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40歳で、noteを始める。

こんにちは。私は会社員小林と言います。「会社員小林」は、「サンシャイン池崎」と同じリズムで読んでください。

小林は完全に本名だが、小林姓の会社員は、日本に推計30万人いるので、ほぼ匿名のようなものである。もし私が假屋崎姓の華道家なら、匿名性は全くなかったはずだ。量産型の苗字と職業が幸いした。きっとあなたの職場にも小林姓の人が一人ぐらいはいるだろう。その人には優しくしてあげてほしい。

さて、昨年末から、こうしてnoteに投稿を始めたものの、まだ自己紹介をしていなかったので、この機に書かせてもらいたい。

ざっくり3行にまとめてみた。
①仕事で、エンタメコンテンツの制作者をしています
②妻と子がいるアラフォーです
③大学中退後は故郷の秋田に戻って、ボウリング場でアルバイトをしていました

ずいぶん個人情報を露出してしまったので、陽動のために、ひとつだけ落合博満さんのエピソードを混ぜておいた。これでまだ、身元バレには至らないだろう。

■アウトプットドリブンのインプット

このnoteは一か月ほど前に、アカウント開設をした。その経緯を書く。

30歳代の後半から、自身の変化に気づいていた。徐々に、教養を得ることの心地よさに気がついてきたのだ。年齢を重ねると、肉より魚のほうがおいしく感じる‥みたいな話だと思ってほしい。学生時代に比べると、世の中との表面的な接触量が増えた分、その奥にある本質についても関心が増したのだろう。十代の時はさほど興味がなかったような、大学の教養課程の講義内容を、今さら知りたくなっている。

分かりやすいところでいうと、ここに来て、NHKスペシャルの面白さを毎週、実感している。最近シリーズ放送していた「半導体 大競走時代」も楽しかった。この番組は、先進的な研究や最新事情を、分かりやすく、一般視聴者にかみ砕いて教えてくれるのが素晴らしい。

今も映画や漫画などのフィクションが嫌いになったわけでないのだが、それよりもドキュメンタリーのなかで起こる不思議や、人間の営みの美しさの方に、魅力をより感じるようになってきた。子供のころ、父親がこの番組を真剣に観ているのを不思議に思っていたが、ここに来て気持ちがよく分かるようになった。

読書も同様で、ここに来てノンフィクションばかり読むようになっている。そして、その過程で「アウトプットドリブンのインプット」の有用性も感じ始めた。アウトプットドリブンのインプットというのは、要は「読後に、誰かに説明することを前提とした読書習慣」だ。書籍から得た発見を、他者に説明するイメージを持って、最初から読書に臨む。その方が、学びを自然に頭に定着させられる。

このnoteは、私にとっては文字通りの「ノート」、つまり学習用ノートブックの役割を果たしている。書籍から学ぶために書き写す先だ。

■人との交わりには価値がある

というわけで、このnoteは、先駆者の知識を、生徒である私が模写したものにすぎないので、新たな情報的価値は、ほとんどない。今後はわからないが、現時点ではそうだ。

たいていの場合は、先生の板書にあたるネタ元を、参考文献として記載しているので、原典を見てもらった方が早いだろう。(身もふたもない話だが、事実なので仕方ない)プロ野球は観客に見せるためにやっているが、草野球は本人が楽しむためにやっている。他人が、どちらを見るべきかは明白だ。私は一流の草野球選手として、まず自身が楽しむことを目指そうと思う。

加えて、もうひとつ、私がnoteを投稿することで期待できることがあるとしたら、それは「人との交わり」だ。同じような興味を持つ人へ波紋が届いて、その人から波紋が返ってきて、互いに情報や思考を交換するなかで、視点を増やせること。それは私にとって、大きな喜びだ。私は、集合知の力を信じている。相手にとっても、そうであれば嬉しい。

私はこの話をするとき、アルマ望遠鏡のことを思い出す。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

アルマ望遠鏡は、南米チリの高地にある望遠鏡群だ。「小さな望遠鏡を広い場所にたくさん並べ、それらを連動させて、ひとつの巨大な望遠鏡として機能させる」という手法が採用されている。アルマ望遠鏡では、合計66台の小さな望遠鏡のデータをつなぎ合わせることで、「直径16kmの、巨大なひとつの電波望遠鏡」と同等の観測精度を作り出している。

人間ひとりひとりのアンテナのサイズには限界があるが、同じ興味を持つ人同士が、同じ方角を向いて観測をすれば、情報量はぐっと増える。微弱な情報も感受できるだろう。もし私の記事に興味を持つ人がいたら、その人は同じようなアンテナを持っている可能性が高い。そんな人と、情報を分かち合うことで、大きな視野を得たい。そう思っている。

■40歳で、何かを始める。

今後は、もう少し幅を広げて、他の人と交わるような取り組みを、インターネット上でやっていきたいと思っている。そして、その製作プロセス自体を、このnoteで共有していくつもりだ。(具体的な話は、今後おいおい紹介したい)自分にとっては、経験ゼロから始める試みだ。新鮮だし、わくわくする。

元来なら40歳は、何かを新たに始める年齢ではなく、長年やってきたことが実を結ぶ年齢だ。もしアラン・チューリングなら、画期的な論文をいくつも書いた末に、もう鬼籍に入る年齢である。実際、メディアで見かける専門家が、自分と同年代であるケースは最近、増えてきた。周りのおじさんが、長年の取り組みで得た集大成を発表するなか、自分だけ粗削りな習作を出すのは、本当は恥ずかしいものだ。

ただ、おじさんの荒削りな日々にも、きっと救いはある。40歳のおじさんが何かを始める話は、同年代のおじさんへの励みや慰めにはなるということだ。これだけは確信がある。(私も、先輩方の挑戦に刺激をもらってきたからだ)

価値があるのは、私が描くアウトプットではない。私という「おじさんが新たな挑戦をしている」という行為そのものだ。映画「Shall we ダンス?」のオープニング、役所広司さん演じるサラリーマンが、電車の窓越しにダンス教室を眺めるシーンには、哀愁と同時に、どこか魅力がある。おじさんが勇気を出して何かを始める様子は、憧れるような華やかさはなくとも、共感はできる。その共感が、行動を起こすきっかけになるかもしれない。それを信じ、40歳で、何かを始める。

<参考文献>
匿名性のない苗字
https://myoji-yurai.net/searchResult.htm?myojiKanji=%E5%81%87%E5%B1%8B%E5%B4%8E

落合博満
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%BD%E5%90%88%E5%8D%9A%E6%BA%80

アウトプットドリブンのインプット
https://yurugengo.com/
この言葉は「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeで、パーソナリティの堀元見さんが言っていたものだと記憶している。

アルマ望遠鏡
https://alma-telescope.jp/about

アラン・チューリング
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

映画「Shall we ダンス?」
https://www.youtube.com/watch?v=zQWEhPYwuY4

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