見出し画像

風と共に去りぬ

十代の頃、「フリッパーズ・ギター」が大好きでした。
その中でもとりわけよく聴いていたのが「Singles」というアルバムでした。
アルバムの内容もさることながら、私がとても好きなのがそのジャケットです。
水色の背景に外国人の女の子が丈の短いショッキングピンクのネグリジェを着て本を眺めている。
そのジャケットを初めて見た私は、水色とピンク色という「あっち側とこっち側」同士のカラーの取り合わせに、衝撃を受けました。まさにびっくり仰天です。まさか色に一目惚れするとは。保守的で無味乾燥な自分の部屋にはなかった彩りでした。

あんなに好きだった本も、割れてしまうんじゃないかというくらい聴いたCDも、いつの間にか物置に置きっぱなしだったり、手放してしまってとっくに手元になかったり。
時間の流れと自分が今立っている場所をふと思います。
でも一方で、本当に好きだったものや、あの頃の自分を勇気づけて楽しませてくれたものたちは、その姿形を変化させて、今も自分のそばにあることに気づくことがあります。大事なものはちゃんと心に残っている。
皆さんはいかがですか?
あれから三十年近く経った今、私のパジャマはくすみがかった水色にサーモンピンクの花柄です。まだ恋に落ちたまんまです。
久しぶりの「Singles」、聴いて眠ろうと思います。

ここまで読んでくださった方に心からの感謝を捧げます。
ありがとうございました。
昨日の夜は風が強かった。今夜は眠れるかな。
それではまた。


この記事が参加している募集

#新生活をたのしく

47,868件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?