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【日本-中国】「金の斧、鉄の斧」の寓話で伝える教訓(美徳)の違い

イソップ寓話にある「ヘルメースときこり」は知っていますか?
日本では「金の斧、鉄の斧」といった方が分かり易いかもしれません。
この寓話は、出てくる神様が日本では老人の姿をしていますが、海外各国では「女神」であったり、「妖精」であったりとさまざまな姿で描かれています。話の展開はみなさんよくご存じかと思いますが、念のため簡単に書きますね。

きこりが池に斧を落としてしまいます。すると池から神様が出てきて、斧を拾ってくれました。
神様 「お前が落としたのは、この金の斧か?」
きこり「それは私のではありません」
神様 「では、お前が落としたのは、この銀の斧か?」
きこり「それも、私のではありません」
神様 「では、お前が落としたのは、この鉄の斧か?」
きこり「それが私のです、ありがとうございました!」

中国の場合は、「神様→老人」「きこり→貧しい子供」で伝えられることが多いようです。さて、会話の内容が、ここから先は日中で少し異なります。
日本の場合は、このあと神様から正直なきこりは金の斧・銀の斧を与えられ「正直者は得をする」といった教訓が伝えられています。中国の場合は、以下のように会話が続いていきます。

神様 「では、お前が落としたのは、この鉄の斧か?」
きこり「それが私のです、ありがとうございました!」
神様 「お前は正直者だから、金と銀の斧も与えよう」
きこり「それは私のものではないので、いりません」
神様は去るきこりを見送りながら微笑みました。

この寓話で語られている教訓は、
做好事不求回報(良いことをしても見返りを求めない)
日本の教訓とは少し異なりますね。

今現在は分からないですが15年前は中国の小学校の国語教科書の中で「斧の物語」として掲載されており、受け継がれ続けている中国の美徳です。


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