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4月24日

4月が終わりにむかっている。外は雨が降っている。

フィルムカメラを持って実家に戻り、母と祖母の3人で出かけた。そんなのは、初めてだったかもしれない。母にとって祖母は義母。

2人が藤棚の下に立つ写真を撮った。久しぶりに使った一眼レフのフィルムカメラは、ずしりと重く、巻き上げる音やシャッターの音は、力強い。生憎の雨だったが、おかげで見物人は予想より少なかった。

翌日が仕事の私は、自分の家に帰宅した。27枚撮りのフィルムカメラには、藤棚の他に、庭の写真や、部屋から見える風景を収めて、27枚分を使い切った。

夜、自分の家に帰ると、誰もいなかった。いつもの風景。自分で望んで家を出、一人暮らしを始めて3年が経とうとしている。祖母は二ヶ月ほど前に祖父を亡くして、それなりに落ち込んでいた。今日は、楽しそうだった。今日の写真はなんとしても現像したい。正直なところ、一眼レフのフィルムカメラを使うのは久しぶりで、フィルムの巻き上げに自信がなかった。実際一度失敗して、一本無駄にしてしまったことがある。その時、自分が何を失敗したのか、振り返ることをしなかった。せっかく撮ったつもりの写真が一枚も撮れてなかったことがあまりにショックで、以来、オートのフィルムカメラを使って凌いでいた。

巻き上げは失敗した。巻き上げボタンを押して、ハンドルを回す単純な作業だったはずが、誤って裏蓋を開けてしまった。フィルムに光が当たらないようにすぐに蓋を閉めた。明日カメラ屋さんに相談してみよう…

雨音は続いている。

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