3月21日

博物館に行った。最澄と天台宗のすべて、の最終日。仕事でもらったチケットがなかったらおそらく見向きもしなかった。

天気も良かったので、交通費をケチって自転車で往復40キロ走った。ロードバイクなので漕ぐのはキツくなかったが、自転車のサドルがガンガン当たるのが痛かった。

正直、仏教に思い入れがあるわけではない。宗教にも特には関心はないけど、今読んでる本は「サラバ!」だし、じいちゃん2人の葬式もあったし、昨日は地下鉄サリン事件の日だったし、仏教系の学校に行ったこともあるし、なんとなく行こうかなと思った。

浮いた交通費で音声ガイドを借りた。少ないながら博物館や美術館には足を運んできたものの、借りるのは初めてだった。有料だと知らず「借ります」と言ったので、引き下がれなかった。しかも思ったより高かったので、全部聞いてやろうと思った。(交通費よりは安い)

約1時間半かけて巡回した。最終日なので人がいっぱいかと思いきや、そうでもなかった。

知識があるわけでもないし、全部の名前が漢字ばかりで、しかも長いので色々よくわからない部分が多かったが、とにかく、あんなような過酷な修行を積む人たちには敵わないなと思った。安直だが、現世で一番生と死に近いところにいる人たちだと思った。特に9日間不眠不休で念仏を唱え続けた人の映像は、ギリ生き延びた感がすごかった。

私もじゃあ出家したいかと言われると、今は別にそうは思わない。確かに過酷だけれど、あんな考え方があると知っておくことは、自分にとって救いになるような気はした。望めば、いつでも受け入れてくれそうな、間口の広さは感じた。

笑ってしまう部分もあった。修行の過酷さもそうだし、不動明王を太郎天という優しめの仏像にしてみたところとか、なんじゃそりゃ、と思うところがちらほらあった。1人で突っ込みながら巡回した。

先日、友人に対して嫌な気持ちになったことも、巡回を終える頃にはなんてことないと思えた。ツンデレとかではなく、心から最澄の教えに感銘を受けたわけではないし、それを理解できたわけでは到底ないけど、それが救いであることだけをちょっと感じた。

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