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惑星プロレタリア


地下鉄のプラットフォーム 軋む車輪とレール
溜息と思想 空気中に充満している
地上に飛来するケムトレイル
古ぼけたスノードーム それはまるで砂のリウム
円盤のような雲 正常に動作する
惑星プロレタリア スティイルな匂いだけが漂う

降り積もる塵芥と残滓のアフターワード
もういっそ もういっそと唱えるプロンプト
今日もキューブシュガーを献上する
そして包み紙に付着した
カスみたいなパウダーを舐める

路上ですれ違うのはドブネズミか
ガンジャ患者か陰謀論者だ
分断を生むのはコスモかメトロだ
解決を阻むのはミクロかマクロだ

そこに現れたのは音信不通の
名も無きネゴシエーターらしき人物だ
「ここはサナトリムではない
それにその話は遠き日のヒエログリフだ」
彼がそういうと皆が群がった

なにを知り得た なにを成し遂げた
エゴではないよな 名もなきネゴシエーター
なにを知り得た なにを成し遂げた
言葉を濁したまま
なあ教えてくれよ 名もなきネゴシエーター

テンプレートな言語を コモンセンスな言動を

着実に浸透したプロパガンダの扇動
鉄の掟 もう二度と戻れない
だからもう零れない 鉛の涙
鎧と兜 もう微動だにしない
異端審問はレガシーシステムだからだ
だって何故なら 僕たちは既に
脳内チップを埋め込まれている身体

フェードアウトするブラックバード
一定の距離を保つシュルレアリスト
今日もキューブシュガーを献上する
そして包み紙に付着した
カスみたいなパウダーを舐める

「レティーナを疑え」と微かに呟く
なあ教えてくれよ 名もなきネゴシエーター
泡沫の日々は いつだって僅かだ
それが彼が残した 唯一の遺言だ

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