Sarjalim

先日、検定を終えてから、完全に気が抜けてしまった。首が座らず、ぐでっと肩を落としている。ぼぅーっと光合成をしながら、すこしずつ普段の生活とやらの実感を取り戻しつつあるので、こうして文章を綴っている。

一ヶ月、通っていた図書館も試験が終わってから来ると、なんとなく室内が明るくて、ほんの少し広く感じる。空気が緩やかに流れている。何かが解き放たれたように、それが心地よくて、どこか物悲しい。

結果なんてものは、副産物に過ぎないから、あまり気にしていない。それよりもこれから何しようかという茫漠で掴みどころのない日々だけが、そこには残っていた。何かがおわれば、また別の何かがはじまって。、きっとそれの繰り返しなんだよな、ぐるぐると。だから今は、この瞬間を、その地平線を眺めていたい。

色んなものが入れ替わっている。暮らしている街も、住んでいる家も、生活している部屋も、通勤経路も、電車のダイヤも、行きつけのコンビニも、着ている服も、背負っている鞄も、読んでいる小説も、会話している内容も、聞こえてくる音も、感じている空気も。だから今日も風が強く吹いている。

物や娯楽が溢れている時代だからこそ、何かを選ぶということよりも、何かを選ばない、という選択こそ重要に思う。どんなことよりも、どんなひとよりも、それが、きみが、いいって言えたら、きっといいに違いない。あれもこれもなんて、ちょっとずるいのかもな。


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