしいサイドバックだなぁ、好きだなぁ頑張って欲しいと思っていた。

そしてその試合がやってきた。

2013年8月17日、ホーム新潟戦。
前野選手のクロスから、大迫選手のゴール。

美しい軌道に現地に居なかったらことが悔やまれた。その後SNSを漁り、寝転びながらのガッツポーズや大迫選手に抱き抱えられた姿を見て、「良かったなぁ、好きだなぁ」ってなった。

その頃のツイートを見返してみたら、まだこの試合では大迫選手の方が……とか言っていて、でも結局1週間しないうちに前野選手に落ちていた。そこから現地数も増えたし年末にはクラハの練習見学デビューもした。

それにしてもこの頃の自分のツイートは本当に気持ち悪くてとてもアレですね。ガチ恋かつ腐った目線を隠そうともしていない、本当に人としてどうかと思うけど今もあんまり変わってないので自重します。本当すみません。石を投げられても仕方ない。

そして9月、前女(前野選手を愛でる女子サポーターたち)を更に沼に突き落とす冊子が発行された。鹿島のファンクラブ誌FREAKS・青木剛編集長号。
それまでも同誌上ではイジられていたし発言も天然か?と思う(キラキラしてる「ラメ」のことを「メラ」とか言い間違える)ような感じだったのに、突然ぶっ込まれた「その胸毛はどうしたいの?」情報。騒然となる鹿サポ。そう言えば上半身のガードの固い前野選手。真相を探るべくレンズを新調するカメラ前女。他の選手への裏取りに勤しむ前女。twitterで一平くんに絡む私。深まるワイルドな胸毛への興味と謎

もう後戻りは出来なくなった。完全に前野選手の魅力に取り憑かれた。モンスター選手サポの完成である。

あの時はみんな踊らされていた……全部青木剛のせいだ。(余談だが現在青木選手はフットゴルフ日本代表として活動しているので応援してください。)なおこの謎は新潟時代も(多分)解明されることはなく、愛媛に戻ってやっと大っぴらに着替えるようになった。私含めた前女達が少し落ち着いてきたのもあるのだろうか。本当にごめんね、気持ち悪いし怖かったよね。

そうして前野選手に落ちた私はそこから前野選手を応援するために、試合へ行き、練習見学に行き、クロスや上下動に心を更に絡め取られ、
ベンチ外が増えれば試合日の朝のサテ練にも行き、ファンレターを書き、ユニフォームやグッズを身に着けファンサを受け、
移籍した後もなまじ新潟なんて行きやすい場所だったがゆえに激励会(前野くんには会えずじまい)や練習見学もちょくちょく通い、トークショーやサマフェスにも出来る限り通った。
過去の記事や写真を漁りやっぱり横文字が苦手なエピソード(デネンチョフ)ににやにやしたり、仲の良い選手が気になり、地元への愛を知り愛媛県や愛媛FCが気になるようになる。

とにかく前野選手に関わるもの、想起するものは全て好意的に受け止めるようになってしまう。
多分他の選手サポのみんな同じだと思うが背番号、名前の漢字、前野選手であればみかんや釣り、鯛などもうこじつけレベルである。楽しい

そして選手サポになったオタク気質な社会人は何をするのか。金を払おうとするのである。
その金の払い方が蓄積した結果、地元のサポでもない、ただ好きなだけのサポがとても幸せな時間を過ごしている、ということを次の記事で書いて行こうと思う。


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