ライブ映像撮影に大切な音声録音 | TASCAM Portcapture X6

ライブ映像で大切だと考えているのが音声です。
カメラ好きとしては映像の綺麗さが大事だ。と言いたいところだけど、やはり音声が大事。もちろん両方あってのことだと思うけど。

今回は約1年間ライブ映像の音声収録をTASCAM Portcapture X6で行ってきた中でどうやって使っているかや、利点、もっとこうして欲しいという点などを書いていきます。

TASCAM Portcapture X6とは

TASCAM社が出しているポータブルレコーダーPortcapture X6の一番の特徴としては32bit float録音ができる点です。
詳しい製品概要は製品ページにお任せするとして自分の用途に刺さった機能を簡単に紹介します。

タッチパネルで操作可能、XLRで2ch外部入力が出来る、別売りのアダプターがあれば、スマホで操作が出来る、USBで電源供給できるなど、自分の用途にはピッタリの機能や特徴を持っているレコーダーです。

普段の使用方法から見る製品の特長

ライブハウスに着いて、まずPAさんに挨拶をし、そしてこのレコーダーを設置したい旨を伝えます。
可能であればミキサーから2mixを出してもらいこのレコーダーに入力します。これがライブ映像撮影をするときのルーティンになります。
※話すのはほとんどリハーサル時。リハーサルはPAさんは大忙しの時なのでタイミングを見計らうのが難しい。しかも自分は人見知りの方なので初めましてのPAさんだととても緊張する。PAさんは、いい人がほとんどだけど、職人オーラムンムンの人もいてビビるときがある。

製品左側面にXLR端子がある。上位機種のX8はこれが4つ付いているのでマイクと合わせて6ch収録が可能

このレコーダーにはカメラなどで一般的に使われている1/4ネジに対応する穴があるのでカメラアクセサリーとの親和性があります。
まぁこれは大体のレコーダーにあるとは思います。
ミニ三脚やクランプなどでPA宅の近くに設置します。
PAさんに設置場所を聞けば大体この辺りがいいと思うとアドバイスがもらえるのでその場所にあった方を選んでいます。
ミニ三脚かクランプで大体は対応できるはずなので、念のため両方持っていきます。

自分の場合はJOBYのゴリラポッドとSmallRigやUlanziのクランプを常備していて、その場所にあったものを使っています。

JOBYのゴリラポッドとクランプ

設置場所は大体左右のスピーカーの真ん中がベストだけど、スペースの都合上多少ズレがあるのは仕方無しとしてます。

また、この時モバイルバッテリーとUSB-Cケーブルをレコーダーに繋いでおきます。こうすることで電源の心配も無くなるので、精神衛生上とても良いです。

製品右側面にUSB-C端子がある


ちなみにこのレコーダーは単三電池4本で動作します。
もちろん、USB給電はできないんですが、不慮の事故でケーブルが抜けたり、モバイルバッテリーが無くなったとしても単三電池で動作出来るので最悪出先で買うのが楽なのは良いです。

PA宅の近くである場合、コンセントを使わせてもらえる場合があります。その場合は、ありがたく使わせてもらいます。そのためのUSBアダプターもカメラバックに忍ばせておきます。こうやって荷物が少しずつ増えていく…笑

設置が終わったらレベル調整。
操作がしにくい場所に設置をするケースが多いので、この時にbluetooth接続が大いに役に立ちます。
別売りになってしまうのですが、bluetoothアダプタは絶対にあった方がいいです。
スマホアプリで大体の操作ができるのでレベル調整、録音のスタートストップが可能なので一度設置してしまえば、レコーダーの場所にいちいち行く必要がないのも嬉しいポイント。

32bit float録音が可能なため、音割れの心配がほとんどないとは言え、念のためレベルは確認しておきます。
マイク、2mixともに大体最大-12dbを目指しますが、そこまで心配になる必要はないと思います。
バンド演奏はご存じの通りかなり大音量になるので、リハーサルの時点でレベルを確認しておきます。
まれにバンド編成と一緒に弾き語りの場合があります。この時は弾き語りが圧倒的にレベルが低いはずなのでレベルを調整しておきます。が、もしかしたら32bit floatの力で後で増幅しても劣化が感じられないという結果になるかもしれないです。
いざ忙しい場合、そういったことも考えられるので32bit floatであることの安心感は絶大です。

いざライブが開演するとカメラのセッティングや位置取りなどでバタバタしてきます。オーディオデータは映像に比べれば圧倒的にデータ量が少ないので、あまりケチくさくならずに早めに録音開始しておくことが望ましいです。
※一度録音が開始されてなくてMC中にPAさんが録音されてないことを撮影中の自分に伝えにきてくれたことがありました。めちゃくちゃありがたかったですが、バンドさんに迷惑かけました。反省。

TASCAM Portcapture X6の改善点

本製品の利点は上で書いた通り。ただ、もっとこうであって欲しいという点ももちろんあって、それを挙げてみます。

まずはmicro SDカードであるということ。
製品サイズは結構大きいのでSDカードである方が有難かったです。ライブハウス内で入れ替えはしないようにしてますが、もしするとなるとmicro SDは小さくて無くしそうで怖い。あと単純に取り出し辛いです。
次はスマホでのプレイバックが出来ない点。前述の通り設置するとレコーダーのところに戻るのが面倒なため、リハなどでテスト録音して聴くのが大変。アプリでプレイバックしても本体側で再生されるのですが、音声はスマホ側で聴けないんです。(というかアプリでプレイバック出来るの今知った)
これ、解決方法はあるんでしょうか。あればかなり革命的なんですが。
例えばレコーダー側に別のbluetoothアダプタを付けてbluetoothイヤホンで再生するっていう手も考えたんですけど、さすがに機器を増やすのは管理が増えて大変。

3つ目は、自分が使っている単3電池との相性なのかもしれませんが、表示上の電池の残量が100%にならない点です。
普段はPanasonicの充電式EVOLTAを使用していますが、満充電であっても、表示上100%にならないのです。これが地味に精神衛生上よくない。
もちろん、USBで外部電源で動かすのであまり気にしなくていいのですが。

以上が普段の運用上気になっている点です。ぶっちゃけクリティカルな問題ではないのですがもっとこうなったら良いという点でした。

それ以外に気になってるのは、本体を直接持ってマイクの用に持って録音するとノイズが結構出る点。インスタントに音声収録しようとするのは無理です。多分想定外の使い方だと思うのですが、もしできたらVlog運用とかでも便利かなと思いました。
※ちなみにミニ三脚などつけて本体を直接持たなければこのハンドノイズは気にならないと思います。あまりそういう使い方しないので絶対ではないですが。

まとめ

ライブを記録撮影する上で重要な音声。これを支える重要なレコーダーが自分にとってはPortacapture X6です。
他社製品でも32bit float録音のレコーダーはかなり増えてきたように思います。bluetooth接続、これがかなり大きいメリットです。

やはりネックなのは価格ですが、それに見合う価値はあると考えてます。
是非ライブ映像を撮影している人は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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