生まれた日に死のうと思った話②

"なんで生まれてきてしまったんだろう"
と、朝から泣いていた誕生日。

今までそんなに深く考えずに
子どもの頃から誕生日を喜んでいたし、
お祝いされれば、当たり前のように
「ありがとう」って返していた。

けれど今一度、
"誕生日って何がめでたい日なんだろう"
って考えてみた。

昔、食べるものが十分になかったり、
衛生が整っていなかった頃は
小さな子供はすぐに栄養失調で
亡くなってしまっていたりしたから
1年、また1年と年を重ねて成長してきたこと、
今日という日まで生きてこれたことを祝うことが
そもそもの誕生日を祝う意味だったんだよね。

今では、次の年も誕生日を迎えられることが
あたり前の時代になってきている。
だから、本来の意味を忘れていたんだ。

「おめでとう」の代わりに
「今日まで生きてくれてありがとう」
という言葉だったら、
受け取れるかもしれないと思った。

でもそんなことを言ってくれる人は
誰もいなかった。

だから、"言ってもらえたら"なんて
誰かに期待するのはやめて
自分で自分に言ってあげようと思った。

そうだ・・・

自分にとって大切な人にさえ
わかってもらえなくたって

全てお見通しのはずのお天道様にさえ
わかってもらえなくたって

自分が生まれてから今日という日まで
どれだけ頑張って生きてきたかなんて
自分自身が一番よくわかってるじゃない。

この世界じゃ言葉で伝えきれなくて
音楽やアートを使っても伝えきれなくて
でも確かに自分の心の中に感じてきたこと
全部、全部、全部・・・!!!!!

きっと自分が自分の命を心から祝えたら
この地球に生まれてきたことを喜べたら

誰かからの「おめでとう」も
素直に受け取れるんだろうな、
と思った。

夜は、毎年家族で祝う
誕生日パーティーがあって
這って行った。

それでも、無理に笑顔を作ることができなくて、
食事中も必要最低限のことは口にしなかった。

「どうしたの?」
と聞かれても答えられず
「別に」
と沢尻エ●カ様のような返事しかできなかった。

ローソクにケーキを目の前にしても
虚ろな目で揺れる炎を
見つめていただけだった。やばいw

でも、そんな自分でも受入れてくれるのが
やっぱり、家族だなぁと思って有難かった。

つづく

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