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涙と聖者

もう十一月ですか、早いものですね。すっかり空気も乾燥して朝晩はとても肌寒いです。今年こそ秋を堪能すると意気込んでいたのですが、仕事が忙しなくてそうも行きませんでした。十月の初めでしょうか、久々にウォンカーウァイの作品を観ていました。「恋する惑星」と「天使の涙」「2046」。もうあの空気感といい美醜に満ちた雰囲気が堪らんのです。この間、people in the box 15th 恵比寿liquidroomへ行ってきました。もう最高の一言です。特に聖者たちからのJFK空港の流れは格別でした。せっかく東京に出向いたので、イッタラ展も鑑賞してきました。物作りって本当に面白いですね。時代背景や思想によって全く別のものになる。カイフランクの普遍的なデザインと色彩は本当に素晴らしいですね。ガラスの厚みによる色の変化をテストするための階段状のカラーサンプル、あれグッズにして欲しい。表参道のイッタラストアにも行ってきてました。隅研吾さんの建築も相まって、展示を鑑賞している気分になりました。リサイクルコレクションのグラスを購入したのですが、そちらの方が希少価値も高く、技術的にも難しいのだとか。物は高くても長持ち可能なものを手に取りたいです。物も人も使い捨て文化は本当に良くない。何もすることのない一日があったので、箱根の温泉に行って、和食を食べて、その日はずっと近所の図書館にいました。最近シオランの作品を読みたなと思っていたのですが、なかなか定価で売ってなかったり、手に入れにくいんですよね。「涙と聖者」だけは読むことが出来ました。感想としてはバロック絵画への関心が個性的だなと思いました。エッセイでありながら、文体はどこか詩的でもある、シオランはルーマニアからパリに移り住んで音楽家や画家、重罪人や聖者たちをその眼で見て、己の凡庸さを自覚してしまったのだろう、絶望や虚無、その孤独に耐え受け入れたからこそ、彼の形而上詩が生まれたのだと思う。自分の生まれ持った才能のなさに、感性のなさに。その想いを何度も反芻しては時間だけが流れる。最近読んだ本といえば、泉鏡花の化鳥ですかね、まあなんと清らかな言葉使い、うつくしい文体。泉鏡花は湯豆府を読んで、好きになりましたね。まだ読めてない作品ばかりなので、今後読みたい作家の一人です。アニメはチェンソーマンとスパイファミリー、映画はエクストリームジョブとホームアローン3、音楽はthe1975とキャノンボールアダレイ、あとはspangle call lilli lineばっか聴いていますね。最後は駆け足になりましたがこの辺で。

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