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利益のない喫茶店

やりたいこと、将来の夢か
理想は山の奥に佇む喫茶店のマスターかな。

春には桜が咲いて、夏は緑を感じて
秋は銀杏が舞って、冬は雪が積もって

ガラス張りの店内からは
四季折々と湖を一望することが出来るんだ。

営業時間は16時から4時まで。

僕の好きなカセットテープとレコードが
店内には流れているんだ。

僕の好きな本を本棚に並べて
それを自由に読むことが出来る。

コーヒーカップはお好きなものをお選び頂けます
ご要望であればお選びすることも出来ます。

メニューはブレンドコーヒーだけ。
砂糖とミルクはご自由に。
裏メニューにカフェインレス。
ただし一日に注文できるのは一杯だけ。

でも特別な日にはもう一杯サービスをする。

子供たちがおいしいと言ってくれたとき
初々しい恋人たちが話を弾ませているとき。

夫婦がなにやら険しい表情で会話をしているとき
久しぶりに友人と再会をしたとき。

独りの時間を大切にしている人がいたとき
お金に余裕がない人がいたとき。

でもきっと僕が理想とする喫茶店は
まったく利益を生み出せない。

コーヒーに価格の設定もない
価格はお客様が決めるんだ。

深夜営業で立地も悪い
だから店内はいつも空いている。

それに僕の体調が悪いとき
都合がある日はお休みを頂くこともある。

でもそんな喫茶店が世界のどこかに
存在していて欲しいって思うんだ。

自分の趣味に溢れた、人と町と文化に寄り添える
そんな利益のない喫茶店が。

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