SFCの良いところと悪いところ
こんにちは、猫派のいーもりです。
僕は2019年の春から2023年の秋までSFC(慶應義塾湘南藤沢キャンパス)の環境情報学部に在籍していました。
卒業して半年近く経ち、外部院から合格をもらったこのタイミングで、4年半を通してSFCに在籍して感じた、SFCの良いところと悪いところを列挙してみます。僕自身がSFCをあまり好きでは無いのでネガティブな表現や老害みたいな記述などが多いかと思いますがご了承ください。
(インパクトあるヘッダーは、研究に使ってたロボットを鴨池で撮ったやつ)
この記事の対象者
SFCに進学するか悩んでいる受験生
SFCに進学したけどフルでリソースを使えてないと感じる現役生
良いところと悪いところ一覧
SFCの良いところ
好きな研究が行える
僕みたいなチャランポランでも、研究意欲があれば拾ってもらえる
個人で獲得できる研究費がある
(研究室にもよるが)旅費などが研究室から出る
情報系の学部があるので、図書館の情報系の本が充実している
プリンターが年2500円分使える
休学費用が学部2年から安い
トイレが綺麗
SFCの悪いところ
好きな研究が行える
学費が高い
数学の授業がちゃんとしていないし、全て必須というわけでもない
なんでもやっていいため、授業が入門レベルで終わるか、激ムズレベルのどっちか
シンプルに周辺に何も無さすぎる
バス通学が苦痛
研究してるって言ってるけど何もしてない人が多い
高いのが意識だけ
面白いのが講義名だけの授業が多い
SFCの良いところ詳細
好きな研究が行える
SFCで大半の研究室では自分の好きな研究が行える。しかも学部や学科の制限などは特に無いため、総合政策学部でも情報系の研究室は入れるし逆も然り。理工学部や他の大学であれば成績によって希望研究室に配属されなかったり、そもそも学科が違うなんてこともあるらしいがSFCではそういうことはなかなか起きない。
しかも一般的な研究室であれば先輩から研究テーマを引き継ぐことが多いが、SFCの大半の研究室では自分で好きな研究テーマを設定することができる。
僕みたいなチャランポランでも、研究意欲があれば拾ってもらえる
高校までの勉強に不安があっても、しっかり研究意欲があれば入学することが比較的容易な大学である。僕はAO入試で入学したため高校の教科についてはあまり自信がない、そのため他の大学であれば浪人したりして入学することそのものに苦労したと思う。しかしSFCではそういった層を拾う役割もあるため意欲があれば入学や在籍中に大変な苦労はすることはない(ただ勉強に追いつく努力などはもちろん必要)。
個人で獲得できる研究費がある
学部生が個人で研究費を獲得することができる。これも他の大学では見られない制度だと思う。SFCには学部生が応募可能な研究助成や支援が複数ある。「山岸学生プロジェクト支援制度」と「教育奨励基金「学習・研究奨励金」」あたりは該当する学生も多く、他と比較して応募しやすい研究助成金だと思う。
山岸学生プロジェクト支援制度は、応募が可能なのは学部3年生からだが、MAX30万円の個人で使える研究資金を得ることができる。教育奨励基金「学習・研究奨励金」は学部1年から応募することができ、こちらもMAX30万円の個人で使える研究資金を獲得することができる。筆者は学部2年次に教育奨励基金で27万、4年次に山岸学生支援プロジェクトで22万の研究費を獲得することができた。応募する際は研究室の人に添削してもらったり、アドバイスをもらうとグッド。
(研究室にもよるが)旅費などが研究室から出る
これはSFCのメリットというよりも慶應義塾のメリットかもしれないが、学会の参加での出張などで、研究室にもよるかもしれないが旅費が大学や研究室から出る。他の大学などは少数派かもしれないが、学生自身が負担したりなどがあるため、この点に心配せずに投稿ができるのは非常によかった。筆者は研究会投稿1本、国際会議1本だったため、もっと積極的に投稿すれば良かったと後悔してる。
情報系の学部があるので、図書館の情報系の本が充実している
情報系の学部があるため、大学図書館の情報系の本はかなり充実していた。より低レイヤーな内容であったり、理論的なものは矢上の理工のメディアセンター(図書館を慶應ではこう呼ぶ)にしかないことが多いが、情報系であればかなりSFCのメディアセンターに集約されている。また建築系の学生や、心理系の学生もいるため他分野の本にも比較的アクセスしやすい環境ではあった。
プリンターが年2500円分使える
これはあまり知られてないメリットかもしれないが、プリンターが年間を通して2500円分使える。毎学期初めにリセットされるので、論文は紙で読みたい人間、講義の資料は印刷しておきたい人間にはかなり良い環境だった。プリンターも割とあちこちに置いてあるので、結構気軽にプリントできた。SFCだと3Dプリンタなどの話が全面的に出てきてしまうが、2Dも比較的使いやすい環境だと思う。
休学費用が学部2年から安い
これもSFCというよりかは慶應全体のメリットになるが、学部2年次からの休学費用が安い。授業料などは払う必要はなく、在籍費用(半年3万、年6万)を払うだけで良い。しかも休学期間は、学内ネットワークや、図書館、ジムといった学内のサービスはフルで使うことができるのでかなり良かった。筆者はコロナ禍でオンライン授業があまり良いとは言えず、かつ授業回数がオリンピックの影響で減っていたこともあり、2020年に半年休学をした。卒業が遅れるなどのデメリットがあるため、軽気持ちで判断せずきちんと休学期間で何をするのかをしっかり定めたほうが良い。
トイレが綺麗
トイレが綺麗、なんならトイレ新しく工事してさらに綺麗にしてる。私学で予算に余裕があるためか、教室のリノベーションとトイレの改善が進んでいる。これ地味だけど本当にでかい。予算がないところだと、トレイが古いままだったりするので、そういったところに関するストレスはないと思う。
SFCの悪いところ詳細
好きな研究が行える
良いところでもあげた、好きな研究が行える。これ実は良いところでもあり、悪いところでもあるんです。好きな研究が行える分自分でその道を整備しないといけないし、どういう方向に進んでいくか定めないといけない。そのため研究テーマの設定だけで時間をかけてしまったり、毎学期研究テーマが変わるなどといったことが起こり、知見の積み上げが非常に難しくなる。自分で設定するのがハードな分、宙ぶらりんなふわふわした研究内容になったりと、ちょっと突かれたら崩れてしまうような研究になってしまったりする。また同じ研究室でもテーマがバラバラなことから、まとまった議論ができなかったりと、議論そのものが立てれなかったりする。そのため好きな研究が行えることは、自分でやりたいことが決まってる人にはメリットになるが、決まってない人にとっては相当負荷の高いデメリットとなる。
学費が高い
SFCのデメリットというか慶應全体の学費が高い。本当に高い、慶應全体で高いのは分かるが、にしても高い。なんであんな僻地で理工くらいお金かかってるんやってなるくらい高い。収めた学費はどこへ消えていくんだレベルで高い。プリンターとか研究助成金のメリットが吹き飛ぶくらい高い。授業も抽選だったりして、受けたい授業が受けれなかったりするのに学費が高い。
数学の授業がちゃんとしていないし、全て必須というわけでもない
数学の授業がしっかりしてなくて、必要な知識を押さえられない。SFCの数学の科目は謎にデータサイエンス(笑)と名前がついていて、データサイエンス1と2が卒業要件として必要になる。しかし、データサイエンスの科目は微積、線形代数などそれぞれの数学の分野の1つの授業をとれば良く、全てが必須ではない。そのため大学数学の基礎の授業を受けないまま卒業する人が大半になる。そして授業もしっかりやっている印象はないため、理工や他の学部の授業が羨ましく感じる。しかもそのせいで他の授業では「数学を使わないように」説明しようとしてくるため、余計に分かりにくい。また外部の大学院に進学することを決めると、まず自分で基礎から独学しなければならずハードルが高くなる。
なんでもやっていいため、授業が入門レベルで終わるか、激ムズレベルのどっちか
好きな研究ができるに通ずるものがあるが、何でもやっていい学部なので学生のレベル統一ができないため、講義が入門レベルで終わるか、めちゃくちゃやってる人向けの激ムズレベルのどっちかになりがちになる。SFCでは大半の授業が、体系的に講義を受けることを想定していないため、授業が入門レベルで終わることが多い。講義では深く知ることはほぼ不可能で、少しレベルをあげた授業を取ると、激ムズレベルになり中間に位置する授業が存在しない。学生のレベル統一ができない問題は研究室での議論においても影響し中身のない議論で時間が消えていくことも多々ある。
シンプルに周辺に何も無さすぎる
本当になんもない。なんでこんな駅から離したレベルでない。だから基本的に大学に行った後はここ行って〜みたいなことはし辛い。逆に言えば大学行けば集中して勉強とかできる(本当に集中できるかは分からん)。湘南台とSFCの中間に位置する南大山には、そこそこ飲食店などがあるが、SFCから行こうとすると、坂があるため行く気はしなくなる。
バス通学が苦痛
最寄駅の湘南台からSFCまでは歩いて45分くらいかかるので、通常バスかチャリ通になる。僕はバスで通学していたが、本当にありえないくらい混む。すごい混むし、バスの乗り方を知らないのかバスの入り口付近で固まるので、中スカスカ、入り口付近ギュウギュウがよく発生する。あと学生はすごくうるさいので、頭痛に苦しめられる。
ここから下は口が悪くなるので注意
研究してるって言ってるけど何もしてない人が多い
「OOの研究してます」って言ってるけどお前何も手を動かしてないし、論文も読んでないよなって人が多い。実際に手を動かしてたり、論文読んだり実験してる人は「OOをやってます」って言ってる印象が多い。研究してるって言って実際に研究してる人もいるが、手を動かしてない人が本当に多い。
高いのが意識だけ
高いのが意識だけで、問題発見問題解決とか言ってる割には身近な問題は何も解決しない。SFCから湘南台のバスも高いのが意識だけの人間がいっぱい乗ってるので、動物園みたいにうるさい。すごいうるさい。そこから聞こえる内容もうっっっすい。グループワークも多くて、なんかやった気になるけど、実際はなんも変わってないよねみたいなの多い。提言だけで終わる。
面白いのが講義名だけの授業が多い
本当に面白いのが講義名だけの授業が多い。名前面白そう、シラバス面白そうでとってみると、シラバスと全然違って、つまらないし、何も学べない授業が多かった。ごく稀に、しっかりとした授業をやってくれる先生に当たった時はすごいテンションが上がる。
終わりに
ざっくばらんに4年半在籍して感じた、SFCの良いところ悪いところをあげてみました。基本的に隣の芝生は青いので、変なバイアスがかかって悪いところをあげているかもしれませんが。
個人的にSFCが良い大学だったかは言えませんが、自分には合っていたのかなという感じです。
感じていたことをざっと書いたので読みにくい文章だったかと思いますが、誰か一人でもこの記事が役立てばいいかな。