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#03 翻訳チャンネルを運営するのってどんな感じ?【ヤンキーの溜まり場ラジオ】

※音声版は「ヤンキーの溜まり場ラジオ」でお聞きいただけます。


飛躍のキッカケは「鬼滅の刃」

Marie 始めてみたとはいえ、やはり駆け出しのチャンネルなわけですから、多分いろいろあったんじゃないかな、と思うんですけど。

ヤンキー すごくいろんなことがありました。

Marie 1本目に「進撃の巨人」の動画をあげました、ってお話いただいたじゃないですか。

 あげてみて、そちらの動画にはどんな反応が返ってきましたか?

ヤンキー 結論から言うと、何の反応も返ってこなかったっていうのはあるんですけど(笑)。

 特にコメントもつかず、再生回数も数回、数十回、みたいな。1日目はそんな感じで。

 ただ、それだけでも、何も今まで出してこなかった自分としては「この動画をこんなに見てもらえてるんだ」っていうところで、ものすごい興奮を味わった感じですね。

Marie そうですよね。知らない方が「ちょっと興味あるな」と思ってクリックしてくれたっていうこと自体が、初めて動画をYouTubeにあげたヤンキーさんからしたら、すごいことですもんね。

ヤンキー そうですね、見る側だったので、ずっと。

 それが、何かを作って見てもらえる側になれるっていうのが、すごい嬉しかったですね。

Marie それは何か、わかる気がするな。

 1人でもいい、2人でも、見てくれるっていうことは嬉しいですよね、やっぱり。

 でも、そうやってスタートしていったとしても、どこかで状況が変わっていくんじゃないかな、って思うんですけど、具体的にはどのあたりで再生数が伸び始めたんですかね?

ヤンキー それで言うとわりと早くて。1本目を出した後、2本目3本目ぐらいに「鬼滅の刃」のヒノカミ神楽のシーンの翻訳動画を出したんですけれど、SOS兄弟がかなり興奮して「すごい神作画だ」って褒めてるところで。

 自分としてもものすごく好きなシーンだったので、前回(の動画)よりいろいろ改善して出したら、最初は数百回、数千回だったのが、一気に数万回ぐらい伸びて、それがどんどん10万回超えて、みたいな。結構、自分にとっても衝撃的な伸び方をしていって。

 まだチャンネル登録者が数十人とかだったのにそれぐらい伸びたので、そこから本当に(チャンネルの動画の再生回数が)伸びていったっていう感じですね。

Marie それ、すごい話ですよね。まだ(動画を)あげて数本目でそんな、10万再生とか、普通ないですよね。

ヤンキー そうですよね、普通なくて。でもやっぱりタイミングもよかったですし、彼ら(SOS兄弟)のリアクションがすごくよかったので、それのおかげだなと思いますね。

Marie 確かにタイミングでいうと、ヒノカミ神楽の(「鬼滅の刃」)1期19話が放送された時期っていうのは、(鬼滅の)リアクション動画がイッキにYouTubeにあがってて、どれもいっぱい再生されてるような時期でしたもんね。

ヤンキー そうですね、普通に100万回くらい再生されてる動画も実際あったので。

Marie え~、そうなんだ・・・!

 何かこう、タイミング的にもチャンネルにバッと勢いがついたな、っていうところがあったんですかね。

ヤンキー そうですね、(SOS兄弟が)皆さんにもぜひ見てもらいたいぐらいの喜び方とか、興奮の仕方をしてるので。

Marie ヤンキー翻訳のチャンネルの中に、まだその動画はあると思うので、気になった方はぜひ見てみてくださいね。

他では扱わない作品の翻訳も

Marie そこで勢いがついて、登録者数もそこから増えていったんじゃないかな、って思うんですけど。

ヤンキー そうですね。(翻訳チャンネルを)始めたのが(2020年の)12月の初めぐらいだったんですけど、12月の後半ぐらいには(登録者が)1000人を超えて、伸びていったっていう感じです。

 毎日(翻訳動画を)出していたので、その時期は。時間もありましたし、熱意もすごかったので、毎日投稿で(運営を)やっていったら伸びました。

Marie 『ヤンキー翻訳』っていうチャンネルがあるんだなっていうことを知って、ファンの方もそこから増えていったっていう感じですよね、きっと。

ヤンキー その当時からSOS兄弟ファンって日本人の中にも結構いたので、その方たちが「この方たち(SOS兄弟)の翻訳動画を出してくれるのは嬉しい」って言って、登録してくださったことが多いですね。

Marie そこからチャンネルも徐々に軌道に乗っていって、年が明けてからも、どんどんSOS兄弟の動画を出していったっていう感じですかね。

ヤンキー そうですね。その当時は今みたいにシリーズで(動画を)出していくっていうよりかは、「この動画、すごい人気ありそうだな」っていうところを(作品に)こだわらずに出していって。

 例えば「宇宙よりも遠い場所」っていう、(通称)よりもいって言われてる作品だったりとか、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」だったりとか、そういったところの翻訳動画を出してました。

Marie 「宇宙よりも遠い場所」とか、当時はほぼ翻訳動画で見たことがなかったので、後に私がヤンキー翻訳さんを知った時に「えっ、「よりもい」あるんだ、珍しい」って思ったのを覚えてます。

ヤンキー 確かに。そもそも海外リアクターでリアクションしてる方が少ないですし、翻訳動画は出てなかったんですけど、でも(チャンネルで)1本出した時にすごい反応がよくて、引き続き出していったっていう感じですね。

ライバルチャンネルとの切磋琢磨

Marie その辺から、他の翻訳動画をあげてるチャンネルでもSOS兄弟の動画を取り扱って、っていう感じだったんですかね。

ヤンキー そうですね、並行して他のチャンネルも(SOS兄弟の動画を)出してはいましたね。

Marie 結構、その辺のチャンネルの動向とか見たりしてたんですか?

ヤンキー 初期の時は他の翻訳チャンネルさんを本当に参考にさせてもらいましたし、他のチャンネルで伸びてる動画が何なのかなっていうのは、徹底的に見てたので、すごい見てた方だと思います。

Marie 特に意識していたチャンネルとか、あったりしましたか?

ヤンキー それこそ(溜まり場ラジオの)第1回で言った『SOS兄弟の翻訳をしているもう一つのチャンネル』っていうのは結構、意識してましたね。

Marie そうかそうか、そうですよね。

ヤンキー もう、逐一チェックしてましたね(笑)。

Marie でもやっぱり、再生数的には先行のチャンネルさんの方がたくさん再生されたり、というところはありますよね、どうしても。

ヤンキー そうですね、登録者数も1万人弱ぐらいはもうすでにいかれていたので。固定の方もファンにいましたし。

Marie じゃあ、ヤンキーさん的には「頑張って同じぐらいの再生数いけるようにするぞ」みたいなとこがあったんですかね?

ヤンキー そうですね、ずっとそこを目標にして、(相手のチャンネルの再生数を)超えて見てもらえるようにしよう、と思ってました。

Marie なるほど。実際に、ライバルのチャンネルさんと同じぐらいの再生数って、どの辺で取れるようになったんですか?

ヤンキー ちょうど(2021年の)1月から3月にかけて放送されていた「進撃の巨人」のファイナルシーズンの翻訳動画をやり始めたぐらいで、だんだんと追いついていったっていう感じですね。

Marie 確かに、その時期はめちゃくちゃ(進撃が)盛り上がってましたね。

 それでついに、年明けから春先にかけて、再生数も大体同じぐらいになったっていうところだったと思うんですけど、(再生数が)並ぶとか多くなるとか見た時に、どう思われました?

ヤンキー いやもう、めちゃくちゃ嬉しかったですよ、それは(笑)。

 (再生数を上回るのも)そんなすぐにってわけじゃなくて、(「進撃の巨人」)4期の1話から5話ぐらいまでは、アニメ放送直後に翻訳動画を出そうっていう考えすらなくて、何もしてなかったんですけど。

 もう一つのチャンネルが(アニメの)放送直後、SOS兄弟(本家チャンネル)が動画を出して、その直後に(翻訳)動画を出すっていうのをずっとやってて。

 「それなら自分もやろう」っていうところで、6話ぐらいから始めて。でもなかなか翻訳のスピードでそのチャンネルさんには追いつけなくて、いつも遅くに出ちゃう、ってところがありましたね。

Marie そうですよね。翻訳して、字幕を編集で付けるって、そんなにすぐにできないですもんね。

ヤンキー そうですね、動画編集ってやっぱり重くなっちゃうんで、作業が。

 パソコンも、自分が当時使ってたものがだいぶスペックがよくなかったので、ずっと(読み込みの表示が)くるくるしちゃってて、待ち時間とかで10時間ぐらいかかっちゃって、合計で。

Marie うわ~、それはキツイ・・・。

ヤンキー 朝(作業を)始めて、夜10時とか11時ぐらいに出す、みたいになっちゃって、どうしても遅れを取っちゃう、みたいなことがありましたね。

Marie 環境の整備が進んでないっていうところは、確かにあるあるですよね。

ヤンキー それで新しいパソコンを2月ぐらいに買って、だんだんスピードも追いつくようになって、ついに(向こうのチャンネルより)早く出すっていうのに成功して。

 そこからだんだん視聴者さんも「ここ、早く出してくれるんだ」っていうので、見に来てくださった方が多いですね。

Marie すごいですね(笑)、よくあるじゃないですか、コンビニが道路を挟んで、向かい合わせで出店しちゃった状態とか(笑)。

ヤンキー そうですね、本当その感じで(笑)。多分、お互い意識してたのかな、と思いますけどね。

Marie 向こうのチャンネルのチャンネル主さんも、気付いてはいますもんね、絶対(笑)。

 でも、そういう状況っていうのは全然普通にあり得ることであって、そうなった時にいかに良さを知ってもらうかとか、いかにうちのお店の魅力を発信していくか、みたいなところを、現実のお店の方もやってらっしゃると思うんですよ。

 もしかしたら、オンライン上とはいえ、同じような状況っていうのがあったのかな、とか思ったりして。

ヤンキー そうですね。お互い本当、切磋琢磨してというか、ありましたね。

Marie 「それ、やられたな」とか「その方法はちょっといいな」とか、ありますよね、細かく。

ヤンキー 翻訳に関しても、比較できちゃうわけじゃないですか。

 「ここ分からなかったけど、向こうのチャンネルは分かったのか」だったりとか、逆に「向こうのチャンネルはここ訳飛ばしてるけど、うちのチャンネルではちゃんと訳付けられたな」とか、そういうところもありましたね(笑)。

Marie すごい、めちゃくちゃリアルだわ(笑)。絶対気になっちゃいますよね、わかる。

ヤンキー コメント欄もやっぱ気になっちゃいますね、相手の(笑)。

Marie 確かに、それも読んじゃいますよね(笑)。

 それもある意味マーケティングというか、市場調査に近いかもしれないですよね。

ヤンキー どういうところに視聴者さんが価値を感じられてるのかな、っていうのを見てましたね。

Marie ヤンキーさんはその時期は一生懸命、ご自身のチャンネルにとって何がいいのかとか、どうやったらいいものをもっと作っていけるのかっていうところを、時間をかけてやってらっしゃった、ということなんでしょうね。

ヤンキー そうですね、ひたすらやってたっていう感じですね。

Marie すごいな。その集中力とか、自分の時間と労力をかけるぞっていうエネルギーっていうんですか。それは本当にすごいことだなって思います。

ヤンキー ずっとどこに向けようか迷ってたエネルギーが、一つ自分の愛するべき対象が見つかったので、すごい定まって集中できたっていうのはありますね。

Marie そっか、コロナでちょっとくすぶるというか、どこに向けたらいいんだろう、みたいになってたものがあったんですもんね。

ヤンキー そうですね、もともとそうだったので。

自分のチャンネルの魅力を追及する

Marie それで3月とか4月とか、春になったぐらいでヤンキー翻訳の動画の再生数も、かなりアップしていったというところでしたけど、理由として、どんなところを視聴者さんは喜んでくださったと思われますか?

ヤンキー まずはやっぱりサムネイルだったりタイトルだったり、分かりやすさとか、魅力的に映るかどうかというところで、視聴者さんが入ってきてくださってて。それはもう一つのチャンネルさんよりもより良くしようと考えてましたし。

 あとは本質的な部分で、翻訳は『丁寧に正確に』ってところを徹底的に心がけていまして。その当時は「Oh my god!」とか、そんなに訳さなくてもいいところまで訳を付けたりとか、注釈とかもものすごく細かく付けて。

 『このチャンネルを見るからこその分かりやすさ』ってところを、なるべく全面に押し出してやってました。

Marie 確かに注釈に関しては驚きました、最初に見た時。「注釈なんか書いてるチャンネル、他にあったっけ?」みたいな感じで。

 私はあんまりゲームとかもしないし、海外のあるあるみたいなのも全然わからないので、その辺を補足してもらえるとすごい見やすかったな、っていうのがありますね。

ヤンキー SOS兄弟はたまにそのまま訳しただけだとよくわからないことを言うと思うので、それを(翻訳時に)こっちでも調べて「これってこういうことなんだ」って分かって。

 「せっかく調べたし、それも知ってもらった方がいい」と思って、結構(投稿を始めた)最初から注釈は入れてましたね。

Marie サムネイルに関しても結構こだわってらっしゃったってことだったんですけど、ライバルのチャンネルとご自身のチャンネルで、一つ「ここはこだわりとして違うよ」ってところを挙げるとしたら、何かありますか?

ヤンキー 一つ挙げるとするなら、SOS兄弟お二人の表情っていうところはかなり違うかな、と思ってて。

 他のチャンネルさんは同じ表情を使い回すとか、結構されてたところもあるんですが、そうではなくて、その時に最適な『見たくなる表情』ってあると思うんですよ。

 その表情をいかに『いい表情』にするかってところに、全神経を注いでましたね。

Marie 純粋な疑問なんですけど、サムネイルの表情を決める時って、リアクション中の顔を本当に一個一個見ていく感じなんですか?

ヤンキー そうですね、リアクションをバーッて見て『この顔』ってところをスクリーンショットして、ですね。

Marie  例えば、どこにいい顔があるかなんてわからないから、基本的に0秒から最後までずっと見ていくことになるじゃないですか、毎回。

ヤンキー 翻訳のチェックとかしてる時に、ある程度「あ、これいい表情だ」と思った時に(動画の)時間をメモしとくんですよ(笑)。

Marie なるほど。

ヤンキー それで最後に、いくつかの候補の中から一番いい表情を撮るっていう感じですね。

Marie 何か、目が鍛えられそうですよね。いい表情を捕まえる目、みたいなのが。

ヤンキー そうですね。ずっとパソコンをグワッて見てますから(笑)。

Marie 瞬発力というか、だんだんセンスが鍛えられるというか、「今の顔は絶対良かった!」みたいなのがありそうですよね。

ヤンキー それはありますね、やっぱりSOS兄弟のいろんな顔を見てきたので(笑)。

Marie 「サムネにいい顔を見つけさせたら右に出るものはいないよ」みたいな(笑)。

ヤンキー 自信しかないですね、それは(笑)。

Marie ものすごいニッチなスキル(笑)。

ヤンキー 確かに(笑)。

Marie 何か、情熱を傾けて、どんどんそれに伴ってチャンネルの動画の質も良くなっていく、っていうのはすごくいいですよね。

ヤンキー 自分の好きを出せるところでもありますし、(好きを)分かち合える場所でもあるので、自分にとってもすごい楽しかったですね、その期間は。

Marie (チャンネル立ち上げから)最初の3~4ヶ月くらいで、ヤンキーさん自身も『翻訳動画のチャンネルの運営』っていうものに、グッとのめり込んでいった、みたいな感じだったんですかね?

ヤンキー そうですね、その時期は本当に全身全霊って感じでのめり込んでましたね。

Marie 今回の話なんか聞くと、少年漫画とかでもよくありますけど『ライバルの存在』ってやっぱり、実生活でも大切なんだな、って思いました。

ヤンキー こういう仕事というか、YouTubeだったりとか、今やってる事業もそうですけど、結構、一人になっちゃうことはあるんですけど、やっぱりライバルの存在がいたりとか、そういったことで本当に刺激をもらえてるので、めちゃくちゃありがたいな、って思ってます。

Marie 資料によると、今回お話しいただいたのが、大体2020年の年末頃から2021年の春先頃の出来事っていうことなので、まだ(今から)2年以上前の話なわけじゃないですか。

 ここからまだまだ(チャンネルの)長い歴史が続いていく、っていうことだと思うんですけど。

 例えば、いつから今のようなチーム体制になったのかとか、その辺も気になるところですし。

ヤンキー それはまあ、また来週ということで(笑)。

Marie 何か、紙芝居の終わりみたいな(笑)。

 確かに私たち、うっかりするとすぐまた1時間とか喋っちゃうんで、本日はこの辺で終わっておこうかなと思うんですけど、本当に面白かったです。ありがとうございました。

ヤンキー よかったです、ありがとうございました。

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