見出し画像

正午の肖像

あの木陰で休もうよ 眩しい正午
真っ黒な睫毛を焦がす
いずれは穏やかな斜陽になる
あなたは穏やかな斜陽になるから

あの木陰で休もうよ 眩しい正午
曖昧な輪郭を浮かす
いずれはこの町が背景になる
わたしはこの町の肖像になるから

夕べには骸になるのに
あなたは満たそうとしてくれるの
幸せなときは いつも残り僅かなのに
それでも 君は今生きているのさ

さぁ腰を下ろして 木陰で休もうよって
微かな木漏れ日 澄んだ空気に秋の匂い
それぞれの日常に戻っても それでもまた
この木陰で会おうよ そこで物語が終わるの

読み掛けの本を開いて
あらすじを思い出している
舞っている銀杏の葉は
わたしたちを留めてはくれない

夕べには骸になるのに
あなたは満たそうとしてくれるの
別れのときは いつも残り僅かなのに
それでも 君は微笑んでいるのさ

さぁ腰を下ろして 木陰で休もうよって
微かな木漏れ日 澄んだ空気に秋の匂い
それぞれの日常に戻っても それでもまた
この木陰で会おうよ そこで物語が終わるの

読み掛けの本を閉じて
あらすじに思い馳せている
舞っている銀杏の葉は
わたしたちを留めてはくれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?