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小児はり施術がもたらす、子どもやその家族全体への影響を考える

先日、こんなことがありました。

小児はりに通ってくれている保護者さんが、ひどく落ち込んでいたのです。理由を尋ねてみると、「幼稚園の懇談で、先生の言葉や態度にもやもやした」ということでした。

実はこういったことは、この方だけではなくて、けっこうよく聞くエピソードです。我が子が集団生活でどんなふうに過ごしているのか、気にならない親はいません。担任から「お子さんは〇〇が苦手みたいですね」「お子さんは△△といったようなことがみんなと一緒にできません」などと言われ続けたら、「それって、発達障害かもしれないってことですか?」と心配になってしまうでしょう。

もし先生が、苦手やできないことばかりじゃなくて、得意なことや好きなこと、本人が興味をもって取り組んでいることを中心に教えてくれていたら、親も「そうなんだ」と安心できるのに、どうして「できないこと」ばかりを指摘されるのでしょう。

園の方針や、地域によってももちろん異なりますが、「みんなと同じことができる/できない」のものさしだけで物事をみることにとらわれてしまっている保護者さん(場合によってはお子さん本人も)をサポートできるのが、小児はりを行う鍼灸師の役割のひとつだと思っています。

今回は、発達の不安があるお子さんへの小児はりをすることで、そのお子さん自身、およびご家族に起こる変化について書いていこうと思います。


鍼灸師が知っておきたい、「支援」のスタンス

まずは「支援」のスタンスについて改めて認識しておきましょう。わたしたち鍼灸師は、子どもとその保護者の支援者にあたります。支援とは、具体的にどういうことを指すのでしょうか。

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