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エモテク座談会vol .12「エージェントとの心と体の触れ合い ゲスト:ATRエージェントインタラクションデザイン研究室室長 塩見昌裕さん」

エモテク座談会は、エモテクの要素を含んだ製品・サービスや技術事例をベースに、エモテクについて学びを深めつつ、エモテクひろばのメンバーやイベント参加者と共に事例研究しながら知見をためていくことを目的としています。

12回目の開催となる今回は、「エージェントとの心のと体の触れ合い」というタイトルで、株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)エージェントインタラクションデザイン研究室室長  塩見昌裕さんにお話を伺いました。

///ゲストプロフィール///
2007年大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。ATRインタラクション科学研究所、エージェントインタラクションデザイン研究室 室長としてコミュニケーションロボットの研究に従事。

//プログラム///
18:00-18:10 イントロ・チェックイン
18:10-19:10  ゲストプレゼンテーション
18:10-19:30  質疑応答・オープンディスカッション

ゲストプレゼンテーション

塩見さんは、人と関わるロボットの開発や、ロボットとの物理的な触れ合い・身体性についての研究をされています。
そんな中から、今回はとてもたくさんの実験例を教えていただき、中でも、人に触れられるロボットについては、ぬいぐるみ型、人間酷似型、赤ちゃん型の実験例をご紹介いただきました。

ロボットからの接触がもたらす効果

例えば、こちらのぬいぐるみ形ロボット「Moffuly」に「能動的に触れ、抱き返される」という場合の実験では、自己開示が増えたそうです。
また、痛みを抑える効果についても研究されているそうです。近い将来、ロボットが、私たちの体や心の痛みを和らげてくれるようになるかもしれません。

ぬいぐるみ形ロボット「Moffuly」。大きさは2m!

こちらは、改良版「さわってひろちゃん」。ひろちゃんは、赤ちゃん型のインタラクティブドールで、喃語や笑い声がとっても可愛い!
介護施設において、ご高齢の皆さんにひろちゃんを受け入れてもらえるのか、介護士さんの負担は減るか、という観点で調査をしたそうです。結果はどうだったのでしょうか!?(ぜひYoutubeでご確認くださいね!)

赤ちゃん型ロボット「ひろちゃん」とプレゼン中の塩見さん。
ひろちゃんのお顔がないのにはワケがあって…

ここまでのお話は、座談会のほんの一部。
その他にも、ロボットによる他人のための正当防衛(緊急援助)はどこまで人々に受け入れられるのか、ロボットに褒められると人はどうなるのか、ロボットに謝られるとどうなるのか、ロボットによる同調圧力など、興味深いお話が盛りだくさんの1時間半でした。

質疑応答・オープンディスカッション

たくさんの実験例を伺ったあとの質疑応答は、多くの質問で盛り上がりました。

・手だけ、スクリーン上でなど、パーツに分解した上での触れ合いに関する実験や研究はあるか?
・ロボットの素材(布製の温かさや金属の冷たさなど)による変化で効果は変わるか?
・触れるときの強さの研究について教えてほしい
・動きのスピードと、感情表現の関係は?
・複数回ロボットに接触すると飽きるのでは?

etc…

まとめ

塩見さんは、ロボットが「触れられる心の安全基地」となることを目指す、とおっしゃいます。その一方で、人を騙す側(攻撃する)のロボットと、その攻撃から守る側(防御する)のロボットの研究が進むのではないかとも語ります。

日々進化するエモテクの世界。引き続きエモテク座談会では、その知見を共有していきたいと思います。

お知らせ

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