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アンドレアッツォーリ初陣(インテル戦)レビュー

どうも、emgiappoです。

昨夜のインテル戦は負けてしまいましたが、エンポレーゼとしては悲観する内容ではありませんでした。
というのも、明らかにそれまでの4戦とは違う内容で、無得点かつ5連敗という結果にはなりましたが、
今後に繋がる試合だったことは間違いありません。

その辺りを素人目線で書ければと思います。※今回から片仮名表記にします(面倒くさいので)


①アンドレアッツォーリの目指すところは何か


フォーメーションですが、予想通り4-3-1-2でした。


ちなみに以下は先日の私の予想です。


大外れ笑(でもないですが・・・)
ペッツェッラやマレー、シュペンディは正直意外でしたが、
これはこの後に話すアンドレアッツォーリの戦略が大きく関係していると思います。
※カプートは怪我もしていました…

エンポリ伝統の4-3-1-2を起用していますが、インテル戦には超守備的な戦法を起用しています。
ザネッティのときも4-2-3-1や4-3-1-2のフォーメーションでしたが、
戦い方としてはザネッティの「理想通り」なだけでした。
ようは、相手がどうであれ練習などで落とし込んだ「理想の」戦い方を、
相手関係なく実践してきました。
今節のインテル戦を含め、過去5戦は全て相手が3バックでした。
つまり両WBからの攻撃が脅威なわけです。
にもかかわらず普通に守っているため、
ヴェローナ戦やモンツァ戦ではエブエイ側を突かれまくったり、
ローマ戦では中央からもボコボコにされていました。
守備時の決め事(誰に対して誰と誰が対応する、一人抜けたときは誰がカバーに入るなど)が無く、
個々任せの守備になっていた気がします。前からのプレスも弱かったです。

アンドレアッツォーリはまずこの部分にメスを入れています。
・前線からの徹底したプレス
・とにかく数を1人優位にさせた対応

正直、攻撃は二の次(悪い言い方をすれば)ですね。まずは守備の改善。
前節ローマ戦の7-0を見れば当然ですが、
この意識を徹底させるだけでも試合(特に今後残留ライバルになる相手に対しての)運びが随分変わります。

相手の戦術に合わせながらしっかり守って、チャンス時に得点に結びつける。
これがアンドレアッツォーリの目指すところです。


②インテル戦はどう守備対応したのか


インテルはここまで4連勝。首位×最下位の対決。
普通にやって勝てる相手ではありません。ではどう戦うか。
まずはしっかり守ることを最優先させた戦いです。

●相手のキーマンに対して1対2


ディマルコに対してはイスマイリとエブエイ
ダルミアンに対してはペッツェッラとマレー(ルペルトは中の対応に終始)

とくにディマルコは脅威なので、ここを何とか潰したい。
もう少し前めであればマリンがディマルコとムヒタリアンを対応をしていました。
これ、今回の肝だと思っています。
4-3-1-2の布陣だと、私の予想にもありますがマリンをアンカーにするのが今までです。
ですが今回はラノッキアを中央でマリンを右側。
フィジカル的に強いマリンを右に置くことで、ディマルコ・ムヒタリアン対応をさせている感じに見えました。
前節までと違ってマリンが前に上がることが少なかったのは、この指示があったものと思われます。

●テュラムとラウタロ対応はどうする?


CBの2人だけだと当然無理なので、もちろん中盤の3人(マレー、ラノッキア、マリン)も一緒に対応していました。
とにかく数をかける対応。
ポゼッションも7割近く取られていたので、ほとんどエンポリ陣内で試合が動いてましたが、密集していましたね。
スペースを作らせない、一人にさせない。
この辺りをしっかり選手に落とし込んで徹底させたのはアンドレアッツォーリの手腕だと思います。


③今回のエンポリ側キーマンって誰?(ディフェンス)


あくまでも個人的にですが・・・イスマイリだと思っています。
ルペルトの安定感はゆるぎないですが、相方のCBがどこまで頑張れるか、これが大事です。
インテル戦では、イスマイリの役割として
・ディマルコ対応
・テュラム対応
・ラウタロ対応
の3つが課せられています。
多少粗くても、とにかく防がないといけません。
ディマルコのスーパーゴラッソは不可避だったので、怪我で途中交代するまでは相当頑張っていたと思います。
※現に、代わりに入ったヴァルキエヴィツは厳しかったですね・・・パスミス、カバーミス多々・・・


④攻撃の側のキーマンって誰?(オフェンス)


これは満場一致でバルダンツィでしょう。
今回の試合では7人で守備をするような布陣だったので、じゃあ攻撃をどうするかになります。
バルダンツィは守備対応もタスクに入っているので、中央より後ろにいることもありますし、
ビルドアップ時にラノッキアとともに降りてくることもあります。
つまり、その位置から前2人に繋ぐ、1人で突破する、裏へ抜ける、これらを「唯一の」攻撃手段としてアンドレアッツォーリは考えています。
無得点で終わりましたが、好機は全てバルダンツィ絡みでした。

※ちなみに試合当初は4-3-1-2の1を担当していましたが、すぐに4-3-2-1の右の2でしたね。
エブエイやマリンとともに前からのプレス、ボール奪取を担当していました。


⑤試合全体(及び今後)のキーマンって誰?


これも個人的ですが・・・ラノッキアだと思っています。

●アンカーがなぜマリンではなくラノッキアだったのか


もちろんマリンが右サイドのフィジカル的な守備対応をしなければいけないこともありますが、
中央にラノッキアを配置することで、
・両CBのどちらとも対になって守備対応できる
・セカンドボール対応
・中央やサイドへのパス
が可能になります。
中でも一番大きいのはセカンドボール(ハイボール)対応。
マリンより身長が高くジャンプ力のあるラノッキアのほうがハイボール対応ができる、というシンプルな考え。
インテル戦は中央と自陣の間あたりでのハイボール処理でラノッキアが競り勝つ場面がいくつかありました。
セカンドボールを取ることで数少ない攻撃時間を得ることができるので、ここは必然だった気がします。
なにせ今まで出番が無かったラノッキアがスタメンかつアンカー起用ですからね。

●FK担当


あと一番気になったのは、FKがマリンではなくラノッキアだったこと。
昨シーズン、CKやFKはマリンが対応していました。
今回ゴール近くでのFKもマリンが蹴ると思われましたが、蹴ったのはラノッキア。
惜しくも止められはしましたが、明らかに序列が上がっているので、
アンドレアッツォーリのキーマンな気がしています。


⑥一方で課題は?


守備面での改善はかなり見られましたが、点を取れないと試合には勝てません。
相手がインテルであったため攻撃に人数をかけられないのは仕方ないですが、
今後残留ライバルに対してどう攻撃を組み立てていくか、これがカギとなります。

●FW陣の高さが課題


インテル戦でよく見られた光景ですが、
サイドでボールを持ったペッツェッラやカンビアーギが中にボールを放り込でも、中にシュペンディ1人という状況。
これでは勝てない。
シュペンディはアチェルビと対峙していて、裏を取ったりタイミングをずらしてボールを受けようとしていましたが、
放り込まれたボールには対応できません。
こういう時に190cm以上あるFWがいればポストプレー(ヴェローナでいうところのジュリッチですね)できるのですが、
エンポリのFW陣は皆180cmちょっとです。
この放り込みを多用するのであれば、今後も点は取れないと思います。
※あくまで相手がインテルだったので仕方ないですが
冬に高身長FWを獲得するのか、プリマから高身長FWを昇格させるのか、放り込みを別の効果で狙うのか、が課題になります。

●手薄なCB


イスマイリが怪我をしてヴァルキエヴィツが入りましたが、やはり不安定でした。
昨年までは、デ・ウィンターがいたので良かったのですが、今年はいません。
ルペルト側の控えであるグアリーノもいますがプリマから上がったばかりですし、
トップチームで通用するかどうかは未知数です。
ルペルト離脱時の対応も難しくなります。
イスマイリのタスク的にもイエローカードをもらうことが多くなるので、累積による出場停止も覚悟しないといけません。
こちらもプリマ昇格なのか、冬に即戦力を補強するのか、が課題になります。

●攻撃の組み合わせをどうするか


しっかり守ってチャンス時に「速く」攻撃をして点を取ることになると思いますが、
バルダンツィを基本としたときに、早くて上手い選手が周りにいるかどうかがカギとなってきます。
また、守備への貢献も同時に期待したいので、スタミナも重要になってきます。
・カンチェッリエーリ
・カンビアーギ
・シュペンディ
・コヴァレンコ
今の布陣だと、この4人とバルダンツィを如何に組み合わせていくか、色々と試しながら固定させていく気がします。
次からの3連戦はサレルニターナ、ボローニャ、ウディネーゼです。ここは本当に勝負どころ。
この3連戦で勝ち点を6(2勝以上)とることができれば、残留への軌道に乗れると思います。


⑦おまけ シュペンディ最高


今回FW起用されたのは、カプートでもなく、デストロでもなく、シュペンディ。
アンドレアッツォーリ的にはアチェルビの裏を取って何とか得点を、という期待があった起用とは思いますが、
試合中に直接マッチアップの仕方・抜け方を教える場面も見受けられました。
若干20歳。3部のチェゼーナからレンタルで加入したシュペンディ。
条件付き買取義務でのレンタルなので、A残留なのか試合数なのかは分りませんが、今節を見る限り、可能性をかなり感じました。
エンポリとは相性の良いアルバニアの選手ですし、ちょっと期待したいですね。

マルディーニ狂ですが、ユニフォームはシュペンディにしようかな、と少し思うくらい好きになりました。


※スタジアム入場時のタッチも、笑顔だったし、好感度爆上がりです笑


⑧最後に


長々と素人の戯言を書いてきましたが、とにかく今後に期待を持てる試合でした。
ザネッティ政権下にはなかった、「わくわく感」。
これを感じることができたので、今後好転していくことを願っています。

Forza Empoli!!!!

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